第107話 あさがおの水やり
夏といえば、あさがお。小学校で育てたり、おうちで育てたり、思い出に残っている人も多いですよね。今日は、はるきくんとみゆちゃんが、あさがおのお世話をがんばるお話です。
ある朝。
はるきくんは、ベランダに出て大きくのびをした。
「うーん、いい天気!」
ふと見ると、プランターに植えたあさがおがぐったりと葉っぱをさげている。
「たいへんだ! のどがかわいてるんだ!」
あわててじょうろを持ってくると、ちょうどみゆちゃんがやってきた。
「はるきくん、どうしたの?」
「見てよ、あさがお、しおれちゃってる!」
「ほんとだ……。水をあげなきゃ」
ふたりで交代しながらじょうろで水をそそぐと、土がじゅわっと音を立てるようにしみこんでいった。
すると、しばらくして葉っぱが少しずつしゃんとしてきた。
「わぁ、元気になってきた!」
「水って大事なんだね」
それから毎朝、ふたりはベランダであさがおに水をやるのが日課になった。
晴れの日はもちろん、うす曇りの日も、忘れずに。
ある日、みゆちゃんが言った。
「ねえ、あさがおって、ちゃんと『ありがとう』って言ってるのかも」
「えっ、どういうこと?」
みゆちゃんはにこっと笑った。
「だって、水をあげると、すぐに元気になって葉っぱをひろげるでしょ? それが『ありがとう』って言ってるみたいなんだよ」
はるきくんもなるほどと思いながら、緑の葉っぱを見つめた。
すると、その葉の先から小さなしずくが光って落ちてきた。
「ほんとだ。涙でありがとうって言ってるみたいだ」
やがて夏休みのころ、あさがおは大きな花を咲かせた。
ふたりは朝顔を見ながら、うれしそうに拍手をした。
「これからも、ちゃんとお水あげようね」
「うん! もっともっと咲かせてあげよう」
植物のお世話って、ちょっとたいへんなときもありますが、ちゃんとこたえてくれるとすごくうれしいですね。みなさんもお花や野菜を育ててみると、新しい発見があるかもしれませんよ。




