第106話 ノートのなかの地図
いつもつかっているノート。そこに見えない誰かがメッセージをのこしていたら……? 今日は、たかしくんとさくらちゃんが見つけた「ふしぎな地図」のお話です。
土曜日の午前中。
たかしくんは机の上をかたづけながら、古い自由帳を見つけた。
「これ、もう使ってないやつだ」
ぱらぱらとページをめくると、白紙のページのすみに、なにか鉛筆で書いたような薄い線が見えた。
「ん? これ……地図?」
あわてて消しゴムでこすってみると、線がはっきりあらわれてきた。どうやらノートの中に、だれかが小さな地図をかきのこしていたようだ。
そのとき、ちょうどさくらちゃんが遊びにきた。
「たかしくん、何してるの?」
「これ見て! ノートにふしぎな地図があるんだ」
ふたりでじっくり見ると、地図には木の絵や小さな家のマークが書かれていて、最後に「×」がついていた。
「まるで宝さがしの地図みたい!」
「この木、どこかで見たことあるぞ……」
たかしくんは思い出した。家の近くの公園に、大きな三本の木がならんで立っている場所がある。
「きっとここだ!」
ふたりはさっそく外に出かけ、公園の三本の木のところへ行った。
すると、地図に描かれていた通り、木の根元に小さな石がならんでいた。
「これだ!」
石をどけてみると、中から小さな缶が出てきた。中をあけると――そこには古いビー玉と、小さなメモが入っていた。
『見つけてくれてありがとう。
このビー玉は、空の色をうつす宝物です。
持っていると、きっといいことがあります。』
ふたりは顔を見合わせて、どきどきしながらビー玉を光にかざした。
すると、ただのガラス玉のはずなのに、青空や雲の色がきらめいてうつりこんでいた。
「ほんとに空が入ってるみたい!」
「これ、宝物だね」
その日からふたりは、ノートの地図を大切にとじて、ビー玉をおそろいのおまもりにした。
古いノートや使いかけのページには、思わぬひみつがひそんでいるかもしれません。
次にノートを開くとき、すみっこまでよく見てみると……ふしぎな冒険の入り口があるかもしれませんよ。




