第104話 あめのひのぼうけん
みんなは雨の日、どんなふうにすごしているかな? 外で遊べなくてつまらない……なんて思うこともあるけれど、実は雨の日にしかできない楽しみ方もあるんだよ。今日は、ゆうたくんとまいちゃんが雨の日に見つけた“ちょっとしたぼうけん”のお話です。
朝からしとしとと雨がふっていた。
まいちゃんは、窓の外を見ながらため息をついた。
「せっかくの休みなのに、外で遊べないね……」
そこへ、ゆうたくんから電話がかかってきた。
『あのさ、雨の日でも遊べること、いっしょに見つけない?』
「いいね! すぐ行く!」
まいちゃんはかさをさして、ゆうたくんの家へ向かった。
二人はまず、家の中でカードゲームやボードゲームをして遊んだ。けれどしばらくすると、少しあきてしまった。
「うーん、なんかもっとわくわくすることないかなぁ」
「雨の日だからこそできること……」
ゆうたくんはしばらく考えてから、にやっと笑った。
「そうだ! 探検に行こう!」
「えっ? 雨の中に?」
「うん。長ぐつもあるし、かさもあるし。大冒険だ!」
まいちゃんはちょっと心配そうにしたけれど、結局ふたりでレインコートを着て外へ出ることにした。
外はしとしと雨がふっていたが、道のあちこちに小さなみずたまりができていた。
「わぁ、湖みたい!」
まいちゃんが長ぐつでぴちゃっと水をはねさせる。
「こっちは川だぞ!」
ゆうたくんは道路のわきに流れる水を指さした。
ふたりは「湖」や「川」を地図に見立てて、雨の日探検をはじめた。
すると、近くの公園のすみで、とても大きなみずたまりを見つけた。
「これ、ぜったい“海”だよ!」
ゆうたくんが目を輝かせる。
「じゃあ、ここで船をうかべよう!」
まいちゃんは思いついて、家から持ってきた折り紙をかばんから取り出した。
ふたりは公園のあずまやで紙を折り、いくつもの小さな船をつくった。
それを「海」に浮かべると、雨のしずくが波のように広がり、船はゆらゆらと進んだ。
「わぁ、ほんとうに航海してるみたい!」
「ぼくの船、まいちゃんの船に追いついたぞ!」
ふたりは声をあげて大はしゃぎした。
雨の音、かさに落ちるしずくのリズム、それに小さな船の冒険。
つまらないと思っていた雨の日が、一気に楽しい探検に変わったのだった。
やがて夕方になり、雨は少し小降りになった。
ふたりは船をそっと拾い上げ、ポケットにしまった。
「今日のこと、ぜったい忘れないね」
まいちゃんがにっこり笑う。
「うん。雨の日だって、最高の冒険ができるんだ」
ゆうたくんも笑顔でうなずいた。
雨の日って退屈に思えるけれど、ちょっと見方を変えると楽しい遊び場に早がわりします。みんなも長ぐつやかさを持って、雨の日ならではの小さな冒険を見つけてみてください。




