ここまでの【あらすじ】と【登場人物紹介】
『戦隊ヒーロー追放された俺、なぜか敵の幹部になって世界を変えていた件』
ここまでのあらすじ(第1話~第23話まで)
日向イツキは、かつて“セイガンレッド”として名を馳せた戦隊ヒーローのリーダーだった。だが、仲間の裏切りと陰謀により無実の罪を着せられ、敗北の責任を一身に背負わされ、表舞台から追放される。
放浪の果て、彼は敵対する秘密結社〈ネメシス〉にスカウトされるという奇妙な運命を辿る。だが皮肉にも、その中で初めて「戦う意味」や「信じることの価値」を問い直す仲間──女性幹部ラミアと出会い、イツキはネメシス内で幹部候補として頭角を現していく。
同時期、敵として現れた謎の新戦隊「セイガン・ゴールド」が登場。ヒーローと怪人の境界が曖昧になる中、かつての仲間だったセイガンブルー・レンはチームの崩壊とサクラの重傷により、後悔と絶望の淵にいた。
ネメシス内では、かつて暴走したS級怪人ゲロスを中心に“怪人進化計画”が進行。実験により第三形態に進化したゲロスは、神をも喰らう暴威へと変貌。イツキとラミアは命を賭けてこれを討伐する“作戦G-Omega”を遂行し、ついにゲロスの破壊に成功するも、ラミアは重傷を負い昏睡状態に陥る。
その後、イツキは功績を認められネメシスの正式幹部へ昇格する。しかしそれは同時に「制御不能な英雄」としての監視と試練を課す、危うい人事でもあった。
復活したラミアと共に、イツキはネメシスの非人道的な行い──捕虜や民間人を素体とする“新怪人計画(コード:L-Disaster)”の実態を知る。ドクトル・メディアスは健在であり、さらに狂気的な研究を進めていた。
イツキはネメシスを内側から変えるべく、最高幹部ゼクスと密かに接触。“改革派”として共闘を始める一方、ネメシスの暗殺部隊〈ブラックエイド〉による粛清が激化。内部からの反乱分子を静かに、だが確実に“削除”していく影の存在が組織を支配していた。
一方、セイガンでは瀕死のサクラを救うため、九頭ドクターの手により“倫理を超えた脳移植手術”が行われる。移植先のボディには、ゲロスのDNAが極秘裏に注入されており、彼女は吸血によるエネルギー摂取を必要とする“人間型怪人”として蘇る。彼女を守るため、レンもまた改造手術を受け、人外の力を得る代わりに人間性を失っていく。
セイガンはプロパガンダの一環として、レンとサクラの新生ヒーロー部隊を表舞台に立たせ、旧型怪人の“暴動”を鎮圧させる計画を推進する。だがその暴動すらも、ネメシスの“再編計画(Project-R)”により粛清された怪人たちの残党によるものであった。
イツキはラミアとともに“改革”を進めるが、彼らの理想とは裏腹に、ネメシス内部では粛清と再編、そして制御不能な力の創造が加速していく。ブラックエイドの暗躍、セイガン内部の分裂、外からの“DS”の干渉が交錯し、真の黒幕が動き始める中──
イツキの復讐劇は、もはや“戦隊ヒーロー”という物語枠を超え、国家と組織、そして“正義”と“怪物”の境界すら揺るがす、新たな革命の渦へと踏み出していく。
【主要キャラクター一覧(第1話~第23話)】
◤主人公サイド(元セイガンレッド → ネメシス所属)◢
■ 日向イツキ(ひなた・イツキ)
元所属:正義戦隊セイガンファイブ(セイガンレッド/リーダー)
現所属:秘密結社ネメシス・幹部
特徴:かつて正義の象徴とされた戦隊のリーダーだったが、仲間の裏切りと陰謀により追放される。
ネメシスにスカウトされ、幹部候補として再起。戦闘・戦術・心理操作に長ける。
役割:主人公。現在は“ネメシス改革”の意志を抱きながら、表向きは忠実な幹部として暗躍中。
キーワード:「正義の再定義」「裏切られた英雄」「計画的な復讐」
■ ラミア
所属:ネメシス幹部/元・実験体「L-Lamia」
特徴:冷静沈着な女性幹部。イツキの相棒ポジション。過去にゲロスに姉妹個体を殺された因縁を持つ。
ゲロス討伐で片腕を失い昏睡、のちに復活。
役割:イツキの精神的支柱。現在は共に「ネメシス改革」を模索する同志。
キーワード:「静かなる怒り」「共闘者」「自己犠牲」
■ ゼクス
所属:ネメシス最高幹部/幹部統括官
特徴:冷酷かつ知略に長けた男。改革の推進者であり、組織の粛清部隊〈ブラックエイド〉を裏で創設。
総帥の右腕でありながら、自身の思想を貫く硬骨漢。
役割:主人公にとって“理解者”であり“試金石”でもある存在。時に共闘し、時に対立も匂わせる。
キーワード:「改革と粛清」「合理性」「忠誠と疑念の境界」
■ ブラックエイド(部隊名)
所属:ネメシス秘密粛清部隊
特徴:表に出ない組織の闇。反逆者、異論者、倫理派研究者を密かに抹殺する影の存在。
装甲服に身を包み、コードネームのみで活動。
主要人物:指揮官──機械化された生体兵士で冷徹な処刑者。
役割:ネメシス内部の“異物”排除。物語では幾度も暗躍し、改革に伴う“痛み”を代行している。
◤ネメシス怪人・研究者サイド◢
■ ゲロス
所属:ネメシス怪人部隊/S級怪人
特徴:戦闘狂で残虐な怪人。強すぎて制御不能となり、ネメシスに反旗を翻す。
第三形態「神喰い」へと進化したが、イツキとラミアの共闘により討伐される。
キーワード:「破壊本能」「進化と崩壊」「理性なき力」
■ ドクトル・メディアス
所属:ネメシス科学部門/“怪人創造主”
特徴:異常なまでに命の造形に執着する天才マッドサイエンティスト。
L-Disaster計画の主導者であり、セイガン捕虜兵士を実験体に使用する冷酷な人物。
役割:イツキにとって“許されざる存在”の象徴。ラミアの創造主でもある。現在も暗躍中。
■ L-Disaster
所属:ネメシス新怪人計画
特徴:ゲロスを超える“完全体怪人”を生み出すためのプロジェクト。
人間(主に捕虜)を素材とし、ゲロスのDNAや生体パーツが転用されている。
役割:ネメシスの非人道的暴走の象徴として、物語の緊張の焦点となる。
◤セイガン側(ヒーロー組織)◢
■ セイガン・ブルー(レン)
本名:レン(苗字不明)
特徴:イツキを裏切った張本人。かつての“名誉あるヒーロー”という肩書きに縋りつくも、
現在はサクラ以外の仲間を失い、肉体もボロボロに。のちに九頭の改造を受ける。
役割:贖罪と狂気の間で揺れる存在。改造手術により“怪人に近いヒーロー”に。
キーワード:「後悔」「虚栄」「歪んだ正義」
■ セイガン・ピンク(サクラ)
特徴:イツキのかつての仲間。ゲロス戦で重体となるも、レンの決断で脳移植によって蘇生。
しかしその肉体にはゲロスのDNAが仕込まれており、生きた人間の“生体エネルギー”を吸収しないと生存できない。
役割:人間と怪人の狭間に立つ存在。秘密裏に“犠牲”を重ねる中、己の存在意義に苦しむ。
キーワード:「苦悩する命」「記憶と欲望」「変容する正義」
■ 九頭ドクター
所属:セイガン本部科学局
特徴:倫理観よりも成果を優先する科学者。レンとサクラを救うためと称し、
ネメシスからの捕虜の身体を“提供”するなど、非道な手段を平然と取る。
役割:表向きセイガン所属だが、その価値観はすでに狂っている。事実上の“裏切者”でもある。
キーワード:「偽りの正義」「科学と命の境界」「目的のための犠牲」
■ セイガン・ゴールド(正体不明)
特徴:新たに投入された“ニューヒーロー”。
体内通信で“ディープステート”と繋がっており、セイガンを裏で操る勢力に従属している。
役割:プロパガンダ用のヒーローとしてセイガンを前面で支配。
その正体は不明であり、今後の展開での鍵となる存在。
■ セイガン・シルバー
本名:朝倉ユウト(あさくら・ユウト)
所属:ヒーロー組織〈セイガン〉独立特務部隊
年齢:27歳
階級:特務戦闘員(コードネーム“シルバー”)
セイガンファイブとは別枠の“対怪人特殊作戦部隊”に所属するエリート戦士。機密任務専門の非公開メンバーとして、表舞台に出ることはほとんどなく、その存在は一般には秘匿されている。
冷静沈着で任務遂行能力に長けており、感情を表に出すことは少ない。任務を優先し、時に非情な判断も下す実行型のヒーロー。セイガン本部の一部幹部たちとも非公式に連携しているが、彼自身が何を目的に戦っているのか、その内面を知る者は少ない。
装備は徹底した実戦仕様で、従来のヒーロースーツとは異なる銀色の戦闘用強化装甲を装着。スピードと電撃を利用した奇襲戦法を得意とし、「音もなく敵を屠る銀の死神」と一部の怪人側からは恐れられている。
現在、イツキやレン、サクラと直接的な接触はないものの、DSと何らかの繋がりを持っており、その行動には裏の意図があるとされる。
真の目的や忠誠の所在は未だ謎に包まれており、“もう一人の影のヒーロー”として、物語の鍵を握る存在となっていく。
◤その他/裏の黒幕など◢
■ ディープステート(通称:DS)
所属:不明(読者の想像では“アメリカ政府系の裏組織”)
特徴:セイガン戦隊を“対ネメシス兵器”として世界各地に展開し、政治的影響力を行使。
ゴールドを通じてセイガンを間接支配している。
キーワード:「世界規模の陰謀」「正義の私物化」「情報戦」




