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6話 冒険に出発、そしてスライムを倒そう

あの緑の部屋で目覚めてから、もう4日がたつ頃だろうか。

私はいま、牧場跡地に残っていた建物を「仮拠点」とし、2人で生活している。


目覚めてから2日目。牧場の捜索を再開した。

牧場では、まだ使えそうなテーブルが1つ、椅子が2つを見つけたので拠点に持ち帰り、居間に設置した。しかし、本当に長い年月放置されていたようで生きる上で役立つものは見つけることが出来なかった。


3日目、ファミリアがナンドウを持ってきてくれた。

ファミリアは名前がないという少女に私がつけた名前だ。

「この前の借りを返すだけだ!」と言いながら恥ずかしそうに差し出されたナンドウを受け取って、ファミリアとナンドウを頬張った。


そして今日、4日目。

牧場の捜索を終え、森で持てるだけのナンドウをポケットにつめこんだ私とファミリアは、コーン牧場跡地を飛び出して、生活できる場所を求める旅に出た。





天気はおだやかな晴れ。

時々吹き抜ける心地よい風が、草原の草花を揺らしていた。


私とファミリアは、コーン牧場跡地入り口から続く、街道を歩いている。

道は人がつくったものだから、いつかは町や人に辿り着くだろうと思ったからだ。


ファミリア

「ぜんぜん町など無いではないか!それに人っ子ひとり見当たらないぞ」


牛侍

「まだ出発したばかりよ、そう焦らないの」


ファミリアはただ歩くだけなのがつまらないようだ。

「人を襲ってやるー!」とか「がおー!」とか叫んでいる。


ファミリアが話してくれたのだが、彼女は「悪魔」という種族らしい。

悪魔の食べ物は人間の血肉で、そのおぞましい見た目から人間から恐れられているという。

私には、今もナンドウを盗み食いしているファミリアが、人々から恐れられている悪魔だとは、到底思えないのだが。


それでも注意深く観察すると、前髪から小さな角が2つ覗いていたり、ひょろひょろと動く尻尾がお尻に付いていたりと、たしか悪魔らしい特徴は持っているように思えた。


当の本人は「な、なにを急に見つめておる?・・・は、恥ずかしい」と顔を赤らめていた。




跡地を出発して1時間がたった頃、突如目の前にモンスターが現れた。

ぷよぷよと動く水色の球体。たしかスライムってやつだ。


スライムは草むらから飛び出すと、すぐさまファミリアに体当たりをかました。

急激な戦闘開始にファミリアは反応できず「うわあああ!」と、体当たりをくらってぶっとんだ。

武器の無い私はスライムに反撃のたいあたりを試みる。

スライムはそれを「甘い!」と言わんばかりにひらりとかわし、私は勢い余って頭からずっこけた。


よろよろと立ち上がった私は拳を握りなおし、ファミリアも爪を尖らせている。

今ここに、スライムとの大激戦が始まろうとしていた・・・!


・・・10分にもわたる戦闘の末、スライムを倒すことに成功した。

牛侍

「ファミリアの爪、切れ味すごかったね・・・!」


ファミリア

「おまえの体当たりも、なかなか凄かったぞ!」


私とファミリアは互いの健闘をたたえて、初めての戦闘勝利を喜んだ。

すると、空中にウィンドウのようなものが突如として現れた。




LEVEL UP! Lv1→Lv2 

name・牛侍 

type・牛

新スキル「突進」を取得






ファミリア

「な、なんだこれは!?」

 

どうやらファミリアにも同じものが見えているらしい。





LEVEL UP! Lv1→Lv2

name・ファミリア

type・下級悪魔

新スキル「リカバリー」を取得





不思議なウィンドウは少しすると自然に消えた。

レベルアップ、新スキル。これは成長できたということなのだろうか。


ファミリアにこれは成長したら出るものなんじゃないか、と伝えたところ

「ふぁーっはっはっはっは!そういう・・・ことかぁあああ!!!」

と激しく納得していた。

少し不思議な体験だったが、レベルアップしても腹は満たせない。

とりあえずナンドウ以外の食べ物がほしい私たちは、町探しを再開するのだった。


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