最終回 二菜の帰宅
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王城からララ商会に戻り、エドに城であった事を話した後、休む暇なくジェリスの所へ向かった。
屋敷に着くと、ジェリスは在宅だったがの詰問会の事は使者によって伝わっていたため、あたしが来るのを待っていたそうだ。
さらにアデールもグリフォン家の屋敷に来ていたのであった。
「二菜、待ってたわ。結果は既に届いていますが、二菜の口から聞きたくてアデールからも聞いていませんわ」
あたしはあった事を話すと
「そうですか、陛下はアデールの子供達の命を守ってくださったのですね」
「家は取潰しになったけど、財産は全没収ではなくて20%はアデール達に残されるんだね」
お家取潰しの場合、全財産没収であるが、今回の暗殺者を雇った罪では家族は平民に降格されるものの
20%は残ると法で定められており
公爵家の20%の財産があれば、平民の3人が子供が生まれて死ぬまで一生働かなくてもいいぐらいの額なので平民に降格も暮らしは楽だと思う。
ただ、公爵の暮らしから平民の暮らしに落とせるかわからないけど。
「わたくしは元々平民でしたので、元に戻るだけですから。ただ、子供達がね・・・」
「それこが問題ですが、アデールはわたくしの愛人になりますので子供達も我が家で雇いますわ」
「アデールが愛人になるのはいいとして、子供達は雇って何をさせるの?」
「元爵家の子息と令嬢は、知識や剣を習い、魔法を使えますので引く手あまたですわ。
それにグリフォン家で働いていたとなればさらに泊が付きますので、子息は軍人はもちろん、騎士にもなれますし、さらに言えば陛下の侍従にもなれますわ。
令嬢は結婚相手を選び放題ですし、聖教に入れば貴族の情報がはいりますし、喉から手が出るぐらい欲しがりますわ」
なるほど、平民になったと言えど元公爵と言うだけで欲しがる所は多いと。
「子供達はわかったけど、アデールは愛人になってどうするの?」
「アディル公認の愛人といいますか、いわばわたくしの側室といったところでしょうかね」
「側室になるのかわからないけど、言い方が思いつかないからそう言う事でいいのかな」
「アディルはジェリスとわたくしの関係は最初から知っておりますし、実は若い頃から公認の仲なのです。ただ、アディルと子供を作るとならばという条件付きでしたが」
「つまり、最初からアディル公認の関係だったって事?」
「はい、そうですわ。アディルとの結婚の条件でしたし、そうしないとアデールと結婚するとわたくしが言いましたので」
「そうだとしても、ジョーノにバレたら不貞になったんじゃないの?」
「そうですが、気づかなかったから今の今まで続いていますわ。気づいていましたら、関係を断つか、利用したと思いますし。だからジョーノは駄目なのですわ」
「確かに・・・」
結局、ジョーノは最後までこんな役回りか。
あと、愛人として囲う計画も実は長年の計画だったって事か。
結婚して30年ぐらい経つはずだけど、その間ずっと温めていて、執念というか、愛の力というか、とにかくすごいよ。
「どうあれ、頼まれた事はこなした。あと、確認だけどミュレイの件は受けてくれるよね?」
「ええ、もちろんです。出来るだけ早くミュレイさんに会わせてくださいな」
「わかった、明日の朝一でバンの村に戻るよ」
「ジェリスから聞いてますが、そのミュレイさんにわたくしも会いたいです。平民になるのはジョーノの処刑後なので、まだ公爵夫人ですので」
「決定権はわたくしにあるので、わたしくしが良いと言えば大丈夫ですわ」
「そうでしたね、ありがとうジェリス」
「幼馴染で愛人のたのみですもの」
熟女2人が可愛くイチャイチャしてるけど、見た目は2人とも若いし、本当に愛し合ってるからなんかいいかも。
考えてみたら、実年齢はあたしがこの中で一番年上だから実はここには熟女しかいないって事なのかな?
ただ、あたしの場合は肉体的に熟女って言えるかわからないけどね。
というか、あたしとジェリスが裸で1つのベッドを共にしたのは超年の差百合って事になるのか。
「2人ともいい感じにならない」
「あら、二菜、わたくしたちをみて妬いていますの?」
「そういう訳でじゃないよ。するならあたしのいない所でって事」
「そうでしたね、2人で楽しましょね、ジェリス」
「ええ、そうしましょう、アデール」
また2人がいい感じになるけど、この際いいか。
「それでは、明日バンの村に帰ったら出来るだけ早くミュレイと訪れます」
「はい、わかりました。書類はすでに用意してありますので、いつでも来てください」
「わかったよ。報告は終わったので、あたしは帰るね。2人で早く楽しみたいだろうし」
「なんか帰らせたようで悪いわ」
「そんな意味で言った訳じゃないよ。ここ数日、色々あって疲れたから、今日はララ商会に戻って休みたい」
「そうですか。こちらもこんな事させてしまって悪かったわ」
「いや、こっちも頼みごとで来たからね」
「そうですか、それではゆっくりお休みくださいませ」
「二菜さん、わたくしとジェリスのわがままにお付き合いしてありがとうございます。それではゆっくりお休みください」
「ありがとう、ではまた」
あたしは屋敷を出てララ商会に戻る。
部屋に戻って休む前にミュレイを連れてくるので、また泊めて欲しいと頼むと
「元々、ミュレイさんもお泊めする予定でしたので構いません。早く来ましても戴冠式までいてくださってもかまいません」
っとエドに言われたので、お言葉に甘える事にした。
詰問会は10時ぐらいから始まって、思ってたより時間が経っていて2時間かかっていたようだ。
これが長いのか短いかわからないが、あれだけのやり取りでも2時間かかるんだな。
城からララ商会に戻ってくるまで、1時間ちょっと、そしてジェリスの屋敷への往復が2時間ちょっと。
ジェリスの所は30分程の滞在だったけど、エドと話してて部屋へ戻ったのは17時過ぎであった。
部屋に戻ると、そのままベッドへに横になった。
今日は少し飲み物を飲んだけど、食事はしてない。
一昨日、刺されたせいもあるけど、今から少しづつ食べる事にしてもいいかも。
ただ、疲れすぎて食欲があまりないし、飲まず食わずでも1か月は問題ない身体のではあるかそれでも水だけでも飲んでおいた方がいい。
でも、空腹を感じるからやっぱり何か食べる事にしよう。
一度横になったら起き上がるの緒も面倒だけど、ララ商会は閉店後に従業員達の食事を提供していて、
あたしも食べても良いと言われている。
なので、起き上がり食事をいただくために下に降りて行った。
この世界の食事の味付けは、塩や酢の他にもスパイスが存在しているから結構おいしい。。
また酪農が盛んで、ウサギ以外にブタ、ウシ、トリと言っ定番からイノシシ、シカといったジビエもある。
塩は岩塩が採れる他、貿易で海の塩もある。
また、お酒はエール・・・つまり、ビールとワインに蒸留酒と一通りそろっている。
この世界はファンタジー世界だけど、一言も中世と言ってないし、いわば色んな時代が混ざり合ってる感じ。
王国の隣は共和制の国だし、武器は銃や砲もあって王国は実は砲術や砲の性能が大陸でトップだったりする。
騎士も剣と銃を使うし、魔法は遠中距離攻撃として重要視されている。
いわば中世、近世に近代がちょっと混ざり合ってるって感じかな。
城は中世の城ぽいけど、あれは建国時からの城をそのまま残してるだけで、独立戦争時に使用していた名残。
ただ、使い勝手が悪いのでわたしが前回来た時以前から解体して立て直す話はあるようだけど、なかなか話は進んでないようだ。
食事を終えて、部屋に戻ってまたベッドに横になる。
内臓は思ったよりも回復しているみたいだけど、後から悪くなるから油断はできないが問題はなかった。
お酒もあったが、今回は流石に飲まなかったけど。
本当は夜の街に出て、なじみの酒場に行きたいけど怪我と疲れで行く気がしない。
でも、1度は酒場へ顔を出したいけど、ミュレイと一緒に来たら行く訳にいかないから仕方がないか。
あすはバンの村に戻って、ミュレイと話しをしないとなって思ったら眠りに落ちていた。
翌朝、早い寝たせいかかなり早い時間に目が覚めた。
時間は早いけど、早めにバンの村へ戻ろう。
移動はもちろん魔法だけど、移動系の魔法は高度の魔法なので王都の真ん中で使うのは目立つ。
そこで、逆に室内で使った方が目立たないかな。
エドにバンの村に戻るり、今度はミュレイと来る事と告げて魔法でバンの村に戻った。
バンの村に着くと、アグレットとミュレイが出迎えた。
「二菜さん、お帰りなさい」
「二菜、お帰り」
「ただいま、二人とも」
「思ったより時間がかかったが、何かあったのか?」
「まぁ、色々あったけど、ちょっと言えないかな」
「ということ、また王国の仕事を受けたのか」
「そんなところだけど、そのうちわかるよ」
「そうか。ところで、ミュレイの件はどうだった」
アグレットがミュレイの前で話すという事は伝えてあるって事か。
「ミュレイに話していいならいうけど、推薦状を書いてくれるそうだよ」
「そうか、良かったなミュレイ」
「うん」
ミュレイが喜んでいるけど、あれ?ミュレイは王都に行くを悩んでいたんじゃないの?
「ミュレイは王都の学校に行くのを悩んでたんじゃないの?」
「確かに、1年前は悩んでいましたが、お父さんとお母さんに説得されて決めました。ただ、推薦を受ける貴族のあてがなったのです」
「そこに二菜が来たって訳だ。なんか都合よく使ってしまったが、許してくれ」
「別にいいよ、アグレットの頼みなら受けたし。ただ、推薦状を書くには1度直接会わないといけないから、ミュレイは1度グリフォン家に来て欲しいんだ」
「わかりました。いつ行くのですが?」
「いつでもいいけど、今王都は何かとピリピリしてるから・・・今日にでも行く?」
「え、今日ですか?わたしは大丈夫ですが、グリフォン様は急に行ってだ丈夫ですか?」
「あたしが行けば大丈夫かな」
「それじゃ行ってこい、ミュレイ」
「わかった。でも、貴族の屋敷に行くのにこの服装で大丈夫ですか?」
「もう少ししっかりした格好をした方がいいけど、あたしにまかしといて」
あたしが呪文を唱えると、ミュレイの服装が変わった。
「ほう、便利な物だ」
アグレットは関心するが、ミュレイは普段切れない綺麗な服を来て喜んでいた。
「ミュレイ、嬉しいのはわかるけどあんまり動くと転ぶよ」
「そうですね」
「それじゃ、行こうか。魔法で行くから、ミュレイはあたしの近くに来て」
「はい」
あたしは再び移動魔法で王都の手前にでたけど、ミュレイは魔法で移動する事を驚き喜んでいた。
王都の入口の門を見たミュレイは大きさに驚いてたけど、街の中に入ったら人が多くてもっと驚いた。
「王都は人が多いと聞いていましたが、こんなに多いのですね」
奥地で暮らしているミュレイにとって、王都の人の多さは驚くばかり。
思わずあたしにしがみつくけど、迷子になるからこっちのほういいけど胸が当たってるのは・・・気にしない事にしよう。
貴族地までは結構遠いけど、今のうちに人ごみになれておいた方がいいだろうな。
ただ、しばらくしたらある程度慣れて店が気になりだしたけど、まずはジェリスの所へいかないとならいので後にしてもらった。
貴族地へ着くと、理由を話してミュレイも中に入れてもらった。
貴族地は街中と違って今度は人が居なくて、静かであるが大きな屋敷を見てミュレイも周りを見渡してる。
「ミュレイ、気持ちはわかるけど貴族地で周りを見渡すのは下品と思われから、やめた方がいいよ。あと、大きな声も出さないでね」
「うん、わかった。でも、貴族の屋敷ってすごいです」
「グリフォン家はもっとすごいよ」
「そうなんですか」
小声でしゃべりながらグリフォン家の屋敷に到着すると、さらに門があってミュレイはさらに驚いた。
「ふ、二菜さん、やっぱり公爵様はすごいです」
「大丈夫、今から会う公爵夫人は元平民でいい人だから」
「そ、そうですか」
ミュレイも公爵夫人と会うとなるとかなり緊張してる。
屋敷の中に案内されるが、屋敷の中を見てミュレイはアウェイ感がしてあたしにまたしがみついてきた。
「ふ、二菜さん、こんな所わたしみたいなド田舎娘には場違いです」
「ミュレイ落ち着いてよ」
「落ち着くといか、ちょっと怖いです」
ミュレイは森の中や野原を駆け回る生活をしてたら、立派なお屋敷は場違いと思っても仕方がない。
ただ、学校はもっと大きいし、生活態度にも厳しいからいい機会だからジェリスに教えてもらうのもいいかも。
「ミュレイ、いい機会だから戴冠式まで王都に滞在してグリフォン夫人に色々教えてもらうのはどう?」
「た、確かに、今のうちに教わるのが良いと思います・・・」
「なら、夫人にも話しておくよ」
「うん」
こんな事を話してると、ジェリスがやって来た。
「少し待たせてしまってすみませんでした。まさか本日来るとは思いませんでしたので。
なので、アデールは来られませんが、ミュレイさんが緊張しているのでわたくしだけでよいですわね」
「夫人、ありがとうございます」
「いえ、構いませんわ。では、奥の部屋に来てください」
あたしとミュレイは奥の部屋に案内されるが、推薦の為の面談はあたしは立ち会えないから別室で待つ事になった。
「ミュレイ、緊張するけどいつも通りでいいからね」
「わ、わかりました」
ミュレイは緊張しながらジェリスと別室へ入って行き、1人で待つ事にした。
ーそして1時間後
ドアがノックされたので答えるとジェリスとミュレイが入って来たが、2人とも絵でミュレイの手には推薦状があった。
「二菜さん、推薦状もらえました」
「良かったね、ミュレイ」
推薦状が貰えるのは事前にわかってけど、実際にもらえるとやはり嬉しい。
ジェリスが言うには、知識があり聡明で性格もいいので問題なしとの事だった。
なんならもっと早く王都に来て、学んだ方がよかったかも言っていた。
ただ、奥地暮らしで王都の習慣や生活を覚えないといけないないとも言われた
「ところでジェリス、ミュレイに王都や学校の事を教えてもらえないかな?」
「二菜さん、ここでは夫人と言ってくださいな」
「あ、ごめん、何時もの癖で」
「聞かれても困る相手はいないので別に構いませんが、ただ、ミュレイさんが目を丸くしてますよ」
ミュレイはあたしが愛称の「ジェリス」と呼んだので、驚いてた。
「二菜さんと公爵夫人はそのような仲なのですか?」
「ええ、二菜さんとわたくしはとっても深い仲ですわ。同じベッドで一夜を供にしていますし」
「そ、そ、それってまさか・・・」
「いや、ミュレイが考えてる事と多分違うから。あと、13歳な純朴な女の子に変な事吹き込まない」
「まぁまぁ、何時もの冗談ですわ。ただ、ベッドを共にしたのは間違いではないでしょ」
「間違いじゃないけど、間違いだよ」
ジェリスは相変わらず冗談に聞こえない事を言うけど、全くの間違いじゃないから説明がしにくい。
「とにかく、その話はいいから頼のまれてくれるかな?」
「そうですね。ミュレイさんは奥地の自然の中で育ちましたので、マナーなどを知りませんからね。
学校でもある程度教えられますが、寮はいろんな身分の方々いますので覚えておいて損はありません」
「それじゃ、お願い」
「わかりました。ところでそれまでの間、どこに滞在しますの?」
「今回もララ商会だよ」
「そうですか。それなら馬車でお迎えに上がっても問題ないですね。なので、馬車でお迎えに行きますので」
確かにララ商会ならば貴族の馬車が来ても問題ないな。
「そうだね。こっちも助かるよ」
「では、ミュレイさん、明日からわたくしの所へきてお勉強を始めるでよろしいですか?」
「はい、夫人お願いします」
「夫人は堅苦しいので、ミュレイさんも『ジェリス』とお呼びください」
「あ、あの、わたしなんかがその様にお呼びしてもよろしいですか・・・」
「わたくしが呼んで欲しいと言ってますし、二菜さんのお知り合いでからね。だた、内々の時だけで外や来客がある時は公爵夫人と呼びくださいな」
「わ、かりました、それではジェリス様とお呼びします」
「はい、わかりました。気楽にお呼び下さいな」
ミュレイがジェリスと呼んで欲しいと言うのは気を許した証拠。
この前も話してたけど、ジェリスはミュレイが気に入ってたと言ってたが今回の事でさらに気に入ったようだ
「では、本日はここまででにしまして、また明日お会いしましょう」
「はい、わかりました」
「今日は急に来て悪かったね、ジェリス」
「いえ、これから何かと大変になるので、早く済ませて良かったです。それではごきげんよう」
「ごきげんよう」
「ご、ごきげんよう」
ミュレイに挨拶の仕方を教えてジェリスと別れて、屋敷と貴族地から出て行った。
貴族地から今度はララ商会へ、エドに訳を話して部屋の準備をしてもらった。
今度の部屋はあたしが滞在した部屋よりも立派な部屋だったが、あたしがいる滞在時から準備をしていたそうだ。
時間的には13時ほどであるが、王都とに圧倒されたせいか疲れたそうで今日は部屋で休む事とにした。
ミュレイはあたしに色んな話をしてと頼まれたので、王都についていろい教えてくれた。
気づいたら、食事の時間になってたけど食事は部屋まで運んできてくれた。
ミュレイは出された料理をおいしく食べたけど、食事のマナーも教えておいた。
食事をしたら疲れが出たのか、ミュレイは寝てしまったが自然の中を駆け回るミュレイにとっては街は精神的に疲れたのだろうな。
その後、戴冠式の間までジェリスに色々と教えられた。
最初はこんな細かい事まで決められてるから嫌って言ってたけど、日が経つにつれて理解していった。
また、日に日に食事の食べ方も丁寧になって来て、ミュレイもジェリスとアデールの教え方が優しいからすぐ覚えられると言っていたが
2人とも元平民だっただけあって、ミュレイの気持ちもわかるのだろうな。
ミュレイがジェリスの所行っている間は暇なので街中をぶらぶらしてるが、時々仕事中のフェルマンにばったり会ったりもしたがお互い見て見ぬふりをしてた。
また、時々宗教地へ行ってたが、これが失敗で黙ってた詰問会の事を問い詰められたが、司教権限を使ってもみ消したのは秘密。
また、行けないと思っていたカロリーヌの酒場バッカスにもミュレイが疲れて早く眠りについたので、こっそり抜け出して何度も行っていた。
酒場にはフェルマンもいて、昔の様にお酒を飲んでもりあがったけど、暗殺者と言う事はみんなにはもちろんいわない。
あと、刺された時の約束通りおごらせたけど、1回とは言ってないので刺された傷が~と冗談を言って何度もおごってもらったけど、フェルマンも端からそのつもりだったようだ。
ただ、たまにあたしがおごろこともあった。
あたしにとっては貴族や聖職者よりも、庶民とワイワイ言いながら飲んで食べるのがやっぱり一番。
やっぱり政治に関わるのは嫌だけど、この国の身分と立場上仕方がないけどそのおかげでミュレイも
王都の学校に行けそうだし、ジェリスの所でマナーや知識を教えてもらえたから良しとしよう。
そして戴冠式の当日なった。
この世界ではテレビがないから、見ると言っても陛下の馬車が戴冠式を行う大聖堂への移動を見るだけ。
それでも、陛下のお姿を見らえるのは貴重な事なので当日は大通りは人だかりだった。
また、テロ防止のために通りの建物の窓は全て閉めるようにとなっていた。
さらに見物には魔法を使ってみるのは禁止されたのあった。
「せっかく来たのにこれじゃ見る事が出来ないです」
「大丈夫、こんなことあろうかと事前に準備してたんだ」
あたしはノートPCを出すが、ミュレイにはバレてるので気にしない。
ノートPCを起動して、プレイヤーを起動させると通りの映像が映し出されたがエドに頼んでカメラをセットしたのであった。
カメラに魔道具って説明しておいたけど、深く追求せずに設置してくれたのは流石商人。
「すごい、通りが見えてます」
「でしょ?これならば部屋の中でも見られるよ」
「あ、騎士隊が来たからそろそろ王様の馬車が来ますね」
「そうだね」
「あ、馬車が来ました。馬車に乗ってる男の人が王様で、隣が王妃様?」
「そうだよ。あと、人じゃなくて方って言った方がいいかな」
「王様ってこんな人・・・じゃなくて方なのか」
「そうだよ。あと、王様や王妃様より陛下って言った方がいいかな」
「うん、わかった。この方が陛下なんだね」
奥地に住む平民が陛下を見る事はほぼないのでミュレイは感動していた。
馬車は数十秒ほどで通り過ぎたが、ミュレイは満足してくれた。
その後、午後になり戴冠式が終わって再び陛下の馬車が王城へ戻って行ったのを見届けて無事戴冠式が終わり
ヒーリッチ陛下はグレン三世となったのであった。
戴冠式が終わった翌日は王都観光をしてバンの村に戻る事にした。
エドにお礼と、少しお金を渡しておいた。
また、余ったお金はアグレットに変えしたが、袖の下を結構使ってたのであった。
順調に見えても、街の中を歩いてるとケチをつけてくる兵士が居たから実は結構使う場面は多かった。
バンの村に戻った後はしばらく滞在したけど、ジョーノの処刑が行われる前に帰る事にした。
原因はジョーノにあるとはいえ、自分も処刑になった一端になってると思うと夢見が悪い。
ところで、リットン家が無くなると公爵家がグリフォン家だけになるのかと言うとそうでもない。
侯爵家No1が繰り上がって、公爵家になるのだった。
もっとも、侯爵家No1もグリフォン派だから権限構造は変わらないけど、あくまでも制度上の繰り上げ。
「アグレット、リリー、ミュレイ達、お世話になってね」
「いえいえ、こちらこそミュレイがお世話になったわ」
「別にいいって、リリー」
「でも、二菜のお陰でグリフォン家と太いつながりが出来たし良かったわ」
「元々、ミュレイは夫人のお気に入りだったからね」
「夫人はとってもいい人です」
ミュレイもジェリスの事が気に入ってすっかり懐いたようだった。
「ミュレイ、王都の学校がんばってね」
「うん、二菜さんと夫人ががんばってくれたから、ちゃんと卒業して偉くります」
「今度いこっちに来られるかわからないけど、その時を楽しみにしてるよ」
あたしはミュレイの頭をなでると、ミュレイは嬉しそうに照れる。
「では、あたしはいくからね。皆元気でね」
「ああ、わかった。それじゃあな」
「二菜、元気でね」
「二菜さん、また会いましょう」
「「ばいばい、二菜さん」」
アグレット一家に見送られて、バンの村を去るがしばらく行って誰もいない事を確かめても元の世界に戻った。
元世界に戻ると、あたしの自宅・・・退魔士学校の指定の外部寮に戻って来たが異世界に行く時間の直後であった。
前にも説明したけど、異世界で過ごした時間は元の世界に戻るとリセットされるのである。
また、元の世界の時間も変わっていないので、あたしが異世界に行ってた事も周りは基本わからない。
「なんか違和感を感じたから見に来たけど、二菜さん、また世界に行っての?」
っとあたしが戻ってきたと同時に、リビングに来たみのりん事、大山みのりが部屋から出てきたが
みのりんは退魔師学校の生徒2年生で能力があるから気づいたようだ。
「そうだよ、今回で10回目の訪問だったよ」
「記念の10回目だったんだ、おめでとう。私がここに来て2回目だね」
「めでたいかどうかわからないけど、ありがとうっておくね。でもみのりんが来て2年なのに2回目って異世界に行く原因はみのりんじゃないの?」
「かもしれあいね。で、今回はどんな異世界だったの?」
「今回は世界は1度訪問したことある世界だったよ」
「へー、そうなんだ。今、みんな出かけてているのはは私だけなんだけど、聞いてもいいかな?」
「いいよね。今回はね・・・」
こうしてあたしはみのりに10回目の異世界訪問は2回目の世界で15年後だった事を話したのであった。
〈完〉
お読みいただきありがとうございます。
今回で最終回となり完結です。
もしかしたら番外編を書くかもしれませんが、今の所予定はありません。
あるいはスピンオフ作品があるかもしれませんが、こちらも未定です。
ともあれ、完全に完結となりますのでありがとうございました。
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