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7話 二菜と国王

この小説はPixivに投稿した物です。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19815421

 あたしはコードと共に王城へ向かう。

王城は王との北側にあり、外濠で囲まれているが、橋を渡ると第一門、第一門を入ると内濠があり内濠を渡るとさらに第二の門と城壁がある。

庶民が普段行けるのは外堀までで、橋は渡れない。

外堀の橋は通常の橋で、跳ね橋ではないがいざという時は簡単に落とせる構造にはなっている。

橋の袂には衛兵がいるが、あたし達は衛兵に止められた。


「聖教の方とお見受けしますがどのような御用で」

「国王陛下に火急の用件がありままして、馳せ参じました」

「聖教の方が火急の用件となりますと、内容は秘密ですね」

「はい、国王陛下以外には口外できません」

「それはわかりましたが、登城は馬車ときまっておりますが徒歩という事は…」

「それ以上は言ってはいけません」

「はい、わかりました。門は通しますがが、城内の案内は急な事なのでお待ちいただくことになりますが」

「それはわかっております」

「では、お通り下さい」


 門番に通されて、城内へ入る。

しばらく門の所で待たされると、国王の侍従長スチュアートさんに案内されるがコードはここまで。


「私はお待ちしおりますが、時間がかかる様ならば先に聖教庁へ戻りますので」

「はい、わかりました」

「二菜様、ではこちらへ」


スチュアートさんはあたしとは旧知の仲。

一時期、現国王のヒーリッチ陛下の養育係を依頼されたが、スチュアートさんが仲介してくれた。

それがきっかけけで陛下に懐かれた。


 城の構造は中世の騎士団の城と宮殿が合わさった感じで、表は防御施設となっているが、中奥は政務を執ったり国賓を迎えるたりする場所で謁見の間もここに。

さらにその奥は後宮になっており王族の居住する場所となっている。

あたしが通されているのは中奥ので国王の執務室へ通された。


「陛下、二菜様がいらっしゃいました」

「入りたまえ」

「失礼します、陛下」

「では、私はここまでです」


スチュアートさんは別の所へ行き、執務室は陛下とあたしだけとなるが


「二菜、久しぶり。また王国に来てくれんだね」

「ヒーリッチ陛下お久しぶりです」

「今は私と二菜だけだから、陛下なんて付けなくて昔の様にヒーリッチでいいよ」

「そういならば、あたしも昔の様に話すよ」

「そうして」


ヒーリッチことヒーリッチ・グレン・セニア。

現国王であるが、3歳から15歳まで養育係として一緒に居たけど、養育係といっても大層な事をしてた訳じゃなくて

いわば子守役であり、基本的には話し相手だったけど講師もやってたから、ある程度勉強と聖教との関係を教える事ができた。

あとはあたしの武勇伝というか、魔族退治の話を聞くのが好きだったのすっかり懐かれてしまってべったりだった。

 流石にある程度成長するとべったりしなくなったけど、相談相手だったり父親である先王への愚痴を聞いてあげたりしてた。

特に妃のフォスティーヌ様の事はよく相談されたけど、どこから漏れたかはしらないけどグリフォン家がそれを知って

フォスティーヌ様を養女とし、結婚させるという方法で結婚した。

フォスティーヌ様は地方の男爵家の娘で、皇太子と結婚するような身分ではなく、実際にリットン家の娘リリアーヌ嬢が候補となっていて

グリフォン家に娘がいない為にこれで決まったと思ったら、逆転されからジョーノも激怒するわな。

でも、当人同士にとってはお互い好き同士が結ばれたから良かったんじゃないのかな。

政治的に結婚するよりうまく行くと思うし、国としても夫婦仲がいい方が良いだろうしね。


「二菜、いつ戻って来たんだ?」

「4日ほど前なんだけどね」

「そうなんだ。でも、会いに来たのは聖教の司教としてだよね?それに火急の用事と言ってたけど」

「実はこんな物を手に入れてね」


 あたしは暗殺計画書を差し出すとそれを見て驚く様子もなく受けって中身を見る。


「この字はリットンの字だね。ちゃんと[[rb:印 > いん]]まである。ということは、これはリットンが立てた計画か」

「計画だけだけどね」

「実行しなくても、戴冠式で王の暗殺蹴格を企てた時点で取潰しになるからありがとう、二菜。ただ、相手が公爵となると簡単にはいかないけどね」

「やっぱり、弁明を聞くの?」

「決まりで、聞かないとならないからね。ただ、沙汰はもう決まっている」

「覆る事はあるの?」

「減免はあるが、それでも良くてカコーでの幽閉だ」

「でも、送られてもあくまでもジョーノとその妻が対象で、子供達は王都に残るから家は存続でしょ?」

「リットン家は存続しても、貴族としてはやっていかないと思う」

「ああ、でも、それじゃ駄目なんだよね」

「何故駄目なんだ?」


 アデールがジョーノと離婚したく、何かいい方法がないかと探してたらこの暗殺計画が出てきた事を告げる。


「なるほど、リットン公爵夫人自身が取潰しを望んでいるのか」

「かなり個人的な理由だけどね」

「しかし、公爵が国王暗殺計画を立てたという事は反逆罪となり、ジョーノと男子は処刑、夫人と女子は聖教の修道女となる為にその願いは叶えらないと思うが…」

「未実行でもそこまで重くなるの?」

「計画を立てた時点で反逆の意思がある事になるからね」

「確かにそうか」

「ただ、修道女にならなくとも、グリフォン家が監視の為と言えばグリフォン家に住む事は可能だ」

「ああ、そんな手があるのか。なら大丈夫だね」


 反逆罪はかなり重い罪で、貴族が暗殺を計画したという事は反逆罪になる。

リットンと息子が処刑になるが、流石に息子は可愛そうな気がするけど…減刑を求めると今後の遺恨になるから難しいな。

女性のみとはいえ同性婚を認められていて先進的に思えるけど、王政には変わりなくやはり政治面はシビアだ。


「どうあれ、リットンが暗殺計画を立てた事はわかった。早速、明日弁明を聞くが、二菜も立ち会って欲しい」

「なんであたしも?」

「聖教の人間として暗殺計画を伝えに来たという事は、立ち会うと法で決まっているからな」

「そうだったの?」

「知らなかったのか?」

「聖教の司教以上ならば、国王にすぐ会う事が出来るのは知ってたけど、それは知らなかった…」

「法に定められているが、実際に聖教の者が王に告げたことは過去に1度か2度程あったぐらいで、最後は200年前なので皆忘れてる」

「そうなの?」

「法の本を持ってくる」


本棚から法の本を持ってくるか、迷わず持って来てる時点で本当ってだな。


「ここに条文がある」


 条文を指さした確かに『聖教の者が暗殺計画など王を失脚させ事を事前に知り、王に報告した場合その者も詰問に立ち会う』という旨が書いてある。

この条文は知らなかったけど、しまったこれはやってしまったな。

暗殺計画がある事を報告し、証拠を出せば後は王国側がやってくれて、結果が出るのを待つだけと思ってたのに。

もっとも、事前に知ってても暗殺計画を報告しに行ってはいたとは思うけど、知っててやってるのと知らないでやるのでは違うからね。

事前に知ってたら心の準備をしてるから大分違うけど、それでも事前に知れてよかったかも。


「あたしも何かするの?」

「立会人なので基本何もしないが、リットンの事だからあれこれ言ってくる。もし他に証拠があれば教えて欲しいのだけど」

「ある事はあるけどね。ちょっと耳打ちするから」


あたしは証拠がある事を教える。


「なるほど、そんな事が出来るのか」

「あたしの道具と魔法で出来る事だからね」

「流石、二菜だな」

「道具自体はあたしが作った訳じゃないけどね」

「それでもすごい」


証拠はあたしが持っているので事前に盗られる事もないからいいんだけど、明日すぐに詰問をするという事だ。


「また戻ってくるのは面倒だなぁ」

「なんなら、後宮に泊まるばよい。私は忙しいから相手が出来ないが」

「久しぶりに会えたのに、残念」

「王というのはそういうものだからね。本当は色々話が聞きたかった」

「あたしもフォスティーヌ様との夫婦仲や親子名かを聞きたかった」

「夫婦仲も親子仲も良いから、大丈夫。二菜に色々相談に乗ってもらって良かった」


 ヒーリッチの相談はよくある思春期の悩みから親子関係、王を継ぐ者としての相談を受けた。

親子関係の悩みは一般家庭よりも難しいけど、とりあえず一般的な答えをしてたけど役にはたったようだ。

あたしだって王族の相談をされても正直難しいけど、歴史の知識を使って答えから何とかなったかな。

本人が相談して良かったと言っているので役には立ったみたい。


「しかし、あんなに甘えん坊だったヒーリッチ様が今は国王になったのね」

「甘えん坊といっても3、4歳の時だ」

「そうでもなかったよ?10歳まで『夜は寂しいから二菜と一緒に寝る』って言ったよ」

「そ、それはいないでくれ」

「あたしも妹と弟がいるから、懐かしかったけどね」


 妹と弟の事を思い出したのは本当で、良く甘えられたな。

見た目は子供だけど、ちゃんとしたお姉ちゃんやってたんだからね。


「色々懐かしい話をしたいけど、あまり長居するのは良くないかな」

「そうだな、執務もあるしね。日も傾いてきているし、部屋を準備する。少し時間がかかるが、構わないな」

「構わないよ」


気づいたら、かなり時間が経っていたが、ララ商会を出たのは10時ぐらいだけど王都は意外と広くて移動時間だけで3時間程時間を取られて

各所のやり取りで合計2時間程か掛かってるので、16時ぐらいになっている。

そういえば、昼食を食べてないからお腹が減ったかも。


「今日は色々あって食事をしてなかった」

「そうか、それならば少しいい物を出そう」

「急に来たから別にいいよ」

「そうはいかない、聖教の司祭が会いに来て手を抜いた物を王として出す訳にはいかない」

「今回のは聖教に報告しなくてもいい案件だし」

「そうだとしてもだ。王都しての意地もある」

「そう言われると断れないな」

「それでは侍従を呼ぶ」


 ヒーリッチは侍従を読んで、部屋の準備と食の準備をするように伝える。

ヒーリッチと一緒に食事をする訳ではないが、それなりにもてなされる事に。

部屋の準備が出来るまで、執務室で待っているが機密の書類もあると教えてくれたけど、それは言っちゃダメな気も。

内容までは教えてくれなかったけど、スパイだったら危ないよ。

もっとも、そんな事を言うのはあたしだけし、そもそも執務室に入れないからいいのか。


「失礼いたします。二菜様、お部屋の準備が出来ました」

「今夜も何かと忙しいので、会うのはここまでだな」

「わかった。それでは陛下、また明日、お会いしましょう。それでは失礼いたします。」

「ああ、また明日会おう」


 侍従について行き、部屋に案内される。

部屋は聖教のお偉いさんが泊る部屋に通されるけど、あたしも立場としてはお偉いさんか。

正直、こういうのは性に合わないけど、郷に入っては郷に従えって事で受け入れてるけど。

やっぱり、国王とか貴族、宗教って面倒だよね。


「お着替えはご用意してありますのでお使いください。お食事は後程、こちらへ持ってきます。また、何かご用がありましたらそちらのベルでお呼びし下さい」

「わかりました。ところで、入浴は可能ですか?」

「はい、二菜様がお造りになった入浴施設は今も使用しております」

「わかりました。できれば先に入りたいのですが」

「侍女に確認させますので、後程お伝えします。他にご用件はありますか?」

「コードが残っていましたら、城に泊まるので帰るように伝えてください。他にはありません」

「わかりました、お伝えします。では、私はこれで失礼します、ごゆっくりを」


 侍従が部屋を出ていくと、あたしはベッドの上でゆっくりする。

スマホを取り出すと、時間は17時すぎ。

季節的にそろそろ暗くなってくるけど、部屋の明かりはライトの魔法が照明となってるので結構明るい。

とはいえ、ライトの魔法を城や後宮全体で使うのは無理なので一部の部屋であるが、逆に明るすぎると

王の部屋の場所が外部から分かりやすくなるので、王の部屋は逆に使ってない。

この部屋は目立っていいのかって話だけど、普段使っていない部屋なので明かりがついた時点で誰かが来てるとわかるので同じだと思う。


 しばらくすると、侍女がやって来て入浴が可能との事。

侍女案内されるけど、侍女が一緒に入って身体を洗ってたりもするけど、中にはそれ以上の事もしたりする。

あたしは自分で洗うので案内だけでいいと断ったけど。


 浴場は温泉になっているけど、王都の北側の森に湧いてる温泉。

温泉の源泉はちゃんと測った訳ではないがかなり熱い。

そのお湯を引き湯して、浴場で使用しているが暖かい季節なら引いてくる間にちょうどいい湯加減になるけど

、寒い時期は冷めてしまうので加温してはいるがかけ流し。

泉質は分析した訳じゃないけど、無色透明であるが塩味がするので塩化物泉かな。

今の秋の初めで、夜になると気温は下がってくるので温泉は気持ちいい。


「やっぱりお温泉はいいなぁ」


 ゆっくり浸かっていると、なんか物音がするるけど誰か入ってきたのかな?

使用中になっているはずだけど…。


「あの、どなたが入っているのですか?」

「あ、はい…」

「失礼しました。使用中になっていませんでしたの」


 使用中にしたはずだけど、どうも忘れてたらしい。

あと、ここを利用するので王族なので、この方は王妃か王女となるけど声から王妃のフォスティーヌ様かな


「王妃陛下ですが?すみません、使用中にするの忘れていました」

「はい、そうですわ。しかし、もう召し物を脱いでしまいましたので、ご一緒してもよろしいですか?」

「いいえ、わたしが出ていきます。温まりましたので」

「いえいえ、お客様にそんな事をさせる訳にはいきません。なので、ご一緒します」

「わかりました…」


フォスティーヌ様ご一緒する事になってしまったけど、あたしのミスだから仕方がない。


「失礼します」


 お風呂は5人ぐらいは入れる広さなので、2人だと余裕はあるものの王妃様と入浴するとは思わなかった。

さっきまでゆっくり浸かってたけど、急に緊張する。

王族の女性が裸を見せるのは駄目ではないけど、あまり好ましくはない。

といはえ、王妃様がご一緒すると言ったので仕方がない。


「二菜様、お久しぶりです」

「王妃陛下、お久しぶりです」

「あら、王妃陛下は堅苦しいですわ、フォスティーヌとお呼びください」

「いえいえ、王妃に向かってお名前で呼ぶ訳には行きませ」

「そうですか?お風呂は身分は関係ないと、二菜様がおっしゃていたじゃないですか」

「た、確かに言いましたが…」


 このお風呂はあたしが作る事を薦めて、設計もして、完成時は入浴の習慣があまりなかったので、入り方を教えたけどその時に言った言葉。

ただ、その時はわたしは服を脱いでなかったし、入浴してなかったかから一緒に入浴するとは思わなかった。

今回はあたしのミスだから仕方がないけど。


「そう言う事なので、お風呂に入ってる時はフォスティーヌでお願いします」

「それではフォスティーヌ様とお呼びします。あと、二菜様はおやめください」

「そうですね。二菜さんとお呼びします」


 さっきまで一人でゆっくりしてたけど、急に緊張する。

フォスティーヌは侍女と一緒に入っているけど、侍女は身体を洗ったり髪を洗う為なので入浴はしない。

また、ここで話した事聞いていなかった事なっていて口外はしない。


「二菜さん、お久しぶりですね」

「はい、ご結婚の儀以来ですね」

「故郷にお帰りになられていたそうですが、また旅に出て王国に来たと聞きましたが」

「はい、久しぶりに訪れてみました」

「そしてまた色々ありましたようですね」

「不本意ですが、しかたがないです」

「でも、それがありましたから、こうしてお会いできましたね」

「できれば裸でない時にお会いしたかったです」

「滅多にない事なので、よろしいではないですか」


 本来ならば王妃の裸を見る事なんてなかったけど、裸で入る事を教えたのはあたしだからね…。

この世界には水着や湯浴み着がないけど、湯浴み着は作れるから教えておけば良かったかも。

実は後から気付いたけど、王族は1人で入浴するからいいかと気にしなかったけど、やっぱり教えればよかった。

一応、バスタオルのような布を巻いているので、全裸という訳ではないんだけど。


「本来ならば王族の女性が裸を見られるのは好ましくないと思うのですが」

「それは男性の前のお話なので、女性同士なので問題ないのです」

「そうですが…」

「二菜さんも女性ですからね」

「は、はい…」


 この国は女性同士が裸を見る事まったく問題ないというか、女性同士で愛し合う事もあるからね。

王妃も侍女とあんな事をしてるのは普通ではあるけど、フォスティーヌ様もしてるかは知らない。


「そういえば、二菜さんは侍女の方を断ったのですね」

「自分で髪も身体も洗いますし、着る物も自分で着ますので」

「侍女はそれ以外の事もするためにいますが」

「それも断りました」

「あらあら、二菜さんはお堅いのですね」

「堅いというか、その気がないだけですので」

「そうですか。わたしはそのための侍女でもありますからね」


 フォスティーヌ様が笑うけど、フォスティーヌ様もやっぱりしてるかも。


「この国の女性は女性同士で愛し合いますし、男性だって男性同士で愛し合う事はありますわ」


 聖教は女性同士だけじゃなく、男性の同性愛も認めているが結婚までは認めていない。

ただ、囲う事自体は禁止しておらず、貴族なると養子も簡単にできるので養子という形で実質結婚することなる。

財産分与は配偶者より後継ぎを優先されるので、男性の場合は結婚するよりも養子入りしたほうが実は得だったりする。

もちろん、女性同士も一緒であるが、女性同士の場合配偶者を優先できる特例があったりはする。


「わたしも女性同士で愛し合う事はありますが…」

「度合いは個々の差がありますからね。ただ、色欲が強い方多いですが」

「わたしはそこまではないので」


 なんかフォスティーヌ様と性欲の話をするとは思わなかったけど、実際に色欲の話はそれなり聞く。

特に女性同士というか、子供が出来ので緩い所があったりする。

ただ、既婚者同士に関しては不貞になるのでその辺は厳しが、既婚者と未婚者ならばお咎めはないから緩くなるけど。


「せっかく、裸のお付き合いなので二菜さんとお相手したいですわ」

「わたしは未婚者ですが、さすがにそれは」

「冗談です。流石に王妃が聖教の司教様に手を出す訳には行きませんわ」

「そうですよね」

「ただ、二菜さんが手を出す分には問題ありませんわ」


 身分的には王妃の方が上であるけど、権力的には司教の方が上なので王妃が手を出す事は司教をたぶらかしたと言事う事になってしまう。

しかし、あたしから手を出せば問題ないというか、咎める事が出来ないけどそんな事しないよ。


「わ、わたしは手を出しませんの」

「わかっておりますよ」

「あの、そろそろのぼせますので、お先に出てもよろしいですか?」

「はい、どうぞ。少しの間ですが、お話しできて良かったです」

「わたしもお話しできてうれしかったです」

「ただ、話の内容はあれでしたが」

「気にしない事にします」

「最後、明日の詰問は大変ですが、これを機にリットン…いえ、ジョーノを亡き者に出来ますのでお願いいたします」

「わかりました、では、失礼します」


 わたしは先に上がるけど、フォスティーヌ様は結婚した経緯が経緯だけに、ジョーノに恨まれている。

権力は衰えてるとはいえ、王妃と話す事も多く、結婚後1年程で戻ったけど、それでも嫌味を言われている話は

あたしにも聞こえ来てたので余程なんだろう。

王ではなく、王妃を暗殺すればと思うけど、娘のルリアーヌは平民になて家を出て行ったから暗殺する意味もないか。

暗殺してもリットンの仕業と世間も思うし、愛し合う同士が結婚したのは良い事かな。

でも、ジョーノを亡き者に出来ると言う事は、思った以上に嫌がらせをされてるみたいだな。

わたしもジョーノが嫌いだけど、処刑まではと思いつつ、立場上仕事をしないとならないからやっぱり辛いな。

だからあたしは政治には関わりたくないんだよ。

お読みいただきありがとうございます。


国王と王妃が新キャラがとして登場してます。

城を中世の城と行ってますが、舞台がその時代ではなくどんな城かを説明しするためです。


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@shiizu17

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