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4話 アデール公爵夫人と暗殺計画書

この小説はPixivに投稿した物です。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19687112

 グリフォン家を出て、その足でリットン家に向かう。

これは予定に入ってないが、グリフォン家の外商の後、リットン家に寄る事はよくある事なので疑われないとか。

現にリットン邸に入ったら執事のエメリックさんもあたし達を見て屋敷にいれてくれた。


「ご用はわかっておりますので、こちらの部屋でお待ちください。ただ、念のためジェリエンヌ様からの書状を確認します」


あたしはジェリスから受け取った書状を渡し、エメリックさんが確認すると奥に通されたが

やはりリットンの屋敷でもグリフォン邸と同じ様な部屋に通された。


「ここに通されたという事はそういうことですので。夫人が来ましたら私は退室しますので」

「わかった」


しばらくすると、リット公爵夫人アデール様がいらっしゃった。


「お待たせしました」

「いえいえ、思ったよりお早いですね」

「お久しぶりです、アデール様」

「二菜さんもお久しぶりです。娘を無事にお送りしていただきましてありがとうございます」

「こちらこそ、ご報告しないですみませんでした」

「いえ、戻ってこない事をわかっていながら依頼したので、構いません」

「ありがとうございます」

「それではお話をしますが、エドさんはわかっておられますね」

「はい、私は終わるまで別室でも待っております」

「では、二菜さん、おかけくださいませ」


エドは退室し、わたしはアデール様と2人になるが、面と向かってしっかり話すのは初めてだ。

ジェリエンヌとはベッドを共にした事あるぐらい親しいけど、アデール様はライバルでもあったため、個人的な交流もなかった。

なので、性格等はジェリエンヌから聞いたことぐらいだけど、基本的にはおっとりして優しい方らしいけど。


「エドさんがいなくなったので、気楽にはなしましょうね」


話方が変わったのでちょっと拍子抜け。

話し方は所謂おっとりお姉ちゃんキャラだった。


「あらあら、差がありすぎておどろいちゃいました?本来はこちらがわたしくしのはなしかたなのですよ」

「ちょっと驚きましたがジェリエンヌから聞いていましたので」

「あらあら、それはよかったわ。ジェリエンヌから聞いてるのならばわかってると思うけど、わたくしとは幼馴染で恋人でしたの」

「はい、それは知っています」

「色々あって今はこうなってますが、この話は今は関係ないので本題に入りましょうね」

「そうでは単刀直入出来きますが、この文章はアデール様がお書きになったのですね」

「はい、そうです、わたくしが書きましたわ。ただ、庭に投げ入れたのは使用人ですが」


なんかあっさりと認めたかけど、何でこんな事をしたのかは気になる。


「何でこのようなことをしたのです?」

「わたくしはリットン家の御用商人のブラウン家の娘で、政略結婚なのは二菜さんもご存じですよね?」

「はい、その話は知っています」

「なので、ジョーノには愛はないですが、実家との関係もありますから子供を作り、公爵夫人として振舞ていますが、本当に愛してるのはジェリスなんです。

とはいえ、お互い公爵夫人なので夫と子があるので、不貞になってしまいます。ただ、離縁して公爵夫人でなくなれば、公爵夫人が女性の愛人を囲う事はおかしい事ではないわ。

しかし、離縁する理由がありませんし、何があろうとジョーノは離縁は絶対ににしないはずです。

そこで、考えのがリットン家のお取潰しなのですわ」


なんか、予想外な理由だったけど、気持ちはなんかわかる。

アデール夫人も元は平民だったものの、グリフォン家現当主のアディル様がジェリエンヌと結婚した事で

平民の評判が良くなったため、これに対抗してアデールと結婚した。

ただ、これは逆効果でブラウン商会との癒着と言われて、逆に評判を下げたというオチ。

しかし、実際はブラウン商会からの資金で賄賂等の裏工作をするためであった。

拝金主義の貴族はそれなりに居るから、効果はそれなりにあったけど金はあっても政治的には弱くて

結局の所、金だけせびられた結果になったようだけど。


「それで、暗殺計画を暴露をしたという事ですか?」

「ええ、そう言う事でわ。暗殺計画は未実行でも計画した時点で公爵家であろうとお取潰しになりますし」

「しかし、これって言う証拠がないと無理なのでは」

「証拠はありまわ」


そう言うと、暗殺計画書を差し出して来た。


「何でこのんなものがあるんですか!?」

「ジョーノはたとえ捨てるような書類でも、ひとまとめにする癖があってある程度溜まらないと処分しないのですわ。

そこで、毎回、書類の内容を回収時に調べて、使えるものがないかを調べていました、そうしたら暗殺計画書が見事にでてきましたわ」

「そういうことですか・・・。しかし、これが本物という証拠はあります?」

「ええ、ジョーノが押した無効印がありますが、これはジョーノの魔力でしか開かない引き出しにはいっていますので。もちろん、偽造もできませんし」

「確かに、それならば証拠になりそうですね」

「でも、それだけでは弱いので、その書類を二菜さんがも持っているいるという事をジョーノに教えますわ」

「え、それって・・・」


その答えは簡単で前回来た時の恨みを晴らすのと、暗殺計画を回収する為に手を出してくるって事だ。


「ええ、ジョーノは前回の時の恨みを晴らすのと、回収に絶対動きます。しかし、二菜さんは死にませんからね。ただ、ジョーノはその事を信じていませんので、殺せると思っています。死体は適当に身元不明人として処理すればいいですし。

そこで、二菜さんが返り討ちにして、雇った人間から口を割らせてって言う計画です」

「計画の内容はわかりますが、あたしが死なないって所まではまだしも、雇った人間は知らぬ存ぜぬで押し切るのでは」

「もちろん、それは想定してます。ただ、ジョーノは自分の計画に自信を持ちすぎてうまく行ってなくても認めず、最終的に失敗するのです。多分、二菜さん殺害に失敗した時に、ボロをだします、お金を渡す時紋章入りの包みや袋を絶対使いますわ」

「そんな分かりやすい証拠を残しますか?」


あたしは少し呆れるけど


「ところが、残すのがジョーノなのです。失敗したら、消せばいいと思っていますので。ただ、相手だって貴族の暗殺依頼を請け負うぐらいの方々ですから、簡単に殺されるような相手でもありません。

さらに言うと、秘密を沢山もっていますから、他の貴族だって自分の秘密をばらされるのは都合が悪ですから

どっちの言う事を聞くかと言えば、言わなくてもわかりますわ」


確かに、自分達の暗殺の依頼が表になると、権力が衰えてるリットン家より暗殺集団の方の肩を持つだろうしね。

それに、下手したら自分が消される可能性もあるだろし。


「とりあえず、計画はわかりました。この書類はあたしが持っておきますが、あたしは1度バンの村に戻らないといけなので、王都に居るのはあと3日ぐらいですが襲ってきますかね?」

「ご心配しないでください、既にこの事はジョーノの耳にはいっていますから、多分、既に暗殺者の手配は済んでいますよ」

「もうそこまで進んでいるのですか?しかし、なぜあたしが来てる事を知っています?」

「それはエドさんが昨日教えてくれましたので」

「ああ・・・そういうことか・・・」


昨日、エドと会った時、すぐにアデール夫人の伝えたのだろう。

エドならば、アデール夫人に会う事は不自然ではないし、エド自身じゃなくて使いをだして執事に手紙をわたすだけでもいい。

ただ、あたしが来てる事は昨日知ったばかりなのに、計画が具体的過ぎる気はする。


「あたしが来る事がわからなかったのに、1日で立てた割には計画が具体的ですね」

「実は二菜さんがもしいた場合を想定して、計画を立ててましたが、本当に二菜さんが来ると思っていませんでしたわ。つまり、偶然ですわ」

「偶然ですか」

「ええ、偶然ですわ。さすがに二菜さんが再び来るなんて思っていませんでしたから。未来視なんて非常に稀な能力ですし、あったらジョーノなんかと結婚せず、今頃、聖教が聖女にしてますわ」


確かにそうだ、未来視なんてできたら聖教が放っていないし、ジョーノと結婚もしてないだろう。

しかし、偶然としても動きが速すぎる。


「こういう計画は決めたら少人数、かつ素早く的確に動くのが大事なのです。たとえ不確定でも機を逃すと失敗するのはジョーノを見てわかっていますから」


ジェリスといいアデール夫人といい、ジョーノを批判してるが、それだけ駄目なんだろう。

あたしも前回妨害をされたけど、結局はあたしが地位を使って止めたけど詰めが甘いんだよね。


「この計画自体はジェリスにも頼まれているのでお受けしますが、そんなに早く襲ってきますかね」

「暗殺者も仕事は早いですわ。早ければ今夜、遅くても明日にでも襲ってきますので、明日はあえて人気のない所へ行ってくださいませ」

「わかしました、では、この書類は持ち帰ります。用件はこれだけですか?」

「はい、以上です」

「それでは失礼します」

「はい、気を付けて暗殺者に襲われれてくださいね」


普通は襲われない様にというけど、この場合は逆。

しかし、襲ってくることがわかっていると、死なないとはいえ痛みは感じるから気が引けないな。

実戦はそれなりに積んでるけど、相手が暗殺者だからまともに戦って勝てる気はしない。

勝たなくてもいいけど、書類だけは守らないといけないから・・・面倒だ。


部屋を出てエドと合流して、屋敷に出る。

エドにアデール夫人から聞いた話をしたら、なんでエドが計画に噛んでいるのかを聞いた。

エドとしてはブラウン商会をとどめを刺さないまでも、いまだ続いている貴族との不正を止める為に計画にのったそうだ。

ただ、あたしが来たのはやはり想定外だったけど、犠牲者が出る覚悟でいたからむしろ良かったと言ってけど。

死人を出すより、死なないあたしが犠牲になる方がいいけど、観光と気楽なお使いって思ってたら大きな事に巻き込まれてしまったな。

お読みいただきありがとうございます。


新キャラのアデール公爵夫人はジェリエンヌの幼馴染で元恋人です。

この世界では女性同士の恋愛が普通で同性婚も認められています。


アデール公爵夫人はリットン公爵夫人で二菜から見てもライバルになります。

しかし、アデールはリットン公爵と嫌々結婚したので、愛はなく

本当に愛してるのは幼馴染で元恋人でライバルのグリフォン公爵夫人のジェリエンヌ。

ジェリエンヌと一緒に居たいため、リットンを陥れてお家お取潰しで離縁する目的で二菜に手を貸します。

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