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第50話 卒業式前夜祭

これ以降の展開については、先に謝っておきます。ごめんなさいm(__)m

賛否両論あるかと思いますが、温かい目で見守ってくださいますようお願い致します(汗)


――――――――――――――――――――――


卒業式前夜祭は、その名の通り卒業式の前日に行われる夜会の事だった。

今回は夜に開催されるという事もあり、父母同伴での出席が可能である。

会場内では沢山の貴族たちが、我が子の晴れ舞台を盛り上げるべく参加していた。

もちろんエリアーナの父親でもある侯爵もである。

エリアーナは父にエスコートされながら、会場へと入っていった。


前夜祭では国王陛下や王妃様もお忍びで参加しているらしく、会場内は舞踏会の時よりも更に豪華な装いをしていた。

フロアの中央には、前回見た時よりも大きなシャンデリアが存在をアピールしており、これは生徒会だけではなくプロも手を加えているなと、わかる程にホール内は煌びやかに装飾されていた。

デビュタントで王宮の夜会に参加した時と同じ位の眩しい会場に、エリアーナは一瞬目が眩みそうになる。


『エリィ、待ってたよ!』


目を細めた瞬間、レイモンドの嬉しそうな声が聞こえたような気がした。

エリアーナは慌てて目を見開くが、その先には先程と同じように親子連れの生徒たちの姿があった。

辺りをキョロキョロ見渡してもレイモンドのレの字も見当たりそうにない。


「どうしたんだい、エリアーナ。」


「いいえ、なんでもありませんわ。」


突然落胆したように溜息を吐いた娘を気遣い、侯爵が声をかけてきた。

心配そうに覗き込む父親に、エリアーナは大丈夫だと微笑み返す。

そしてすぐに視線を落としてしまったエリアーナは気付かなかったが、そんな娘の様子を心配そうに見下ろしたあと、アーゼンベルク侯爵は何故かホールの扉の方を一瞬だけちらりと見遣り、苦々しい顔をしながら眉間に濃い皺を刻んでいたのであった。








暫くすると、楽団員達が入ってきて音楽が流れだした。

前夜祭が始まったらしい。

すると、会場の奥からどよめきが聞こえてきた。

見ると、正装に身を包んだレイモンドが優雅な足取りで、こちらにやってくる姿があった。

エリアーナはその姿に目を見張る。

彼女が目を見張ったのは、、彼の見目麗しい正装姿でも、王族らしい優雅な歩みに目を奪われたわけでも無かった。

レイモンドの左腕――肘を曲げたそこに手を添えて、一緒に歩くエミリアの姿を見つけたからであった。


ああ、やっぱり……。


レイモンドにエスコートされながら歩くエミリアを見て、噂は噂ではなくなってしまったのだと確信する。

近づいて来る彼らから、逃げる事も避けることも出来ないまま、その場に呆然と立ち竦む。

そして、スカートをぎゅっと掴み、これ以上見ていたくなくて視線を落とした。


「エリアーナ・アーゼンベルク嬢。君に聞きたいことがある。」


そして、エリアーナの元にやってきたレイモンドは、エミリアをその腕に絡ませたまま、感情の無い目で見下ろしながら、そう告げてきたのであった。


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