表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Travel Hunt Online  作者: 通りすがりのしろくま
本編
6/6

リリース初日

2035年


世界は著しい進化を遂げた。

紛争、経済格差、移民、地球温暖化、

などの様々な問題が「全国首脳合同サミット」

を機に全ての国で見直す案が採択され世界は史上初、平和な時期を迎えた。

貧困に困る人も徐々に減り今はどの国も高い生活水準を維持し、娯楽をゲームに求めた。


ゲームも例外ではなく発展を遂げた。

2010年頃から各国で研究が始まり、AIの登場、成長を経てようやく30年頃にVRシステムを搭載したゲームが世の中に普及する。



そして今日

完全没入型VRゲーム

Travel Hunt Online が全世界同時配信される。高性能のヘッドギアやカプセルギアで酔いを抑え、高いグラフィック、同時接続を可能とした。多くの有名企業がスポンサーとして名を連ねる日米の共同開発である。


何よりこのゲームの魅力はシステムにある。戦闘職から生産、経営、ネタ職などの様々な職業があり、自分の好きな楽しみ方ができる。特に注目してほしいのは制限はあるが自分の思いように、装備やスキルを造ることができることだ。


俺は数多くのゲームをやってきたが、今までにない斬新と魅力にこころ踊らされた。


仕事から帰り準備を終えた俺はVRヘッドギアを装着する。すでにリリースから10分程過ぎた。

ベッドに横たわり、目をつむる。


━━━━━━ travel on






始まりの街 メルヴィン


目を開けると、俺は広場にいた。

さすがにリリース直後は人が多く賑わっている。見たところ外国人プレイヤーもいる。話していることを聞くとどうやら日本語のようだ。翻訳し更に音に変換する。システムの円滑さをみて、この世界に来たばかりなのに驚かされる。プレイヤー認証をするためにギルドに行く途中に見知った顔があった。


「よう、川蝉!お前今日早く帰ったのに遅れんなよ!もう皆待ってるぞ!」



「ごめんな、 あの後、風呂入ったり飯食ってたりして遅くなった!」


俺たちはギルドに行き、認証を終えて急いで仲間の元へ向かった。


‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘’’’’’’’’’’’’’’’’’’

東メルヴィン商業区


「遅いよ! 川蝉!」


「ごめん ごめん! 遅くなった!」


レモンがご機嫌斜めだがすかさず師匠がカバーに入ってくれる。


「初日だし遅れなくても変わらなかったよ、 レモン」


「でもっ!… ふんっ!」


ここにいる4人、マルシア、レモン、金太郎、さそり師匠は俺の友達兼リア友達だ。今日はリリース日だからこの5人でやる約束をしていたのだ。



「とりあえずレベリングだけしとこうぜ!」


「ゴールド貯めて装備買いたいな!」


マルと金太郎はもうヤル気満々みたいだ。


このゲームはLv10になったら職業選択が可能となる。武器もゴールドで買うことから、まずやるべきことはレベリングだろう。


俺たちはそのまま職業区を出て草原の入り口まで進んだ。


‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘’’’’’’’’’’’’’’’’’’

東メルヴィン草原


歩くこと3分。木でできた大きな門に着いた。目の前にあるのは広い草原に多くのプレイヤーだ。

「やべっ… もう皆来てるのかー!」


「こんなもんですよぉ、」

「もう少し早く川蝉が来てくれればなぁー、」


運営によるとまだ東の草原しか解放されてないらしい。そして複数のサーバーを作って、フィールドが解放されプレイヤーも分散したら統合させるということだ。


入り口に近い所はもうプレイヤーが多過ぎてモンスターを狩れないので、奥の方へ移動して狩ることにした。

少し木が生えてきて森の近くの所を拠点にレベリングをしていく。


そこに少し大きく赤い目をしたウサギが一匹こちらに向かってくる。木の棒を構え応戦の体勢になる。前衛がマル、桃太郎。後衛がレモン、師匠。そして真ん中が俺。武器が木の棒なのであまり意味はないが、ただの移動だけでも並みの腕前ではないとわかる連携だ。戦い(蹂躙?)はほんの数十秒マルと桃太郎の数発でウサギはあっけなく光のポリゴンへ変わるのだった。

「やった! Lvあがったー!」


「私も上がりました!」


マルと桃太郎が口を動かすと同時に、


-ホーンラビットの初討伐確認-

-経験値50獲得-

-最初の討伐を確認-

-称号 初心者 を獲得-


無機質な声のアナウンスが響く

が、疑問に残ることが1つ。何故かLvが上がらなかったのだ。おそらく活躍度のようなものに左右されるものなのかもしれない。


俺の疑問を師匠が口にする。

「僕はLv上がらなかったですね、」

「何らかの意味があるんでしょうか?」


「レベリングのついでに検証するかっ!」


マルがノリノリで答える。


装備が木の棒なのは少し心細いが周りにポップするモンスターを鮮やかな連携で次々と倒していく。

「モモっ! 後ろ!」


「おっけいっ、 」

「ちっ、 川蝉っ! 一匹いくよっ!」


「大丈夫だっ、 」


周りにいるプレイヤーも少々引き気味な顔で驚いている。

次第に近くにいたプレイヤーは少しずつ周りから立ち去っていった。


結局今日はLv8で俺は切り上げた。明日は会社もあるし、もういい時間だ。

Lvアップの決まりはだいたいだが分かってきた。やはり戦闘の活躍度で決まるらしい。お互いのステータスを見て残り経験値から予測したのだ。だが、戦闘に加わっているのかいないのかの線引きが少々難しい気がする。戦闘中にためしに遠くから棒を投げてみたのだが経験値が入らなかったのだ。ここらは今後ぼちぼち判明していくだろう。


「それじゃあ、 俺はそろそろ落ちる!」

「マルは明日会社だけど続けるのか?」


「もうちょいやってから落ちる!」


「おーけい、 じゃあまたな!」


「今度は遅刻するんじゃねーぞぉ」


「またやりましょう!!」



お別れ?

をして草原を、あとに広場へ戻った。

しかし、マルの野郎明日大切な会議なのにいつまでやるんだ?

そんな疑問を抱きながら目を瞑る。



━━━━━return to








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

川蝉

Lv 1→8

冒険者

HP:30→45

SP:100→100

STR:15→30

INT:10→25

DEX:10→25

VIT:5→20

MND:5→25

AGI:10→25


スキル


称号

初心者


装備


E木の棒 STR+5

なし

なし

なし

E革の服上 VIT+5

E革の服下 VIT+5

E革の靴 AGI+5

なし



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ