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オトナの時間  作者: それはヒミツ
2/6

食後のデザート

 食べたいって言ってた、彼の為に買ってきたイチゴ。


 夕飯の後に出すと「今日はいいや。」だって。何ソレ。食べたいって言ってたくせに。もしかして、ヘタが付いたままだったから?邪魔なものが付いていると嫌がるお子ちゃまだとは知っていたけど、この位いいかと思った私が悪い?


 少しだけもやもやした気分のまま、いつもだったらヘタは切り取って、フォークを使って食べるところを、そのまま手に取った。ヘタの部分を摘まんで、先端を口に入れる。

 

 「んっ」


 思ってた以上に酸味が強くて思わず洩らした声に彼が反応する。


 「どした?」

 

 正直に告げる。


 「すっぱ……」


 “ふっ”彼が鼻で笑いながら、私が食べてる様子を覗きに込む。夕食を食べ終えて、すでにリビングのソファーに座っていた彼。意地が悪い。だけど構わず食べ続ける。残った部分を全部口に入れ、ヘタの手前で噛る……やっぱり酸っぱい。失敗だったな。そう思っていたら彼は


 「やっぱり、食べようかな」


 「すっぱいよ」


 何を考えてるのか分からないひと。彼的には、絶対嫌がりそうな酸味。この酸味まで私のせいにされそうで、食べてくれなくていい、そう思ったのに彼は私の隣に座りこんできて、横から手を伸ばした。


 邪魔なものを先に取り除くと、私と同じように、先端を口に入れる。

 


 「んっ」




 ……声が出たのは私だった。


 「すっぱくないよ」


 意地悪な彼が言う。先端に口を付けたまましゃべるから


 「んんっ」



 また声が出た。ちょっと悔しくて反抗してみる。


 「全部食べてないでしょ」


 「ん?あ、これも?」


 彼はもうひとつ、手に取って摘まむとまた……

 


 

 


 もう。お子ちゃまは、行儀が悪くて困る。



 


 



ベタ、かな。

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