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090. 募集

誤字、脱字、御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。



 昼食を食べた後は、クレリアたちとは別行動をとることにした。


 クレリアたちは王都にいるうちによそ行きの服を注文に行きたいらしい。

 確かにドレスっぽい服を手に入れるならば王都が一番入手しやすいだろうし、そのうち使う機会もあるだろう。


 俺はイーリスに頼まれていた案件を片づけることにした。

 宿にいたカトルたちと護衛としてついてきた三人と一緒に馬車で、職人ギルドに向かった。


 職人ギルドとは冒険者ギルドや商業ギルドと同じように職人が属するギルドである。

 職人といっても鍛冶職人、木工職人、織物職人など、いろいろな製造業の職人がいるが、ひとまとめにして一つのギルドだ。

 しかし、必ずしもすべての職人が所属しているわけではないらしい。


 利にさとい職人たちはギルドの仕事を請け負うのではなく、特定の客や商会から贔屓にしてもらい仕事をもらうようにしているとのことだった。

 確かに発注する側からすれば、同じ品物を発注するのに毎回違う職人ではばらつきが出るだろう。

 技術のある同じ職人に安定した品質で納めてほしいと考えるのも無理はないのかもしれない。

 ギルドの依頼は一般的に安く設定されていることが多いようだ。


 職人ギルドに到着して中に入ったところ、思ったより人はいるが活気があるとは言い難い。職人と思われる人達が壁に貼り出された依頼を見ながら難しい顔をしている。

 さっそく受付に行き用件を伝えた。


「あー、男爵のアラン・コリントという者だ。ギルド長はいるだろうか? いたら会いたいのだが?」


「あの…… 、ダンシャク?」


「そうだな。………… 貴族の」


「きっ、貴族の男爵様!? す、少しお待ちください!」


 若い女性の受付職員は大慌てでギルド奥へと走っていった。俺を見て貴族だとは思わなかったようだ。うーん、結構貴族っぽい格好をしていると思うんだけどなぁ。

 やはり俺には貴族としてのオーラがないせいだろうか。

 シャイニング・スターのリーダーのほうが知名度が高いように思える。次からはそう名乗ったほうがいいのだろうか。


 すぐにギルド長と職員と思われる男たちが奥の部屋より駆けてきた。随分と慌てているように見える。


「これは、ようこそいらっしゃいました、男爵様。ギルド長のタッパスと申します」


 ギルド長は、もう老人といっていいくらいの年齢の男だった。何をしに来たのかと疑問で一杯といった顔つきをしている。


「シャイニング・スター、リーダーのアラン・コリントだ。よろしく頼む」


「ドラゴンスレイヤーの!? …… そういえば男爵様に叙勲されたとか。いや、こうしてお会いできるとは! まことに光栄でございます。ましてやこのギルドに貴族様をお迎えすることになるとは思ってもいませんでした」


 やぱり、シャイニング・スターと名乗ったほうが周りの理解は早いようだ。ギルドの職員たちも今にも跪きそうにかしこまっている。


「そんなにかしこまらなくていい。俺も先日まで平民だったからな。相談があるだけだ。少し時間をとってほしい」


「…… 分かりました。こちらにどうぞ」


 直ぐに会議室のような部屋に案内され、お茶が出てきた。


「さて、知っているかもしれないが男爵に叙勲され、樹海の奥に領地を戴けることになった」


「もちろん存じております。今、王都では、ドラゴンとその話、さらに閣下の取り締まりの話で持ちきりです。恐らく知らぬ者はいないでしょう」


「そこで必要になるのが様々な職人たちだ。樹海の奥で仕事をしてもいいという職人たちを募集したいと考えている」


「なるほど……。職人の開拓民を募集したいということですね?」


「うーん、開拓民とは少し違うな。開拓は他の者がおこなう。職人たちは開拓をする必要はなく、本業の仕事をしてもらう。建築、鍛冶、木工、縫製などありとあらゆることだ」


「あぁ、閣下が領地を開拓された暁には、というお話ですね」


「いや、あと一月ぐらいで王都を出発するつもりでいるんだが、職人たちにはその時に一緒に出発してもらうつもりだ」


「…… 確認ですが、樹海の奥にこれから領地を造られるのですよね?」


「まぁ、そうだな。ここだけの話にしてもらいたいんだが、開拓の第一陣だけでも千人を超える人員が動員されている」


「千人!? …… 第一陣だけで千人とは通常の新規開拓とはかなり異なるようですな。なるほど……」


「Cランク以上の職人には支度金として一万ギニーを前金で支給する。移動の手段がないのであれば、こちらで用意しよう。

 領地で仕事している間は住居と食料は保証し、給金は月に五千ギニーは保証する。

 就業期間は五年間。五年後に希望するのであれば工房を持たせる」


「ちょ、ちょっとお待ちください! 少し確認させてください。まずCランク以上の職人を御希望なのですね?」


「そうだな。Cランクは一人前の職人という扱いになるんだろう? もちろんCランク未満で応募しても構わないが、支度金は支給できないな」


「まぁ、それは当然でしょう。そして移動の手段も用意してくださると? 護衛もつくのでしょうか?」


「俺たち、シャイニング・スターが護衛だ。もちろん、他の冒険者にも警護させる。今、馬車と馬を集めさせているが足りるかどうかは判らない。人数によっては徒歩での移動になってしまうかもしれないな」


「なるほど、最近馬車関連の仕事が急増しているのはそういうことだったのですね」


 ギルドに馬車は発注していないが、中古を中心に集めさせているので、そういう注文が増えているのかもしれないな。


「そして、向こうで仕事している間は住居と食事を保証、さらに月に五千ギニーを支給してくださると?」


「そうだ。五千ギニーはCランクだな。ランクに応じた給金を支給しよう」


「…… そして五年間働いた後には工房を用意してくださると?」


「五年間はこちらの指定した物を作ってもらうが、五年後にはこの王都で一般的な大きさと同じぐらいの工房を無償で用意する。どのような工房にするかは、その者と相談して決めることにしよう」


「………… 正直、閣下からの御話でなければ到底信じられない、夢のような話です。これだけの支援があり、たったの五年の仕事で自分の工房が持てるとは……。

 しかし、開拓や街作りがうまくいかなければ全て徒労に終わる、ということですな」


「まぁ、そうだ。しかし開拓にはかなりの自信があるし、賭けてみる価値はあると思うぞ。どう思う? この話」


「…… 間違いなく応募する者はいると思います。ひょっとすると希望者が殺到するかもしれません」


「おぉ、そうか! あぁ、悪いが職人の数は三百名を目安にしてくれ。多少前後しても構わないが、職人の家族たちを含めるとかなりの人数になるだろうからな」


「なんと! 家族も連れていってもいいのですか? 家族分の住居と食事も保証してくださると?」


「もちろんだ。というかできれば家族で来てほしいな。そのまま定住してくれると嬉しい」


「…… では希望者は殺到するでしょう。希望者を選別するのが大変なことになりそうです」


「それは嬉しいな。あぁ、今いった条件と希望の職種を紙にまとめてみた。これを基準に選別を進めてほしい」


 そう言いながらまとめてきた紙を渡すとギルド長と職員たちは食い入るように読み始めた。


「…… 第一優先は建築、鍛冶、木工ですか。どのような物を作ることになるのでしょうか?」


「主に家具や、窓枠、扉などが多くなるだろうな。基本的に建物はこっちで用意するので、その他の物品になるだろう」


「なるほど……分かりました。このお話、お受けいたします」


「そうか! それは助かる。それでギルドにはいくら払えばいい?」


「三万ギニーでお引き受け致しましょう」


「随分と安いな。よし、五万ギニー出そう。そのかわり職人達の仕事ぶりや評判なども考慮して選抜して欲しい。もめ事を起こすような奴は入れないようにしてくれ。

 十五日間ぐらいで決めてもらえると助かる」


「承知いたしました」


 この場で金貨五枚を支払い、連絡先などを教えると職人ギルドを後にした。応募者が集まるといいけどな。


 他にイーリスより頼まれているのは本の入手だ。カトルたちの案内で本屋巡りをすることにした。


「こちらが王都でも最大手と云われているダスカー商会です」


 カトルに案内された店は大手と云われるに相応しい大きな店だ。

 店の中に入ってみると沢山の本棚が並んでいて一冊ずつ表紙が見えるように置かれている。まるで絵画を飾るように置かれていた。やはり本は高級品のようだな。


 すぐに店主らしき中年の男が近づいてきた。


「シャイニング・スターのリーダー、アラン・コリント。男爵だ」


「これはこれは! 男爵閣下。閣下のような方に御来店いただけるとは! ようこそいらっしゃいました。どのような本をお探しでしょう?」


 やっぱりこう名乗ると話が早いな。


「あぁ、特に決めてはいないんだ。一通り見せてもらってもいいかな?」


「もちろんでございます。どうぞ御覧ください」


 一通り見ていくが、本に添えられている値札はどれも信じられないほど高額だ。パラパラと内容を確認していくが、とても内容に見合ったものだとは思えない。

 この詩集と思われる本は、派手な装丁が施され価格はなんと五万五千ギニーだ。


「これらはみんな新しいものなのかな?」


「もちろんでございます。この店に置いてあるものは、全て作者より直接仕入れている新しいものです」


 うーん、今欲しいのは情報量だ。こんな本をまとめて買っていてはいくら金があっても足らないな。


「おや、この本は?」


 ベルタ王国貴族一覧というタイトルの本だ。


「そちらはこの国のお貴族様の一覧で去年作製された最新版です」


 貴族の名前とその家系図、領地のことなどが記載されている。これは買っておくべきだろうな。価格は四万五千ギニーと高いが必要なものだろう。


「これは?」


「あぁ、そちらはお隣のアロイス王国の貴族一覧になります。最近入荷したばかりのものです」


 護衛として付いてきた近衛出身の三人が興味津々の様子でのぞき込んでいる。

 あぁ、そういえば皆の故郷や家のことをすっかり忘れていたな。

 みんな自分の家がどうなったか気になるのは当然のことだ。価格は六万ギニーと高いがこの本も買いだな。


「よし、この二冊をもらおう」


 本は欲しいがこんなに立派な本は必要ない。中古の本を扱っている店もカトルに調べてもらっているので、そちらで購入することにしよう。

 二冊の本の代金十万五千ギニーを支払い店を後にした。


 カトルに次に案内してもらう店は、中古の本を扱う店で良心的な価格で評判とのことで期待できる。十分ほどでその本屋に到着した。


「それは本気で言っているのか?」


「むろん本気ですとも」


 店の前で冒険者風の男七人と商人風の格好をした男五人が何やら言い争っている。往来の邪魔だから他でやってほしい。


「失礼、ちょっとどいてもらっていいか? 店に入りたいんだが?」


「あぁ、悪いが店は閉店だ。他をあたってくれ」


 なぜか冒険者風の男がそう言ってきた。店の関係者なのだろうか。


「え、そうなのか? 今日は休み?」


「ずっと休みだ。店主が死んじまったからな」


 なんともタイミングの悪いことだ。この店に期待していただけに落胆は大きい。カトルたちとどうしようかと話していると、男たちの会話が聞こえてきた。


「本気でこの店の全部の本の査定額が二百万ギニーだと?」


「はい。厳正に査定した結果です」


「親父はこの店の本を全て売れば、三千万ギニー以上にはなると言っていた。いくらなんでも足下を見すぎだろう」


「それは売値での話でしょう? 仕入れ値としては大体二百万が適正な価格です」


「もういい、あんたたちには売らない。他をあたることにするよ」


「いろいろな所に声を掛けて今日来たのは、私共ダスカー商会だけでしょう? なぜだか分かりますか?」


「…… まさか」


「御想像の通りですよ。これだけの量を扱えるのは私共だけなので他の店には遠慮してもらいました」


「やり方が汚えぞ ……くそッ」


 なんとも興味深い会話をしている。これ以上ないタイミングで絶好の場面に遭遇したようだ。

 冒険者風の男は、故人となった店主の息子で本を処分しようとしているところって感じかな。

 それにしてもダスカー商会ってさっき行ってきた店じゃないか。古本も扱っていたとはな。



(イーリス、この本屋をスキャンしてくれ。店には何冊の本がある?)


[………… 推定で一階の店舗に五百六十二冊。倉庫と思われる二階部分に四百九十一冊です]



 合計千五十三冊か。



「失礼。少し会話が聞こえてしまったんだが、あんたはこの店の本を売ろうとしているってことで間違いないかな?」


「…… あぁ、そうだが」


「じゃあ、俺が一階と二階の本、まとめて一千万ギニーで買い取ろう」


「「一千万!」」


「おい! お前はどこの商会の者だ!? 商談に口を出さないでくれ」


「あぁ、これはすまない。じゃあ、商談を続けてくれ」


「いや、あんたたちダスカー商会との商談は終わりだ。帰ってくれ」


「ちっ! お前はどこの商会だ!? この王都でダスカー商会を敵にまわして本を売れると思っているのか?」


「本は売らないから全く困らないな。シャイニング・スターのリーダー、アラン・コリント。男爵だ」


「「え?」」


「貴族には見えないかもしれないが本当だぞ? そちらとの商談は終わったようだから話を続けようか」


 ダスカー商会の者たちは、まじまじと俺達を眺め、三人の護衛が腰に剣を佩いているのを見て本当だと思ったのか、逃げるように立ち去っていった。


「…… 本当にシャイニング・スターのリーダーなのか、いや、なのですか?」


「本当だとも。早速だが本を見せてもらっていいか?」


「…… あぁ、もちろんだ。いや、もちろんです」


 店の中に案内され一通り本を見ていく。中古の本といってもそれほど状態の悪いものはないようだ。二階の倉庫も見せてもらい、読むのに問題がないことを確認することができた。


「うん、これならば問題ないだろう。良ければさっき言った通り一千万ギニーで買い取るがどうだ?」


「…… 一千万でいい、いや、お願いします。ただし条件がある。ドラゴンを討伐した時の話を聞かせてほしい」


「えーと…… なんでだ?」


「俺たちはBランクで、『漆黒の剣』ってパーティーをやってる。いつかドラゴンを討伐してみたくてな、いや、してみたいのです」


「ふーん。ま、それが条件っていうなら仕方がないな。どっかで飲みながらでも話をしようか。あと丁寧な口調にする必要はないぞ。無理しているのがバレバレだ」


「それは、…… 助かる。俺はこのパーティーのリーダー、ハンスだ」


 ハンスに案内された酒場は三分ほど歩いた所にあり、中に入ると冒険者らしき男女がちらほらといる。冒険者御用達の店のようだ。


「おい、ハンス。昼間から酒か? お前、親父さん亡くなったばかりだろう?」


「今日は特別だ。誰を連れてきたと思う? シャイニング・スターのリーダー、アランだぞ」


「「なに!?」」


 酒場に居合わせた者たちが一斉にこちらに注目する。ハンスは急に馴れ馴れしくなったが、まぁ変に気を使われるよりこっちのほうが気が楽だ。


「さぁ、アラン。俺の奢りだ。なんでも好きな物を頼んでくれ」


「そうか。じゃ、遠慮なく」


 メニューから高そうなツマミを適当に頼んでいく。ハンスは一千万ギニーが入る予定だからか気にしないようだった。

 酒が運ばれてくると適当に乾杯をして、条件であるドラゴン討伐のことを話し始めた。



「…… ってな感じでドラゴンがガンツに、死体を運んできてくれたのさ」


「すげーな。まさか本当のことだったなんて。…… しかし、ドラゴンがそんなに賢いなんて信じられないな」


「いや、本当にドラゴンは賢いぜ。俺だってドラゴン同士が共倒れになりそうなところをやったから、運良く倒せたようなもんだ。悪いことは言わないからドラゴン討伐なんてやめておいたほうがいい」


「しかしなぁー、やっぱりドラゴン討伐は夢があるよなぁ。アランはドラゴンの素材でいくらぐらい儲けたんだ? 十億ギニーって噂だけど……」


「いや、十億はないな。七億ぐらいだ」


「「七億!」」


 今では俺たちのテーブルの周りには三十人ほどの人だかりができている。皆はエールを片手に熱心に話を聞いていた。


「ドラゴンなんかより、狙い目はオーガだと思うぞ」


「「オーガ!?」」


「あぁ、樹海の奥にはオーガがウヨウヨしてるって話だ」


「オーガってあの伝説の!?」


「伝説なんかじゃない。樹海の奥で本当にオーガを倒した奴がいる。四、五メートルぐらいの身長の奴で直径五センチぐらいの魔石がとれたって話だ」


「「五センチ!?」」


「上手く誘い出せれば、Bランクのお前たちなら余裕だろうな」


「…… 直径五センチの魔石なんていくらの値がつくんだよ」


「さぁな。ま、かなりのもんだろう」


 オーガと呼ばれる魔物が樹海の奥にウヨウヨしているというのは本当のことだ。あまり賢くはなく単独行動をしていることが多い。高いランクの冒険者にとっては格好の獲物だろう。


「…… アランは樹海の開拓に行くんだろう? 冒険者って募集してないのか?」


「あぁ、もちろん募集してるぞ」


 途端にテーブルを囲んでいる冒険者たちが話を聞こうと近づいてくる。


「もし、興味があるなら俺のパーティーのダルシムって奴に声を掛けてくれ。そいつが取り仕切ってる。ただ、樹海の奥だからな。それなりの実力を持っている奴だけを連れていこうって話になってる」


 この反応だと上手くいけば、質のいい冒険者が集まりそうだぞ。

 このあと、ダルシムの連絡先や、本の代金の支払い、受け渡しを打ち合わせて飲み会はお開きとなった。ふぅ、本を手に入れるのも一苦労だな。



 宿に戻るともう夕食の時間だった。クレリアはシャロンたちと今日発注した服のことを楽しそうに話している。


「リア、こんな本が手に入ったよ」


 クレリアに昼間手に入れたアロイス王国の貴族一覧を見せた。


「「これは!?」」


 クレリアとエルナの驚きように何事かと周りにいた者も本を覗き込む。たちまち俺たちのテーブルには人だかりができた。


「…… これは!? まさか私の家が反逆者共に与していようとは……」


 エルナの実家は貴族一覧に載っていたようだ。複雑な心境だろうな。

 一覧に載っていたということは家族が無事だったということだ。そしてそれは反逆者達の軍門に降ったということも意味している。


「すみません! アウラー家はどうなのでしょう?」

「イルクナー家を調べてもらえませんか?」


 たちまち食堂は実家の安否を問う声で一杯になった。有力な家だった者は既に知っていたようだが、そうでない者は実家の情報を全く知らなかった者も多い。


 十分ほどで全ての貴族家の状況が明らかになった。大体半分ぐらいの者の家が一覧に記載されていたようだ。


「リア様。私の家は奴らに与することを選びました。もし私をお側に置きたくないというのであれば……」


「エルナ! そのようなことは言うな。家は家、エルナはエルナだ。それにノリアン卿、マックス殿の人柄はよく知っている。領民を守るために仕方なくその選択をしたのだろう。

 皆もよく聞いてくれ。確かに貴族にとって家長殿の方針に従うことは非常に重要なことだ。

 だが、家の者が喜んで反逆者共に従っていると思うか!? 私はそうは思わない。恐らく恥辱に耐え苦渋の選択をしているのだと思う。皆と家長殿の想いは同じだ。

 それ故、実家の状況によらず皆の忠誠は疑うべくもない。そうだな!? アラン!」


 クレリアは久しぶりに姫モードに入ったようだ。


「ああ、その通りだ。領地が落ち着いたら家の人たちを呼び寄せるという手もある。なんだったら領民ごとこちらに来てもらう、って手もありだと思うぞ。俺もみんなの家の状況を調べてみよう」


「それはよい! 一刻も早く領地を立ち上げ、家の者を招き助け出す、という目標を持って行動する! 皆もそれでよいな!?」


「「ははッ」」


 そういうことになった。



更新が遅くなりまして大変申し訳ありません。言い訳しようがないほど遅くなりました。


申し訳ありませんが、随分と更新が遅くなってしまったので、その間に起こった出来事を告知させてください。


活動報告にも書かせてもらいましたが、『ラノベ好き書店員大賞2019』の文庫本第1位に選らんで頂きました!


さらに皆様が購入して頂いたおかげで、小説第3巻の刊行が決定いたしました!

本当にありがとうございます! 皆様のおかげです!

https://twitter.com/FB_twi/status/1129222842170597376


「アキバブログ」に掲載して頂きました!

http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51584334.html


あの名作『リアデイルの大地にて』のTVCMが放送されるのですが、その最後に航宙軍士官の書影が一瞬映るかもしれませんw いまからとても楽しみです!

https://twitter.com/FB_twi/status/1132504363774009344

https://twitter.com/FB_twi/status/1133934629356892161


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― 新着の感想 ―
[気になる点] めちゃくちゃ宣伝してる作者が、活動報告に詳細も書かずにweb連載中止とは、何があったのだろか? この作品だけで食べて行ける、報酬は得て無いのは予想が出来るが、連載を辞めてるのだから、…
2022/11/14 07:42 退会済み
管理
[良い点] 面白かった。
[気になる点] 「親父はこの店の本を全て売れば、三千万ギニー以上にはなると言っていた。いくらなんでも足下を見すぎだろう」 「それは売値での話でしょう? 仕入れ値としては大体二百万が適正な価格です」 「…
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