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008. 逃避行



 よし、荷物の選定もできたし、武器も手に入った。


 ナノムがクレリアの傷を見たいとのことなので見せてもらうことにする。身振り手振りで説明すると座ってもらった。


 義足をとり、布を外し、包帯を外していく。傷口には、極薄の皮膚のようなものができていた。肉が盛り上がってもう骨は見えないが、肉が透けて見えてなかなかにグロい。


(痛みはないのか?)


[傷口付近の痛覚は遮断しています]


 傷口のすぐ上の部分が義足に当たっていたのか赤く炎症を起こしている。これは布の巻き方をもっと工夫しなければならないようだ。


(どれくらいで元に戻る?)


[解りません。どれくらいのペースで栄養素、素材を摂取できるかによって大きく変わります]


 そりゃそうだ。材料がなければ肉体を作ることはできない。


[現状は体の他の部分を少しずつ分解して補っています]


(あらゆる栄養素、素材が無制限で手に入るとしたらどうだ)


[三週間です]


(足だけを優先させるとしたら、足が治るのは?)


[二週間です]


 なかなか早いな。治すとしたら足が優先だろう。



 通常、人間が過剰に食べ物を摂取したとしても、一回の食事で吸収できる栄養や物質の量は限られており、必要量以上の栄養や物質は吸収されずにそのまま体外に排出される。体が必要分以上は摂取するような作りになっていないためだ。


 しかし、ナノムが体に干渉すると摂取したほぼ全ての栄養や体に必要な物質を吸収し、体に蓄えることが可能になる。蓄えた栄養を使い、修復部分の細胞に干渉して過剰な細胞分裂をおこない、体を修復することが可能になるのだ。



(どんな食材が必要だ?)


[肉、芋もどき、無機質を含む食材、ビタミンを含む食材です]


 うーむ、なんのことやらだな。まぁ、この世界の食材をほとんど知らないからしようがない。また食材探しだな。しかしここで芋もどきが出てくるとは思わなかった。


 ん? 待てよ。足がくるぶしまで治ったら、今の義足はもう使えないじゃないか! あの悪夢の未来図がまた俺を襲う。


(新しい義足の開発はできるか?)


[現状の物資では、このようなものしかできません]


 仮想ウインドウに義足の設計図が表示される。構造は単純でサスペンションをベルトで足に固定するだけのものだ。これでは体重があまり掛けられないし、重心も良くない。常用して歩くことはできないだろう。


 しかし、用を足す間くらいは使えるだろう。最悪な状況は回避できた。

 つまり、クレリアは近い将来、治るまでの間、長く歩けなくなるということだ。


(この新しい義足の材料は確保してあるか?)


[バッグに入っています]


 よし、上等だ。


 目的地がどこか知らないが、そこに到着するまでにかかる日数によっては別に拠点を構える必要も出てきた。後でクレリアに聞いてみよう。


 とりあえず義足を戻してしまおう。包帯を巻き、布を巻く。


(クレリアの触覚にアクセスして最適な布の巻き方を考えてくれ)


 布を巻き、義足を着ける。布を巻き、義足を着ける。これを何回か試行錯誤して、やっと満足できる巻き方になった。


 次は腕のほうだ。こちらも足の状態と同じで極薄の皮膚で覆われている状態だった。特に問題はなさそうだ。


(修復は足のほうを優先させてくれ)


[了解]


 ◇◇◇◇◇


 剣技を見せてもらった後、コリント卿は剣を指差して頭を下げた。礼を言っているようだ。よかった。余計な差し出口をしたかも知れないと思っていたのだ。コリント卿のような身分の者であれば剣などいくらでも手に入れられただろうに、持ってないのは何か事情があったのではと勘ぐっていたのだ。


 次はどうやら傷を見せてくれといっているようだ。診察してくれるのだろう。私も自分の手足がどうなっているのか見たかったところだ。


 義足を外し包帯を外すと切り株のような足が出てきた。思わず涙が出そうになる。コリント卿は足を見ながら、難しい顔をしていた。あまり良くないのだろうか? やがてまた布を巻き義足を戻すのかと思ったが、何回も布を巻き治す作業をしていた。


 やがて納得したのか義足を着けると立って試してみるように指示される。


 これは素晴らしい! 先程までは足に当たるところがあって痛かったのだ。足が切断されたのだから少しくらいの痛みは当たり前だと思い我慢していたのだが、今は全然痛くない。これならばもっと思い切り体重を掛けることができそうだ。


 次は腕だ。こちらも切り株のようだ。断面をみると肉が盛り上がって薄い皮膚のようなものができている。そんなバカな! 昨日もがれた傷跡に、かさぶたどころか皮膚ができているなんて!


 コリント卿が使用したのは、ただの治癒魔法ではないということか。


 コリント卿は腕の傷をみても特に驚くことはなく、当たり前のように包帯を巻き直した。


 次に、地面を指差し地面に丸を書いた。次に道の先を指差し、その丸から線を引き線の先にバツ印を書く。書いた線の上を指で人が歩くような感じで動かし指を1本1本立てていく。


 これは、目的地ゴタニアまでの日数を聞いているのだろうか? 昨日の時点で二十日以上とのことだったので片手の5本指を立てて四回繰り返して目の前に振り立ててみる。伝わっただろうか。


 コリント卿は、そこでまた何か考え込んでしまった。なにかあるのだろうか。


 食事にするようだ。昨日と同じ金属で包まれたものを剥いて渡してくれた。やはりこの甘味は旨い! はしたないが、あっという間に食べてしまった。


 ようやく出発準備だ。見つけておいた自分の脛当と腕当を着ける。左腕と右足用のものは残念ながら捨て置くしかないだろう。


 するとそれを見たコリント卿が持っていこうとバッグに入れ始めたので、要らないものだと何度か説明したのだが、バッグにスペースを作って入れてしまった。なるべく荷物は軽くしたほうが良いのに。


 確かにミスリル製なので後で売ろうとすれば売れるだろうが、脛当と腕当単体では大した金額にならないと思うのだが。


 荷物を背負い、いよいよ出発だ。


 ◇◇◇◇◇


 いよいよ出発だ。色々と思うところはあるが、ここに留まることは危険だ。とりあえず出発しよう。


 クレリアは死んだ馬の一頭を愛おしそうに撫でていた。自分の馬だったのだろうか。

 昨夜、解体しなくて本当に良かった。


 腰には剣を差しバックパックを背負う。肩掛けバッグは頭を通して左右に、毛布はバックパックの上に乗るように工夫した。ライフルは肩掛けだ。重量的には結構なものがあるが、まだまだ余裕だ。


 クレリアは同じように腰には剣、肩掛けバッグは頭を通して左右にかける。衣料と思われる肩掛けバッグは結構パンパンだが、それほど重くはないだろう。


 よし! 道中は、ずっと棚上げになってた言語の学習をしよう。いい加減ジェスチャーにも疲れた。

 それと食材探しだ。


 自分を指差し「アラン」、クレリアを指差し「クレリア」、今度は倒れた馬車を指差しクレリアの返答を待った。「カンター」と答えた。


 馬車は「カンター」ね。記憶するのはナノムに任せよう。ある程度溜まったら後でアップデートしてもらえばいい。


 次々と指差して単語を聞いていく。クレリアには面倒だろうが、しばらく付き合ってもらうしかない。


(未調査の植物があったら赤で、食用可能なものは青でハイライト表示してくれ)


 食用可能な植物といっても知っているのは芋もどきとハーブとサラダ野菜だけだ。


 途端に景色が真っ赤に染まる。コツコツいくしかないな。食用に適する時だけ教えてくれるように頼むと、ひたすらグニグニし始めた。


 そういえば歳を聞いてなかったな。レディーに聞くのは失礼だろうか。いや多分まだ子供だし、気にしないだろう。


 自分を指差し、二本指を立ててその後、五本指に変えた。次にクレリアにふると一本指を立てた後に自分の左手を見て悲しそうな顔をした。おっと、これは失言だったな。少なくとも十五歳以上ということだろう。


 すかさず、一本指の後に両手で七を表すと勢い良く笑顔で頷いた。やはり十七歳か。見立て通りのまだまだ子供だ。


 おっと、芋もどきがあった。回収しておこう。採取用の小さめの空のバッグをキープしておいたのでその中に芋もどきを入れる。これはクレリアに必要な食材だ。多めにとっておこう。ついでにクレリアに名前を聞いておく「ポト」というらしい。


[食用に適しています]


 おっと久々にきた。出発してから2時間ほど経った頃、ひたすらグニグニしてやっとだ。茎状の植物で、白っぽい色をしている。試しにかじってみるとシャキシャキした食感で悪くないが、火を通したほうが美味そうだ。これも多めにとっておく。食べきれなかったら勿体無いが捨ててしまえばいいだけだ。


 クレリアは名前を知らないようだ。マイナーな山菜なのだろう。


 今はもう午後三時だ。出発するのが遅かったからしょうがないが、あと2時間以内に泊まるところを探さなきゃならない。


 いきなり、道に何かが飛び出してきた。見たことのある牙のあるイノシシだ。


 しかし以前に倒したイノシシより2回りくらい小さい。咄嗟にライフルを構えようとしてやめた。これはいい機会だ。剣でやってみよう。


 さっき考えた通りライフルやレーザーガンのエネルギーパックは有限だ。俺の切り札でもあるので、なるべく長持ちさせたい。


 この牙イノシシは以前やってたゲームのRPGモードで、最初に出てくるキャラにそっくりだ。練習にはうってつけだ。危なくなったらライフルで倒せばいい。


 剣を抜き構える。なんだかこの牙イノシシは、めちゃくちゃ興奮しているようだ。盛んに地面を引っ掻くような動作をしている。荷物を下ろす時間あるかな? などと考えていたら突っ込んできた。


 特に焦ることもなく、ゲームと同じにタイミングをみて脇に避け剣を振り下ろした。


 それで終わりだった。あれ、終わり? うーむ、練習になったのだろうか?


 するとさらに脇から街道に三頭の狼が出てきた。


 なるほど、どうやらこの牙イノシシは、この三頭に追われていたようだ。


 丁度いい、練習相手に困っていたところだ。


 もう狼にロックオンしてある。やばそうならライフルを向けてトリガーを引くだけだ。後ろにいるクレリアのほうにだけは行かせないように気をつけよう。


 狼たちは獲物を横取りされて頭にきているようだ。一頭が早速、襲い掛かってきた。


 助走してジャンプして飛びかかってくるが、それは悪手だ。


 さっきのイノシシと同じに脇によけて剣を振り下ろす。おお! 首が飛んだよ! この剣、よく切れるな。


 学習したのか今度は二頭同時に左右から迫ってきた。甘いな。助走してジャンプする前に左の一頭に電磁ブレードナイフを投擲する。ナイフは、狼の喉に突き刺さった。投擲術は俺が得意とするところだ。


 普通に助走してジャンプしてきた右の一頭は最初の奴と同じように頭を落とされた。ジタバタしていたナイフを投擲された狼にとどめを刺した。


 正直、拍子抜けだった。まぁ狼といっても所詮はデカい犬だ。


 クレリアは問題ないかと見てみると、なにやらポカンとした顔でこちらを見ている。ま、いいか。


 よし! 肉ゲットだ! ちょうど良かった。食料バッグには思ったほど食材は入ってなくて、特に肉類は干し肉くらいしか無かった。クレリアのために肉は是非入手しておきたいと思っていたのだ。


 さっそく、捌いてしまおう。


 ナノムが確保すべき部位を指定してきた。指示に従って捌いていく。えっ? そんなスジみたいの食べるの? ああ、そう。多めに確保しておこう。おっ、内臓もか。


 よし、野菜に肉と揃ったな。しかも調理器具もあるし、塩もある。今夜はごちそうだな!


 肉を回収して、また歩き始める。倒した狼は谷側へ落としておいた。


 しばらく行くと川が見え始めた。おお、久しぶりに見る。そうだ! 河原でキャンプなんてどうだろうか? ひょっとしたら水浴びもできるかも知れない。


 川に降りられそうだし、細い川なので水の中に何かいることも無いだろう。クレリアに身振り手振りで伝えると分かってくれたようだ。なんだか妙に嬉しそうなのは、なんでだろうか?


 川には降りられたが念のため、街道から見えない場所にまで移動する。ここら辺が良さそうだ。河原で広く開けている。流れが緩やかになっていて水浴びができそうな淀みもある。


 ゴロゴロしている石で簡単なかまどを作る。薪となるような木も集めなければ。クレリアも食器を出したりと片手ながら手伝ってくれる。


 調理器具は鍋一つとフライパン一つだけと小さいまな板のような物、調味料は塩と胡椒とハーブだけだ。種類は少ないが量だけはあるので二人であれば気にせず使えるだろう。


 ナノムの指示で肉は、バラ肉、もも肉、レバー、スジを確保してある。レバーは傷みやすいので今日のうちに使い切ろう。


 まずはレバーの血抜きをして臭みを取らなきゃな。ザルなんか無いので、川の浅瀬を石で小さく仕切って、そこに薄く切ったレバーを水に晒しておく。しばらく放置だ。


 川から戻ってくるとクレリアが火を起こしてくれていた。よく気が利く子だ。


 スジは時間があれば煮込むのが一番だけど、時間がないから焼肉だ。硬かったら食べにくいので小さめに細長く切っておこう。


 メイン料理はバラ肉ともも肉の肉野菜炒めだ。野菜は芋モドキいや、ポトと茎状の植物だ。野菜には土が付いているので川に洗いに行く。


 おい、川になんかいるぞ! すかさずナイフを投げる。


 くそ! レバーの血抜きをしていた仕切りを壊してサーモンのような魚がバチャバチャとレバーを食べていた。レバーが流れたものもあったのか、元の半分くらいしかない。


 まぁいい。正直、レバーが大量にあってどうしようと思ってたし、肉ばかりで何か他のものが欲しかったところだ。ナイフを引き抜き、刺さっていたところに指を突っ込む。


[食用に適しています]


 こいつにはクレリアの血肉になってもらおう。


 野菜を洗うついでに、このでかいサーモンも三枚におろしてしまおう。


(生で食べられるか?)


[可能です]


 これはいい! 食料バッグにカチカチのパンが入っていたので、薄く切ってサーモンのカナッペを作ろう。あとは、サーモンの塩焼きだな。凄く脂がのっているので美味そうだ。


 前菜はサーモンのカナッペとレバー焼き、すじの焼肉、メインはサーモンの塩焼きと肉野菜炒めって感じかな。結構なボリュームだ。


 調理器具が鍋とフライパンしかないし、皿もそんなにないので、一品作っては食べ、一品作っては食べという風になってしまう。


 まずは、サーモンのカナッペだ。カチカチのパンを薄く切って、そこに塩とハーブで味付けした薄く切ったサーモンを載せる。それを一枚しかない木の大皿に乗せていく。


 ハーブはよく見ると複数のハーブが混ぜてあるようで、なかなか複雑な香りと風味がある。万能調味料的なものだろうか。


 ある程度できたので、食べようとクレリアに促す。クレリアはさっきから皿に目が釘付けだ。


 食べてみると、うん 旨い。本当はチーズでも合わせて載せたいと考えていたが、脂ののりきったサーモンのせいで濃厚な味わいになっていて、その必要を感じさせない。またカチカチのパンのカリッという食感がアクセントになっていて、なかなか旨い。


 クレリアも物凄い勢いで食べている。気に入ってもらえて良かった。


 次は焼きレバーだ。鍋の中で塩と胡椒とハーブで下味をつける。臭みがあるので、ちょっとハーブを多めにした。これを熱したフライパンで焼いていく。十分薄く切ってあるので、両面をさっと焼くだけでいい。焼きすぎると身が固くなり縮んでしまうので絶妙な焼き加減が必要だ。


 これも大皿に載せていく。すべて焼きあがったのでクレリアと食べてみる。うん、これも旨い。


 若干の臭みは残っているが、柔らかくレバー特有の濃厚な味わいが口の中に広がる。やっぱり焼き加減がポイントだな。


 クレリアもパクパク食べている。これはどちらかというとクレリア用メニューなので、大いに食べてもらいたい。


 次のスジの焼肉は、あえて味付けにハーブを使わなかった。肉の旨味があるし同じ味が続くとさすがに飽きる。


 焼き上がって食べてみると、これも旨い。やはり若干のクセはあるが、コリコリとした食感で噛めば噛むほどに味が出る感じだ。


 クレリアは、これも気に入ったようだ。なんか、さっきから食べっぱなしだけど最後まで食べられるかな? 多分、俺の倍は食べている気がするけど?


 次はメインの一品、サーモンの塩焼きだ。これもあえて塩だけの味付けだ。クレリアもまだいけるようだし、多めに切り分けよう。


 ここは焼き方にこだわりたい。鱗はちゃんと取ってあるので皮を美味しく頂くのが俺流だ。まず、皮から焼き、できれば軽く焦げ目を付けてパリパリになるまで焼いたら身を焼いていく。これまた焼き過ぎは厳禁だ。


 うむ、いい感じの焼き加減だ。やはり俺は身より皮のほうが好きだな。クレリアも気に入ったようであっという間に完食だ。


 最後は肉野菜炒めだ。小さい芋のようなポトは半分に、茎状のクキは斜めに切ってみた。火の通りにくいポトを始めに焼いていく。火が通ったら、薄く切ったバラ肉、モモ肉を焼いていく。クキは食感を残したいので最後だ。味付けは塩と胡椒、軽くハーブを入れる。やはり手早く仕上げるのがいいだろう。


 焼きあがったものを食べてみる。旨い! まず感じるのはバラ肉から溶け出した肉の脂の旨さ、もも肉も旨い。しかし何といっても野菜のホクホク、シャキシャキした食感だろう。やっぱり人間、肉だけじゃダメだと思わせる一品だった。


 肉野菜炒めも結構な量を作ったが完食だ。クレリアも満足したようだ。


(クレリアが物凄い量を食べていたが大丈夫なのか?)


[問題ありません。今日のノルマはクリアしました]


 なるほど、やはりか。恐らくナノムが足を修復しているために体内の物資が不足し、それに体が反応してクレリアが空腹になるように働きかけているのだろう。いや、ナノムもそれを大いに手伝っているに違いない。

 そうでなければ、この食欲は異常だ。


 どうしたものか。もちろんナノムに修復を止めさせることはできる。しかしそれでは本末転倒だ。


 旅をしながら、これだけの食事を用意することはできない。今日はたまたまだ。元々、義足で旅を続けることにも無理があった。いくら歩きやすい義足があっても、五体満足な体でさえ危険な旅路だ。可能であれば修復を優先してリスクを減らすべきだろう。


 そう考えると方針は決まった。どこか川の近くに拠点を探して少なくとも足が治るまでは静養しよう。遅れている言語習得も進めたい。


 さて、どうやってクレリアに伝えればいいのか。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] よく良く考えると、足と手を治すのならば、手では無いか?と思う義足がある足に対して、手には義手が無いのだから。 片手しか無ければ、身体を全身を洗う事が物理的に不可能だからね。例えば、右…
2022/11/17 13:01 退会済み
管理
[良い点] 調理描写が飯テロ クレリア嬢ほ食べっぷりも相まって、 2倍腹が減ります (*´ω`*) [一言] 主人公」性格が好みです。
[良い点] だめだ、お腹空いてきた!美味しそうな描写がたまりません!戦闘シーンも良かったがどうしても料理が印象に残ってしまいます(笑) [一言] クレリアさんの傷も早く治りそうだし、次が楽しみです
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