074. 解体と素材2
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朝食を食べた後に、パーティーの皆と今日もドラゴンの解体の様子を確認しに行った。ちなみに今日もクランは休みだ。資金には余裕があるし、叙勲の可能性も出てきた今、無理に活動をする必要もない。
いや、午後からは出掛ける旨は伝えてあるので、今日は午前中は休みということかな。
正門をくぐり解体現場に近づくと未だに沢山の人だかりが出来ていた。しかし昨日程ではなくドラゴンの所まで近づくのは容易だった。クランの者もかなりの人数が見に来ていた。
ドラゴンはすっかり骨だけの状態になっていた。凄いな、さすがに夜を徹して作業しているだけの事はある。まるで恐竜の骨格標本のような姿だ。
警備している[疾風]のメンバーに挨拶するとロープ柵をくぐった。既に俺の顔は覚えられているようだ。
「おはようございます、カリナさん」
「おはようございます、アラン様」
「凄いですね。一気に解体が進んだので驚きました」
「肉は鮮度が命なので職人を増員して急がせました。肉を扱える職人は沢山いますからね。後は骨を一本ずつ外して運び込むだけです。予定していたより早く終わりそうです」
「そうですね。商業ギルドの、いえカリナさんの段取りの良さには驚きました。流石です」
「いえ、そのようなことは…」
カリナさんは照れたように笑顔をみせる。
解体の様子を暫く見ていたが、慎重に骨をばらしていく作業は、とても地味ですぐに飽きてしまった。俺はもう十分かな。
いずれにせよ解体の様子は、直掩機のドローンに上空から記録させてある。必要であれば後でいくらでも見ることが出来る。
「カリナさん、革製品の加工をするような工房を紹介してもらえませんか? 作りたいものがあるんです」
「そうですか。では、これから一緒に行きましょうか? もうあまり監督する必要もないので一度ギルドに戻ろうと思っていたところです」
「それは有り難いですね! 良ければお願いします」
パーティーの皆ももう見学は十分なようで一緒に工房に向かう事になった。
「アラン様が作りたい物というのはなんでしょう?」
「それは…… これです」
ウエストバッグから、丸めてあった十枚の設計図と完成イメージを書いたラフスケッチを取り出すと、カリナさんに見せた。
「これは!?」
完成イメージを見てカリナさんが驚きの声を上げる。それを見たパーティーメンバーも覗き込んだ。
「アラン! これは!?」
完成イメージはグローリアが背中に鞍のようなものを付け、人を乗せて空を飛ぶ姿だ。人が乗る鞍は六つ付いていて六人の人間が乗ることが出来るようになっている。
勿論、イーリスの設計によるもので強度の計算も完璧だ。当然、羽ばたくのに邪魔にならないようになっている。
イーリスから確認をとってもらい、グローリアも装着することを承諾している。グローリアは俺と共に空を飛ぶことを喜んでいるとのことだった。
「グローリアに付けてもらおうと思っているんだ。空を飛べたら凄いだろう?」
「凄いわ! アラン! ……でもグローリアは付けてくれるかしら?」
「きっと大丈夫だよ。もし嫌がるようならやめるさ」
当初は通信機を持ってもらうためのブレスレットのような物を考えていたが、どうせ作るならと思い設計したものだ。緊急時に六人とはいえ空を飛んで移動できる手段があるのはとても便利だろう。
「これは素晴らしいものですね! アラン様。しかし、これ程のものとなると……。工房の行き先を変えます」
カリナさんはそう言うと方向を変えて歩き出した。考えていた革製品と違ったらしい。
十分程で工房に着いた。かなり大きな工房で十人ほどの職人達が作業している。馬の鞍がいくつも置いてあるので馬具を作っている工房かもしれないな。
「こんにちは、親方」
「おぉ! カリナ様。お久しぶりです」
「親方、作ってもらいたい物があるという人をお連れしました。こちらはシャイニングスターのアラン様です」
「シャイニングスター!? あのドラゴンを討伐したっていう!?」
「えぇ、そうです。アラン様、こちらはこの工房の親方のドーハさんです」
「アランです。よろしくお願いします」
「おぉ! こちらこそよろしくお願いします! アラン様」
「早速ですが作ってもらいたいというのはこれです」
「……おぉ! これは!? ……ドラゴンの鞍ですか?」
親方は完成イメージを見て驚きの声を上げると設計図を次々とめくり確認していく。
設計図には各パーツの寸法は勿論、材質、縫製の仕方なども細かく指示してある。恐らく問題はないはずだ。
鞍だけではなく、通信機を装備するだけの機能を持ったベルトのようなネックレスの設計図も、別に用意してある。
「そうです。出来そうですか?」
「これだけの図面があるんですから勿論できます。いえ、やらせてください! 必ずや満足のいく物を作ってみせます!」
「費用と日数はどれくらいでしょう?」
「四万、いえ三万ギニーで。日数は……四日、いえ三日で作ってみせます」
随分と早く出来るんだな。費用も思っていたよりも安い。
「分かりました。ではお願いします」
「それで、あの…… 鞍を付ける時には私も立ち会いたいんですが……」
グローリアに会いたいということか。特に問題はないか。
「ええ、いいですよ。お願いします」
「おぉ、素晴らしい! では三日後の午後に。よーし、全員、今やっている作業をやめろ! すぐにこれを作るぞ!」
親方は挨拶もそこそこに職人達に指示を出し始めた。すごいやる気だけど、それだけグローリアに会いたいということだろうか。邪魔になりそうなので俺達は工房を後にした。
「アラン様、私も鞍を付ける時には同席したいのですがいいでしょうか?」
「勿論、構いませんよ」
「ありがとうございます! よければこれからギルドの冷凍の魔導設備を見にいきませんか?」
あぁ、商業ギルドの冷凍保管庫を見せてもらう約束をすっかり忘れていた。
「それはいいですね! よければお願いします」
パーティーのみんなも興味があるとの事で一緒に商業ギルドに向かった。冷凍保管庫はギルドの裏にある搬入口の近くの地下にあるようだ。
二人のギルド職員が警備している大きな分厚い扉を開け、ひんやりと涼しい室内に入った。更に奥に大きなスライド式の扉がある。あの先が保管庫ということだろう。魔法陣が見える位置にあるといいんだけど。
「ここが冷凍の魔導設備です。この奥の扉が保管庫です」
「ほう! ここに魔石を設置するんですね?」
スライド扉の横にオークの魔石と思われるものが十個程収まっていた。冷蔵の出力を調節するものと思われるレバーも付いている。どれくらいの運用コストがかかるんだろう?
「そうです。さすがですね、アラン様」
「魔石の消費量はどれくらいなんでしょう?」
「そうですね…… これはオークの魔石ですが最低の設定でも二日で一つは消費しますね」
二日で一つ!? かなりの消費量だな。魔石が一個六百ギニーとしても一日で三百ギニーか。保管庫の広さにもよるが、個人での運用はできないぐらいのコストだ。
「では、中に入ってみましょう」
カリナさんは扉脇に置いてあった光の魔道具を手に取ると、これまた分厚いスライド式の扉をゆっくりと開けていった。一メートル程開けると全員で中に入りすぐに扉を閉めた。
「冷気が逃げてしまいますからね。こちらがドラゴンの素材です」
カリナさんはそういうと荷が積み上げられている一角を照らした。保管庫の室内は一辺が十メートルの立方体のようで、そのうちの七割ぐらいが荷で埋まっていた。
「ここに入りきらなかった分は冒険者ギルドの同様な設備に入れてあります」
素材の保管状態も気になるが、今は魔法陣を探すほうが優先だ。カリナさんに光の魔道具を借りて室内を照らすが魔法陣や魔導出力石らしきものはない。しかしこの冷気は一体どこから?
「お、あった」
天井にびっしりと魔法陣が描かれていた。魔導出力石も等間隔に並んでいる。全部で百個近くはあるだろう。
なるほど冷気は下へと向かうらしいから天井に描くのは理に適っているように思えた。しかし描くのは大変だろうな。
思ったより保管庫の構造は単純なようだ。ズームして見てみたが描いてある魔法陣はどれも同じなので冷凍の魔法陣で間違いないだろう。
おっとあそこに書いてあるのはウインドの魔法陣だな。軽く風を起こして冷気を循環させているようだ。
魔法陣も記録したから描くことができるし、これなら作ろうと思えば作れるな。
「肉はどうやって保存しているんですか? 冷凍することによって駄目になりそうですけど」
「よく御存知ですね。肉などの素材は全てスライムから作った包みにくるんでいるので大丈夫ですよ」
スライム? どこかで聞いた名前だ。あぁ、物を混ぜる魔道具を作った時に使ったパッキンもスライムから作られていた。恐らくビニールの袋のような効果があるものだろう。保管状態は問題ないようだ。
魔物全集によるとスライムは湖や沼地にしか生息していないとのことだった。狩りにいくのは難しいかもしれないな。
魔法陣も見ることが出来たし、素材の保管も問題がないことが確認できたのでカリナさんに礼を言って商業ギルドを後にした。
「さて、少し早いけど何処かで昼食にしようか」
「私、クランの人に魚料理が美味しいってお店の場所を教えてもらいました」
「へー、それはいいな。じゃ今日はそこにしよう。シャロン、案内してくれ」
「はい!」
店は結構繁盛している店でやはり皆が食べているのは魚料理だ。店全体がいい香りで包まれている。早速注文した。
出てきたのは魚の煮付けのような料理だ。干物の魚の煮込みのようだ。丁寧に骨がとってあり身も大ぶりでとても美味そうだ。
「おぉ、これはハーブが効いていて美味いな! いい出汁も出てる。シャロン、お手柄だな」
シャロンは嬉しそうに微笑みながら食べている。他のみんなにも好評のようだった。二十ギニーと少し高めだがこの味なら来る価値はある。
食事を終えてホームに戻ると既に皆が広場で待機していた。勿論、グローリアに会いにいくためだ。盗賊達を護送してきたA隊の四十名近くの者はグローリアに会っていないし、グローリアは随分と一族というものを重要視しているようなので出来るだけ早く会わせてやりたい。
「あにき!」
俺の姿を見たエラが駆け寄ってきた。エラとテオもグローリアに会わせる事にして、予め今日の午後の仕事を免除するように頼んであった。エラにドラゴンを見せると約束したこともあるが、二人は俺の知る限り随分と長い間ホームの敷地から出ていないし、たまには息抜きも必要だろう。
「あに、いやアラン様、ありがとう。俺まで誘ってくれて」
「なに、いいさ。テオも仕事ばかりじゃつまらないだろ? じゃ、みんな出発しようか」
「「はい!」」
歩き始めて気づいたが、エラは歩くのが遅い。勿論本人のせいじゃなく単に幼いだけだ。いつものようにテオに手を引かれて歩いているが大変そうだ。
「エラ、肩車してやろうか?」
「うん!」
ひょいと持ち上げるとエラを肩車した。よし、これでいいな。テオが羨ましそうな顔をして見ているが勿論無視だ。
「すごい! 高いよ、あにき!」
「そうか、良かったな」
正門をくぐり樹海のほうへと向かった。ここにグローリアを呼んでも問題ないとは思うが出来るだけ騒ぎは起こしたくない。
二十分程歩くと樹海が始まる所まで来た。予めイーリスにいい感じで到着するように頼んである。あぁ、丁度いいタイミングだ。
「やってきたぞ」
「「おぉ!」」
「「これがドラゴン!」」
グローリアはかなりのスピードで飛んでくると空中で急制動をかけ、ゆっくりと降下し俺達の前十メートルの所にふんわりと着地した。イーリスがグローリアの前に姿を現す。
「グローリア、お疲れ様。悪いな、わざわざ来てもらって」
グローリアはガウガウと何事かを喋り始めた。
「いえ、一族の皆に会えて嬉しいと言っています」
「そうか、では先に紹介を済ませてしまおう。グローリアに挨拶をしていない者は前に出てきてくれ。順に名乗ってもらおう」
A隊の四十数名が順に名乗り、グローリアも挨拶を返す一連の紹介がおこなわれていった。
「おい、テオ。お前もだ」
「えぇ!? あにき、俺も? …… グ、グローリア様。テオです。よろしくお願いします!」
テオにしては上出来な挨拶だ。エラにも挨拶を促した。
「エラです。グローリア様、よろしく」
エラのほうが落ち着いていてしっかりとした挨拶だった。キラキラとした目でグローリアを見つめている。
「よし、これで全員の紹介が済んだな。グローリア、一族の者はこれで全員だ。これからよろしく頼む」
グローリアは空を見上げると恒例となった喜びの咆哮をあげた。
そのあとエラに向かって頭を近づけるとしげしげと眺め始め、何事かガウガウと喋り始めた。
「こんなに小さな人間は初めて見たと言っています」
「あぁ、エラは人間の子供だ。まだ小さいだろう?」
「艦長の子供かと訊いています」
「まさか! 俺の子供じゃないよ。俺はまだ結婚もしていないんだからな」
また何事かガウガウと喋り始めた。
「子供を狩りに連れていって問題ないのかと心配しているようです」
「ん? 狩りには連れていかないけど?」
「艦長、どうやらグローリアはこれから狩りに行くと思い込んでいたようです。すみません。私がちゃんと説明していませんでした」
あぁ、そうか。ガンツの近くではなくここまで出向いてきたので樹海に行くと思ったのか。テオ達がいなければ急遽狩りにいくというのもありだったけどな。
「グローリア、今日は狩りには行かないんだ」
そう言うとグローリアは首をうなだれてしまった。あぁ、そんなに楽しみにしていたのか。きっと一族の者と行動出来る事が嬉しかったんだろうな。
「アラン、グローリアは何と言っているの?」
「どうやらこれから一緒に狩りに行くと思っていたみたいなんだ。ちゃんと説明してなかった俺が悪かった」
「そう。アラン、狩りにいきましょう! なんだかグローリアがかわいそう」
「しかし……。よし、そうだな。じゃあ軽く行ってみるか。皆もグローリアがどんな戦い方をするか一度見ておいたほうがいいだろう」
「「おぉ!」」
この人数がいて、さらにグローリアがいれば万が一にもテオ達に危険は無いだろう。都合がいい事にここから一時間ぐらい歩いた所に小さなオークの集落のようなものが二日前に発見されている。例の小屋みたいなものは二、三しかないから恐らく集落が出来始めたところなのだろう。
オークは三十五匹ぐらいしかいないので物足りないが、この時間から出掛けるには丁度いいとも言える。
「グローリア、やっぱり狩りに行こう。近くのオークの集落を襲うぞ」
グローリアは頭を上げると嬉しそうに咆哮をあげた。イーリスにグローリアへの説明を頼むと早速樹海の中に入っていった。
「テオ、エラ。悪いな。狩りに付き合わせるつもりは無かったんだけどな」
「いいさ、あにき。俺はいつか冒険者になるんだ。冒険者の狩りが見れるなんて最高だぜ」
うーん、グローリアのあの張り切りようからすると冒険者の狩りを見る事が出来るとは思えないけどな。
俺に肩車されているエラは楽しそうで全然気にしていないようだった。
オークの集落までの道のりは順調で一時間とかからずに集落の近くに到着することができた。
ハンドサインを使って無言で気づかれないように集落に近づいていく。人数が多いので時間が掛かったが十分程で集落のすぐ近くまで気づかれずに近づく事ができた。
よし、攻撃に取り掛かろう。
(イーリス、グローリアに攻撃開始を伝えてくれ)
[了解]
ドローンの映像ではグローリアはかなり上空で待機していた。攻撃開始が伝えられたようでくるりと身を翻すとそのまま急降下していく。地上まで百五十メートルを切ったところでファイヤーグレネードを放った。
あの魔力量は!? ただのグレネードじゃないぞ。まずい!
「全員、伏せろ!」
慌ててみんなが地面に身を投げ出し伏せる。グローリアが放ったグレネードは集落の真ん中に着弾し物凄い爆発を起こした。
「攻撃開始!」
すぐに立ち上がりそう言ったが、俺達に何か出来ることがあるとは思えなかった。グローリアは爆発の跡地にかなりの勢いで着地すると爆発に巻き込まれなかったオークに向かって尻尾を叩きつける。五匹程のオークが派手に吹き飛んでいった。
グローリアは羽ばたきながら凄い速度で走ると呆然としているオークを掴み上げ、次々と地面に叩きつけていく。尻尾を振り回す攻撃と叩きつけ攻撃を二回繰り返すと動いているオークはいなくなった。
やっぱりこうなったか。半ば予想していた通りだ。
グレネードの着弾から十秒もかからずに全てが終わっていた。これは正に虐殺という言葉が相応しいだろう。
クランの皆は呆然としている。
「よし、行こう」
グローリアは俺達が近づくと得意げにしているようだった。仕草でだいぶグローリアの感情が読み取れるようになったな。
「グローリア、お疲れ様。凄い攻撃だったな。俺達は何もすることが無かったよ」
褒められてグローリアは嬉しそうだ。
「ただ、次からは魔石が採れるようにしてもらえると嬉しいな。俺達は魔石を集めているんだ」
勿論、グローリアがグレネードを使った事は責められない。予め言っておかなかった俺のミスだ。グローリアは分かったというように返事をした。
「凄いわ! グローリア。さすがドラゴンね!」
クレリアに褒められてグローリアはさらに嬉しそうだ。
「よし、魔石と討伐部位を回収しよう」
さすがに百人以上もいるのであっという間に回収作業は終わった。三十個の魔石と討伐部位で予想以上の数だ。これだけ回収できれば十分だな。
グローリアがガウガウと何事かを喋り始めた。
「肉は食べないのかと訊いています」
「あぁ、俺達は食べないな。…… もし食べるなら食べていいよ」
そういうとグローリアは魔石を取り終わったオークをおもむろに掴むとボリボリとかじり始めた。
「…… オークはあんまり美味そうじゃないけどな」
「アラン、北のほうの国ではオークを食べるそうですよ。それほど不味くはないそうです」
「えぇ!? そうなのか? まぁ、豚顔だしビッグボアみたいな味なのかなぁ」
「アラン様、私は一度だけですが食べた事がありますよ。私の村じゃ昔は普通に食べていたそうです。脂がのっているものは、まぁまぁ美味いですよ」
そう答えたのは辺境伯軍のヴァルターだ。
「そうなのか……。食わず嫌いなのかもしれないが俺は食べたくはないな。まぁ、食うものに困ったら食べてみよう」
人型のものを食べるのはどうしても抵抗がある。グローリアが両手に一匹ずつオークを掴んで食べているのを見るのもちょっとショックだ。食文化が違うのでどうしようもないが機会があったら食べてみるか。
グローリアは四匹のオークを食べて満足したようだ。
「よし、撤収しよう」
一時間掛けてさっきグローリアに会った場所に戻ってくるとグローリアがまた舞い降りた。
「グローリア、三日後にまた会おう」
イーリスが説明していたのかグローリアは納得したように一声上げて飛び立ち住処へと戻っていった。
「アラン様、グローリア殿の攻撃は凄かったですね」
「あぁ、そうだな。爆裂魔法の奇襲、地上ではあの移動速度、そして尻尾による攻撃だ。あれでは大抵の魔物は敵わないだろうな」
「さすがドラゴンといったところでしょう」
ダルシム副官は、よほどグローリアの攻撃が衝撃的だったのか考え込んでいる。
程なくガンツに着き、魔石の換金などは任せてホームに戻った。
「あにき、今日はありがとう! 凄く楽しかった!」
エラとテオは大満足の様子で仕事に戻っていった。
当然、夕食時もグローリアの話題で持ちきりだった。
皆は騎士や軍人らしくグローリアを戦術に組み込んだ攻撃作戦を熱く語っている。その話題には興味はあったが、ダルシム副官を中心に活発な意見が飛び交っているところに俺がしゃしゃり出るのも何なので会話には加わらないでいた。
クレリアに以前から気になっていた事を訊いてみる。
「リア、俺は貴族に対する挨拶の仕方とか知らないんだけど何か作法とかあるのかな?」
「もちろん。あぁ、そういえばアランは貴族だけじゃなく王に会う可能性も高いでしょう。エルナ、これは不味いわ。急いでアランに作法を教えなければ」
「そうですね。気づきませんでした」
「いや、普通の挨拶の仕方を教えてくれればいいんだけど」
「アラン、作法はそんな簡単に身につくものではないわ。今のうちから練習しておかないと恥をかくことになるわ」
「そういうもんか。じゃあ食後にでも教えてもらおう」
急遽、クレリアとエルナによる作法講習が行われる事になった。
元王族と貴族による作法講習なんて考えてみれば贅沢な話なのかもしれないな。しっかり教えてもらおう。
更新が遅くなりまして申し訳ありません。
m(_ _)m
今回はいつもにも増して遅くなってしまいました。仕事が忙しいだけですが皆様には心配を掛けているようで申し訳ありません。
いくら何でもこのペースでは遅すぎると思いますので、今後は週一回の更新を目指していきたいと思っています。
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