058. クランの準備
誤字、脱字、御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。
商業ギルドに着き、さっそく中に入ってみた。
中の施設の作りは冒険者ギルドと同じように感じたが、当然のことながらギルドにいる人は、商人とそのお付の人と思われる人ばかりだ。
ギルド内の左右の壁にはびっしりと紙が貼られている。皆、貼られた紙を真剣な顔で眺めている。
右側の壁の一番上には「売り」という大きな看板があり左側の壁には「買い」という看板がある。売買をするための掲示板のようだ。
特に売買には興味がないので、正面に幾つかある受付に向かった。
「御用件をどうぞ」
「ギルドに登録をしにきました」
「他のギルドでの登録はありますか?」
「はい、冒険者ギルドと魔術ギルドです」
「ギルド証を見せてください」
言われるままに、ギルド証を提出した。
「アラン… アラン様ですね、少しお待ち下さい」
そういうと受付職員は俺のギルド証を持ってギルドの奥のほうへ行ってしまった。
「どうしたんだろうな?」
「「さぁ?」」
しばらくすると、受付職員が戻ってきた。職員の後ろにはカリナさんがついて歩いてくる。なんでだろう?
「アラン様、さっそく登録にきてくれたのですね」
「ええ。… なんでカリナさんがここに?」
「例の改修の件でちょっと。あなた、ここはもういいから」
カリナさんは受付職員にそう言うと受付の席にすわり、職員は何処かに行ってしまった。
「カリナさんは商業ギルドの人だったんですね」
「いえ、違いますよ? でも、私が登録の手続きをします」
なるほど……、サイラスさんの公私混同は半端じゃないようだ。カリナさんは台帳にいろいろと何やら書き込んでいる。
「アラン様、すいませんが三分程お待ち下さい」
そう言うとまたギルドの奥に行ってしまった。カリナさんは言葉通り三分ほどで戻ってきた。魔道具でギルド証を作ってきたのだろう。
「お待たせしました。こちらがギルドの規約、こちらがギルド証になります。」
そう言いながら二枚のギルド証と紙を渡された。
お、規約を紙で貰えるのは後で読めるから有り難い。ギルド証のほうは一枚は勿論、冒険者と魔術ギルドのもので、もう一枚が商業ギルドのギルド証だった。
見てみると記載されていた項目は冒険者のものと大差ないが、商業ギルド、Aランクとなっていた。
「あの、商業ギルドにもランクってあるんですか?」
「勿論です。ランクはある意味、商人の信用度と考えてもらっていいと思います。今までの取引の実績などによって決められます。例えば、そこそこの金額の取引であれば、Cランク以上であれば騙されたりせずに問題なく取引出来るというのが、取引前に判るようになっているんです」
「それは便利ですね。私は実績はありませんが…。Aランクですか?」
「アラン様は裕福ですし、アリスタ様をお救いしたという実績があります。なによりサイラス様はAランク以上の方でないと直接取引なさいません」
サイラスさんと取引するためにAランクにしてもらったという事か。
「分りました。有り難うございます。あの、登録費用とかは?」
「通常であれば五百ギニーですが、もちろんアラン様の場合は費用は頂きません」
公私混同ぶりが甚だしい。やりたい放題だ。
「アラン様、この後の御予定は?」
「特にありませんけど?」
「では、鍛冶の工房に行きませんか? なるべく早く御案内するように言われているのです」
「あぁ、それは私も有り難いですね。よければお願いします」
パーティーの皆も工房を見たがったので、全員で連れて行ってもらう事にした。ギルドの裏に停めてあった馬車に乗って工房に向かい、五分ぐらいで到着した。
カリナさんの後ろについて工房に入っていくと鍛冶工房らしくハンマーを叩く騒音と熱気に包まれた。
「親方!」
「ここはうるせーから、外に出よう」
親方らしき人に促され、工房から外に出た。
「アラン様、こちらが工房の親方のヨルダンさんです」
「ヨルダンだ。宜しくたのむぜ」
「アランです。こちらこそ宜しく」
「サイラス様から、あんたから依頼されたものを最優先で作れって言われているんだ。それでどんな物を作ればいいんだ?」
「あぁ、いま紙に資料をまとめているところなんです。えーと、明日にでも一部は持ってこれると思います」
「紙に書いてくれるのは助かるな。じゃ、明日を待つしかないか…」
「よければ工房を見せてもらえないですか? いろいろと参考にしたいので」
「ああ、もちろんだ。好きなだけ見てってくれ」
そう言うとヨルダンさんは工房に入っていった。
「作業中止! 休憩だ!」
ヨルダンさんの大声で三十人近くいる工房の職人達が一斉に手を止め、普通に話せるようになった。
もちろん既にイーリスのモニターを許可している。ヨルダンさんとゆっくりと工房を見て廻った。
[艦長、銅板を扱っているか確認してください]
「ヨルダンさん、銅の板を扱うことは出来ますか?」
「銅? あぁ、もちろんだ。銅板はよく使う。鉄なんかより全然扱いやすいからな。銅を扱えない鍛冶屋はいないはずだぜ」
「そうですか。これは何を作っているのですか?」
ある職人の前を通りがかった時に、細めの鎖のようなものを作っているのが見えた。
「あぁ、これは鉱山から依頼された奴隷用の鎖だな」
ほう、興味深い。盗賊狩りに使えるかもしれない。
「これはどのように仕上がるのですか?」
「あぁ、こっちに完成品がある」
見せてもらった完成品は手錠のようなものだった。手首を拘束する輪っかはボルトで止める仕組みのようだ。手錠にしては鎖が長く五十センチはあるようだ。
「これは手で回せないのですか?」
ボルトを指さして聞いてみた。
「もちろんだ。回せたら意味がないだろう? 専用の工具でないと固くて回せないように作ってある」
これは使えそうだな。
「これを幾つか別の鎖で繋げたものを作れますか?」
「あぁ、奴隷を歩かせる時に使うものだろう? それならこっちにある」
俺が考えつくようなものは既に作ってあるか。
見せてもらったものは正に俺がイメージしていたものそのものだ。手錠を一メートル間隔で十個数珠つなぎしたもので、まさに俺が使おうと思っていた使用目的のために作られたものだ。
「これはいいですね。これと同じものを作ってもらうことはできますか?」
使用目的を察したカリナさんは納得顔だ。
「いくつだ?」
「十個です。あぁ、専用工具は五つは欲しいですね」
多めに手に入れておこう。後で足りなくなるよりいいだろう。
「こいつの納品は一月後だから十個ならすぐに売ってやれるな。工具もな。足りない分は一月後までに作ればいい」
「それは有り難いですね。全部でいくらでしょうか?」
「この拘束具が一つ千ギニー、工具が一つ百ギニーだ。だから一万五百ギニーだな」
「ここで支払っても? … では、これを」
てっきりサイラスさんが間に入っていると思ったが、そうでもないようだ。金貨一枚と銀貨五枚を手渡した。
「重いので宿まで馬車で運びましょう」とカリナ。
「ありがとうございます。助かります」
(イーリス、工房の見学は十分かな?)
[はい、問題ありません]
「では、ヨルダンさん。明日、資料を持ってきます」
「わかった。宜しく頼む」
購入した拘束具を馬車に積み込み工房を後にした。
「すいません、カリナさん。お忙しいのに送らせてしまって」
「いえ、私も出来るだけアラン様のお手伝いをするように言われていますので。他になにか御用はありますか?」
「ああ、それでは御言葉に甘えて。酒の研究をしたいので出来るだけ多くの種類の酒を味見してみたいのですが、酒を売っているところはありますか?」
「もちろんです。案内しましょう」
カリナさんに案内されて酒を扱っている商店で十五種類ぐらいの酒を手に入れることができた。これだけの量は馬車でないと運べないので助かった。
宿に拘束具と酒を手分けして運び込んだ。
皆は、トルコさんに作ってもらう家具の相談をこれから部屋に集まってやるらしい。ナノムに手伝ってもらえば、問題なく出来るだろう。
俺もこれから部屋にこもって、魔道具の設計をしよう。魔道具の筐体はトルコさんに作ってもらわなければならないので、今日中に書いておきたい。
(イーリス、冷蔵の魔道具を作りたい。実用性、コストを考慮して設計してみてくれ)
[こんな感じではどうですか?]
仮想ウインドウ上に魔道具の完成されたイメージと設計図、使用する魔法陣が表示される。
ほう、筐体に断熱材をつけることによって、バースが使っていたものより保冷性を高めてあるのか。省エネになりそうだ。
野菜室もついていて使い勝手は良さそうだ。
(あぁ、そういえば冷凍の機能を付けたいな。魔法陣を組み合わせて出来ないだろうか?)
[無理です。使用できる魔法陣の機能が少なすぎます]
(やはりそうか。まだ魔法陣の意味の解析は出来ないのか?)
[サンプルが少なすぎます。数でいえば既知の三倍は種類が欲しいところです]
(なるほど… 確かにそうかもな。では、このタイプを採用だ。各パーツの寸法図を表示してくれ)
職人に発注するためのパーツの仕様を紙に書き写していく。
その後、購入したワインをちびちびと飲みながら、火の魔道具、明かりの魔道具の資料も同様に作成した。
完成して一息ついていると、ノックがあり出てみるとパーティーの皆だった。作ってもらいたい家具の資料が出来たらしい。
「資料が出来たので一度アランに見て欲しいんです」とシャロン。
「シャロンはとても絵が上手なのよ」
クレリアが、なぜか自慢気に言ってきた。
別に俺が見なくてもいいじゃないかとも思ったが、皆が期待の眼差しで見ている。どうやら少し自慢したいのもあるようだ。
見せられた資料は完成イメージと材料の寸法図だ。俺が作ってたのと同じだな。
一つは、服をハンガーで掛けられるクローゼットのようだ。下段には靴をいれられそうな棚も付いている。
もう一つは衣装箪笥で小さな引き出しも幾つか付いており、小物も入れられそうだな。引き出しの一つには、可能であれば鍵を付けたいとのコメントもあった。なかなか使い勝手がよさそうだ。
「これは使い勝手良さそうだな。良く出来てる」
「みんなでいろいろな案を出し合って決めたんです」とシャロン。
「俺もこれを作ってもらうことにしよう」
「そうした方がいいわ。アラン、早くこれを届けに行きましょう」
クレリアは一刻も早く作ってもらいたいようだ。俺の資料も完成したし、まだ時間も一五時だ
「じゃ、行ってくるか」
各資料に作る数量を記入して宿を出た。
トルコさんの工房はそれほど遠くなく冒険者ギルドの少し先だった。
「こんにちは!」
木槌の音が鳴り響く工房に入っていくとすぐにトルコさんが気づいてくれた。
「ああ、あんた達か。どうしたんだ?」
「実は、補修の他に作ってもらいたいものがあるんです」
言いながら俺の魔道具の資料と家具の資料を渡す。
「これは……」
真剣な眼差しで資料を確認している。五分程の時間を掛けて全て見終わった。
「仕上げはどうする?」
恐らく表面になにかを塗ることを言っているのだろう。
「お任せします」
「これはアランが書いたのか?」
「こっちは俺ですけど、それは彼女です」
トルコの鋭い目がシャロンを見る。
「若いのに大したものだ。アランが書いたものは何に使うのかわからんが、こっちの衣装箱と箪笥はよく考えられている」
「そうですか、ありがとうございます」とシャロン。
一緒に考えたメンバーも嬉しそうだ。
「ここに鍵を付けたいんですけど付けられますか?」とシャロン。
「ああ、わけないな」
「どのくらいの金額で出来ますか? ちなみに期日は、こちらの資料の分は十五日後、こちらの資料の分は二十日後です」
魔道具の分は早めにしておかないと俺がやる作業もある。
「ここまでしっかりした図案があるんだ。作るほうは楽だから期日はなんとかなる」
トルコさんは各資料を作業台に並べていくとそれぞれの金額をスラスラとあげていった。先程見た時に既に見積もりしていたようだ。
冷蔵の魔道具 二千ギニー 四台
火の魔道具 五百ギニー 五台
明かりの魔道具 百ギニー 五十台
衣装箱 七百ギニー 五箱
箪笥 千ギニー 五棹
総額 二万五千ギニーだ。結構な金額になったな。
「全部で二万五千ギニーだな。 だが、この衣装箱と箪笥をウチが作って他の客に売っていいっていうなら、三千ギニー値引きしよう」
シャロン達は嬉しそうに異論もないとの事だったので、総額二万二千ギニーに決まった。
工房を後にして宿に向かった。
「そういえば、アラン。ジェネラル・オークとビッグブルーサーペントは、値がついたのでしょうか?」とエルナ。
「あぁ、そういえばそうだな。バタバタしててすっかり忘れてた。ギルドに寄ってみるか」
冒険者ギルドに寄って受付に訊いてみる事にした。ギルド内は朝と違ってひとは疎らだ。
「御用件をどうぞ」
「Bランクパーティーのシャイニングスターですけど、先日の、」
「あぁ、聞いていますよ。いま呼んできますので少しお待ち下さい」
そういうと受付職員はギルドの奥に引っ込んでしまった。どうやら俺達が来たら呼ぶように言われていたようだ。
戻ってきた受付職員はギルド長のケヴィンさんと男性職員を連れてきた。
「遅かったな、査定の件で話があるんだ。ちょっと来てくれないか?」
通された先は、先日通された会議室だった。
「ジェネラル・オークの首とビッグブルーサーペントの査定額が決定した。ジェネラル・オークは、二十一万ギニー、サーペントの肉が三万八千ギニー、革が十万五千ギニーだ」
総額三十五万三千ギニーだ。なかなかの金額だな。しかし、あの醜悪なオークの首にそんな大金を出す人間がいるとは驚きだな。いや、ギルドも当然相当抜いているはずだから、売値はさらに高いのだろう。信じられない。
「なるほど。了解しました」
「… 驚かないんだな。普通はこの金額を聞いたら驚くものだが…」
「いえ、驚いていますよ。オークの首にそんな大金を出す人間がいるとは驚きです。正直、信じられないぐらいです」
「そういう意味ではないんだが… まぁ、いい。おい!」
ケヴィンさんの指示で男性職員より金が渡された。一応礼儀として数えてみる。
「確かに受け取りました」
「今回、君達がギルドに売ってくれたことには感謝している。その貢献はしっかりと記録しておこう」
「ありがとうございます。宜しくお願いします」
俺達は係員に案内されて会議室から出た。
「なかなかの金額だったな」
「なかなかどころではありませんよ。アランは感覚が麻痺していますが、普通の平民なら一財産です」とエルナ。
「まぁ、それは分かるけどな」
ギルドから宿に帰る道で、五人ほどの男がたむろしているのが見えた。下卑た笑い声をあげている。
俺達がその横を通りすぎようとした時、一人の男が躍り出てきた。
「おい! 随分といい女ばかり連れてるじゃないか。一人ぐらい分けてくれないか?」
だいぶアルコール臭いのでかなり飲んでるんだろう。
「ふざけんな」 といいながら通り過ぎようとすると肩を掴まれた。
「おい、無視はないだろう? こっちはお願いしてるんだぜ?」
「喧嘩を売ってるのか? だったら買ってやるぞ?」
喧嘩を売られているのは間違いないが、このセリフはお約束、様式美というやつだ。
「その手を離しなさい!」
セリーナはそう言いながら、俺の肩にかかった男の手首を極めて足を払い、男を派手に倒した。
「いてぇ! 何しやがんだ、この女!」
「あなたが汚い手を、いつまでもアランの肩にのせているのがいけないのよ」
セリーナもまあまあ喧嘩を売っているな。
「おいおい、なんだよ、揉め事か?」
男の仲間達四人がそういいながら近づいてきた。
「ああ、この男が喧嘩を売ってきたんで、ちょっと転んでもらったって感じだな」
「おーおー、可哀想にこりゃ骨が折れてるな。おい! この落とし前、どうつけてくれるんだ!?」
「お前も喧嘩を売ってるんだな? もう面倒だからかかってきたらどうだ?」
「おお、威勢がいいじゃないか! こっちは男五人だぜ? いいのかよ?」
「だからかかってこいって言っているだろ?」
「アラン、私にやらせてください。アランが出るまでもありません。私一人で十分です」
「セリーナ、アランに売られた喧嘩なら私も参加したいわ」とシャロン。
「はぁ、しょうがないわね」
「おいおい、俺が売られた喧嘩なんだからな。二人は下がっててくれ」
「「アランは下がっててください!」」
「ああ、分かった」
しまった。二人の勢いに思わず引いてしまった。まぁ、二人なら問題ないか。
「アラン! 止めないと!」とクレリア。
「大丈夫だよ。二人は喧嘩だったら俺より強いんだから」
「ええ!? そうなの!?」
セリーナとシャロンのコンバットレベルは、二人共、九十以上。 コンバットレベルは、帝国格闘技の習得度を表す数値だ。レベル九十以上といえば教官が務まるほどの数値になる。
恐らく艦のトレーニング用のボットを相手に血の滲むような努力をしたんだろう。
帝国格闘技は帝国が何千年にも渡って研ぎ澄ましてきた格闘技、その使い手である二人が酔っ払いの男五人程度に負けるわけがない。
「早くかかってきなさい」とセリーナ。
「おい、女だからって容赦しないぞ!」
「しなくていいわ。…… もう面倒」
シャロンはそう言いながら一番近くにいた男の懐に素早く飛び込むと鳩尾に拳を叩き込んだ。
「ずるい!」
セリーナもそう言いながら他の男に急接近し、男が構えた腕の手首を極めてたまらず屈んだ男の頭を膝で蹴り上げた。
シャロンは、次の男が呆然と立っているのを見て無造作に近づき顎への右フックを叩き込み、それを見て近づいてきた男の顔を回転蹴りで蹴り抜いた。
仲間が次々と倒されていくのをただ見ていた男に、セリーナは無造作に近づき、鳩尾に正面蹴りを叩き込んだ。
当然のことながら、全員一撃で気絶している。
「凄いっ!」とクレリア。
「抜け駆けするなんてひどいじゃない! シャロン」
「だって、中々かかってこないし、待っているのが面倒だったから」
気づけば周りには騒ぎを聞きつけた人だかりが出来ていた。
「二人とも、ありがとうな。俺のために手間をかけた」
「いえ、当然のことです」とセリーナ。
「こんな事なんでもないです」とシャロン。
「このままだと通る人の邪魔になるから道の端に寄せておこう」
皆で邪魔にならない位置まで男達を移動した。
「よし、宿に戻ろう。帰ったら丁度夕食の時間だぞ」
「「はい、アラン」」
宿への帰り道、クレリアはセリーナとシャロンを凄い凄いと褒め、自分に帝国格闘技を教えてほしいと頼み、エルナと共に教えてもらう約束を取り付けていた。
夕食後の御茶を飲んでいた時に、おもむろにクレリアが口を開いた。
「アラン、私、考えたのだけどまだ暫く盗賊狩りを始めないで皆で、魔法や剣、体術、いえ格闘技の訓練をしたいと思っているのだけど…」
「あぁ、いいんじゃないか? 皆はどう思う?」
「私も、もっと剣や魔法の練習をしてみたいです」とシャロン。
「私もです」とセリーナ。
「私も出来れば」とエルナ。
「じゃあ、なんの問題もないな。俺も、例の酒の件や、ホームで使う魔道具の準備に結構手間が掛かりそうなんだ。だから丁度良かったかもしれないな」
その後の話し合いで俺と皆は、暫くの間、別行動をすることになった。
クレリア達の訓練は、やはり魔法の練習に重点をおくということで、午前中は近場の大樹海に出掛けグレイハウンドを狩ったりして練習するとのことだ。俺抜きで出掛ける事には最初は反対したが、動くものでないと練習にならないと言われ渋々許可した。
午後は剣術と格闘技の訓練を一日置きにやるらしい。これにはホーム前の広場を利用できるだろう。
さて、俺はこれから明日持っていく工房の資料を作らなくてはならない。全部は無理にしても切りの良いところまでは書いておこう。
(イーリス、工房を見た感じでは問題はなかったかな?)
[はい、問題ありません。先日作成した設計で問題ないでしょう]
(よし、では紙用にまとめた資料を、この紙に表示してくれ)
俺は、紙に仮想表示された赤い線をトレースしはじめた。
皆様のおかげで、総合の日刊ランキング の一位をとることが出来ました。
ブックマークと評価を入れてくださった方、有り難うございます!
正直、まだ信じられません。
一週間前までは、投稿してもブックマークは増えて二つ。四つも増えようものなら祝杯をあげる感じだったのに、たった数日で三千以上になりました。
皆様には本当に感謝しています。
出来るだけ、更新頑張ってまいります。これからも宜しくお願いします!




