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期限。
賞味期限に気を付けて。
詩集をポケットの中で腐らせ
匂い立つ神経の腐臭が気にかかり、溶けた詩集を取り出して
満足がいくと、ポケットにしまい
詩集をポケットの中で腐らせ
冬の炎が燃えはじめ 透きとをった空気 火すらうつくしく
黒々 青々 赤々 空からそそぐ感銘を
その名の由縁に限りなく
ひねる頭も転げ落ち
溶けた詩集を取り出して
満足がいくと、ポケットの奥へ
詩集をポケットの中で腐らせ
海鳴りの音を頼らずに
泥水 流れを淀ませ
時間を止めて 蔵の底に押し座り
蔵は走り 蔵は急ぎ 蔵は話し
蔵は古び
詩集はポケットの中になくなり
詩集は、あの日々の僕と共になくなり
遍く詩は、青い春の中で頓死し
ポケットを掘り返せ。