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歩き歩かれ歩き死に。
さてと。
蛇とかトカゲとか可愛い生き物に手を振って、見えない小虫を踏み潰すぼくら。知らないものを知らないと誇る、知るものの普遍を信じるその姿勢、手をつなごう、気味が悪いね生温くって。
素晴らしいぼくたちはでもぼくらの足の絶対性を信じているあまりに、この足がいずれ宇宙の彼方より飛来することを望んでもいる。閉じそうなオゾンホールにそっと足先を通して、ぼくらの足をぼくらの頭上に。
オゾン層を二度と閉じないと云ってた人達、その説を頼みの綱に祈りなさい。気付かないで踏んづけてあげる。
ぼくの足に気付きなさい。と、ぼくが云っても無駄かしら。宇宙と時間を間接的にしか知る他ないきみたちでは、ぼくの足を直截的に知ることもむずかしい。
ぼくも知れないかもしれない。ぼくはぼくを踏み潰す。朝日の透き通る陽射しを受けて我が身も透けるほどの感銘を飲んで、家を出て、踏み出す足が頭上より。
凍りついて笑う。灰色の。アスファルトの。踏み出す。僕の足。27・5センチの連続。ぼくだけを殺す。ぼくの無数の一歩たち。
今書いたもの。