45話
42話のパーティー数を7パーティの所、8パーティーと間違えていたので訂正しました。
移動する事に決めたのは良いけど、どの辺がいいかな。
王隣の森から魔物の襲撃もあったから、もう少し街寄りにするべきだよね。
まぁ、元々この辺りは魔物の極稀に魔物の襲撃があったり、はぐれ狼が目撃される場所だったから、あえて緊張感を持たせるために選んだんだけどね。
予想よりも大物の魔物が出てきちゃったけど。
四半刻ほど戻った場所だと、レイムとランに襲撃してもらった位置だから、あんまりよろしくはないから…何処がいいかな。
「ティティナさん、移動しないんですか?」
「そうしたいんですが、何処に移動するか考え中なんです。基本の活動拠点が王都だったので、あまりこの辺に詳しく無くて。
四半刻程戻った場所だと、『妖精の悪戯』を受けた場所になるので、受注者のみんなからしたらあまり良い場所だとはいえないですし。
アレクさん、何処か良い場所を知らないですか?」
「そうでしたか。そうですね…。その前に一つ伺いたいのですが、何故この場所を選ばれたんですか?」
「それは、魔物の襲撃がある可能性があった事と、街門の外での行動や必要物資の知識を知りたかったからです。」
「成る程。やはり想定外な出来事が起こる事を想定してでしたか。
それも実力を測る為ですか?」
「そうです。冒険に想定外な出来事はつきものですから。
それに対しての対応力や胆力を測る目的でしたが。」
「予想以上の魔物が来てしまったと。
それこそ、想定外な出来事でしたね。」
「返す言葉もありませんね。」
アレクさんと話しながら苦笑いを浮かべる。
想定外な出来事を狙ったら、それ以上の想定外な出来事が起こる。確かに想定外だわ。
「それで有れば、街の外で予定としていた必要な行動は終了しているとの事ですね。」
「えぇ、と言いたいところですが、日が暮れるまでの街外での活動に必要な物資をちゃんと用意しているのか、街門が閉まってた場合の対処法や野営の用意があるのかを知りたかったんですよね。
それ以外は、組んでもらったパーティーで私との模擬戦をするだけでしたから。」
「成る程。それは、手荷物をチェックする形にして、口頭で教える形にすれば良いのでは?」
「確かにそうですね。
手荷物などは今後の活動の時に指導する形でも問題はありませんし。」
「確か組むパーティーは7人の7パーティーでしたね。
その人数との模擬戦で有れば、ギルドの訓練場でも十分ではないでしょうか?」
「実は、ギルドの訓練場を使った事がなので大きさが分からないんです。」
「冒険者ギルドの訓練場はどこもそこまで大きさは変わらないですよ。
王都のギルドは同じ大きさの訓練場がいくつかある形をとっていますがね。」
アレクさんにそう言われ、ちょっとだけ視線を泳がせたからもう一度同じ事を、より詳しく話す。
「…どこの冒険者ギルドの訓練場を使った事がないので、大きさが分からないです。」
「…Aランクなのにですか?」
すると、吃驚した顔でアレクさんに聞き返された。
「実家の庭で十分訓練場出来ましたからね。」
「そ、そうですか。
広さは私が保証しますので、百聞は一見にしかずと言いますから、思い切ってギルドの訓練場に行ってみるのは如何ですか?」
「ここでずっと悩んでるよりかは、そうした方がいいですね。
アレクさん、助言ありがとうございます。」
「いえ、大した事ではありませんよ。」
アレクさんに頭を軽く下げてお礼を言う。
ラビリンの冒険者ギルドの職員はクセが強い人が多いけど、アレクさんはクセが無くていい人だなぁ。
「さて、移動を開始します。
このまま街外で活動したい所ですが、私はこの辺にあまり詳しくないので、今日はギルドに戻り、ギルドの訓練場で模擬戦などを行います。
では、私の後についてきて下さい。」
「ティティナさん、質問があります。『鋼の剣』も一緒に行動するんですか?」
「街門までは貴方達と一緒に連れて行きますが、その後は特別依頼は取消になるので、今後一緒に行動する事は有りません。」
「特別依頼が取消になってるなら、ここで別れたっていいじゃないか。
『鋼の剣』の命令違反の所為で、より危険な目にあったんだ。
ティティナさんが『ウィンドファルコン』を歯牙にも掛けない程強かったから、誰も大怪我をする事も無かったけど、誰かが死んでてもおかしくない状況にしたんだ。
そんな奴らの安全を考慮する必要は無いはずだ。」
受講者の中でも年上で私と同じぐらいの年齢の槍士の青年が言い募り、更に大勢が賛同するように首を縦に振っている。
それを受けて更に項垂れて縮こまる『鋼の剣』のバッカスとカルロス。
自業自得とは言え、『鋼の剣』はまだ13歳から15歳の未成年の少年達だ。…この世界では、普通に働いて、見習いをしている当たり前の年齢だけど。
まだまだ粋がってしまう年齢だからこそ過ちはあって当たり前だ。
それが命に関わってしまったのが致命的だけども。
「『鋼の剣』を許せとは言わないし、許せないのは当たり前だと思う。
今、貴方達が言ってることは最もだし、『鋼の剣』もそう言われるのは自業自得だよ。
でもね、人に優しくした分だけ、自分が困ってる時に助けて貰えると私は思ってる。
だから、自分や仲間、依頼者や大切な人が危険に晒されていない限りは人に優しくして助けてあげるべきじゃないかな?」
俯いてる子や納得してない子もいるけど、皆が皆、黙ってしまった。
「これは私の持論だから納得しなくて構わない。
それに、これから街に向かうのに、Aランクの私が居て脅威に感じる魔物が出ると思う?」
最後のセリフはおどけながら言うと、‘確かに’とか‘でも…’などの声が聞こえる。
ふむ。まだ一部の雰囲気が暗いね。
「はぁー、私を信じなさい。ラビリンのダンジョンをソロで60階層まで潜れるんだから。」
胸をはりながらウィンクをする。
すると、一拍おいてから皆が息を揃えて
「「「「「ティティナさんは変人だ!」」」」」
へ、変人って…。あれ?『妖精の悪戯』の時に尊敬の目で見てくれてた子達まで何故!?
お読み頂きありがとうございます。




