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それぞれの想い

作者: MAKI

*****私の視点*****



私の彼は一人暮らし。



そして私は、その彼の家にいる。



彼には内緒だか、私は彼がこの家に住む前からここに住んでいる。



しかも小さな部屋に。



その部屋には一つだけ椅子がある。



1日に数回、彼が私の部屋に入ってくる。



そして温かい飲み物や、柔らかい食事を与えてくれる。



時には硬い食べ物も。



私と彼の二人には会話がない。



二人の関係と言えば、こうして無言で食事をするくらいだろうか。



毎回食事は大量の水で流し込む。



冬になると、温かい服を買ってきてくれる。



前は地味な色が多かったが、最近はカラフルな服を着せてくれる。



だがその服のせいで彼のぬくもりを直に感じることができない。だが寒い冬場にそれは仕方なのない事なので諦めている。



私はこの部屋から出る事ができない。



彼に監禁されているわけではない。



出ても良いと言われても出る気はないし、ここにいるだけで食事には困らない。



彼がこの部屋に来る時間帯は朝と夕方以降。



彼が仕事が休みでない限り、昼間はこない。



朝は、温かい飲み物を飲ませてくれる。



飲み物を私に飲ませてくれる時の彼の表情は実に晴れやかだ。



夕方以降の食事の際、たまに気難しい表情をする事があるが、食事を与え終えると、晴れやかな表情に変わる。



私と彼を繋ぐものは、彼が与えてくれる料理が全てかもしれない。



私が一体何者であるかは、だいたい想像がつくと思う。



ただの大食い女であることには間違いない。



しかし、私がいないと彼は困る。



私がいないと分かれば、彼は即座に家を出ていくだろう。



そう、私と彼は、一心同体と言っても過言ではないのだ。



普通のカップルではない事は確かだ。



だが、決して異常ではない、むしろ正常な関係だと思う。



私はそんな彼の事が大好きだ。



彼も私のことを必要不可欠な存在だと言ってくれた。



それに彼が部屋から出て行く時の表情はいつも笑顔でスッキリとした表情だ。



そんな私の正体は、彼の視点から察してほしい。




*****彼の視点*****




俺はその日、でかけようとしたんだが。



どうやら腹の具合が悪いようだ。



昨日の牛乳かけごはんのせいだろうか。



とにかく急がねばこの苦痛は出せば消えるはず。



幸い外出していなかった為、最悪の結果だけは逃れられそうだ。



個室に入った俺はズボンとパンツを降ろし、椅子に腰かける。



大量の茶色い半生の物体を余すことなく椅子の中にぶちまけ、これ以上ない至福のひと時が訪れる。



この部屋とこの椅子に感謝する瞬間だ。



スッキリしたせいもあるのか体も軽くなり俺の表情は自然と笑みが浮かぶ。


以上が彼の視点。



「どうだろう、私の正体はお解りになられたでしょうか?」



おわり。

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