9、真偽
窓から高い青空がのぞいています。
世の中は真夏の夏休みで、こんないい天気の中、俺は悪魔の化身愛ちゃんと一緒に居ます。
バットです。悪夢です。最近の風俗規制の為愛ちゃんはずっとこの所この部屋でAVを見ています。それも彼女の口からは禁止用語が炸裂しています。
目の前のソファーに寝転びながらあいちゃんは、愛ちゃん主演のAVを御鑑賞中です。
「なあインポ。あのさーコレ見てどうよ?」
さらに非常識な発言をどうどうと彼女は持ちかけてきやがります神様。
「あのさ、愛。俺インポじゃないからAVの超ハードで針とか釘で刺してるようなシーンしかないAVを永遠見せられても逆に縮む一方なんですけど。
AVってのはもっとエロだろ!エロ。これはグロだグロ!意味わかってます?」
最近地デジ用に買い換えた大画面のテレビにあるまじきハードコアなAVで女性の叫び声が劈いています。下手なホラーよりこえーよオイ。
血がドバー、愛ちゃんのSMのボンテージ服が大画面の中で映されています。
恐るべしです。
さらに最近ファンからの手紙がうじょうじょときやがり、俺への宛の嫉妬心爆裂な手紙が届きます。
「鈴世の中イロイロなSEXが出来たほうが人生はお得じゃない?」
そういいつつつまらないシーンを飛ばしてハードなシーン限定をどうでもいいような眼で愛ちゃんはポテチをむさぼりAVを見ています。
確か俺とであった頃の愛ちゃんはもっと違ったと思います、こんなオバハンのようにそしてこんなグロイAVをボケーっとワイドショウのように見る子だったはずではありません。
そうそう、あの愛ちゃんに彼氏が出来ました。
名前は、川島静というまあまあな見かけのサラリーマンです。
ただしやっぱりドMらしいです。
さらに今日は川島君が遊びに来るという話で、なのに俺はAVの感想を述べさせられている為になかなか逃げ出せません。
「愛〜そろそろ川島君来るんだろ?俺いたら気まずいだろそろそろ俺どっか遊びに行って来るよ。」
愛ちゃんは無言のままAVのつまらないシーンを飛ばしてみています。
グロイシーンの結集のようなAVです。怖いですエロやあえぎシーンなぞ存在していません。
針を刺しまくってます怖いです。
「鈴、まあゆっくりして来なよ。」
ココは俺名義の賃貸です、この一室の家主は今俺のはず、、、
ピンポーンっとチャイム音が響き愛ちゃんが俺のほうを見てきました。
そのまま愛ちゃんは玄関に向かって歩き玄関の鍵を開ける音が。
「愛さん、こんなところに住んでたんですね!すごいなーさすがですよ!それで今日は。。。。」
俺はとりあえず、会釈をしました、噂の川島君は硬直状態です。
一緒に住んでンの知らなかったはずは無いと思うんだけどね。
「これ鈴ココでルームシェアしてるっていうか私が居候なの。」
すごい気まずい空気が漂っています。
「あ、愛ちゃん俺さ、美穂とか加奈子とか泉とか奈美とかとさーゴ、ゴーコンあってさ、あっもうこんな時間ジャン。ちょっと抜けんね。マジゴメ、、、」
「へぇ、どっか行くの?美穂加奈子?あいつら今グアム行ってんだけど、あーまさかすっぽかされた系、どっか逃げようとか考えないほうが後の身のためよ。このインポ」
オイオイオイオイオイ!!
彼氏の前でその発言かよ!俺のプライバシーだ!それもリアルにインポじゃねぇし!ざけんな
「愛ちゃん!!な、なに喋ってるンよ!さっきッから俺はインポじゃねえ!」
「フ、言いよどんだりすると本当に聞こえちゃうわよ〜鈴ちゃんハッハハ」
SですコイツはスーパーSです。俺の息子に真偽の目が向けられています。




