クソ野郎
「おい」
俺はトイレの扉を殴る
「おい」
再びトイレの扉を殴る
「おいっ!!!!!」
三発目を入れようとしたと同時に扉が開き俺のストレートパンチと扉が重なり大ダメージを負う。
「人が入ってんだろ!他にもトイレ空いてるじゃねえか!」
「俺は朝一番の排便はこのトイレで一発かますのが日課なんだよ!」
俺はパンチの衝撃で漏れそうだったので出て来た人そっちのけでトイレに入り用を足す。
「今日も一日が始まったのだ」
俺は敢えてトイレを流さず外に出た。
「俺の名前は須藤。ストレートパンチが得意な勇者さ」
歩きながら独り言を言う、毎朝欠かさず続けてることだ。周りの目は気にしない。
「周りからはクソ野郎と呼ばれている。」
「よっ、須藤」
同僚は須藤に話しかけた。須藤は元気良さげに挨拶を返す。同僚は今日痔になっちまってポラ○ノール刺して来たぜと意気揚々に話すと負けじと須藤は俺も公衆トイレドアパンして来たぜと自慢気に話す
「今日もクソ野郎みたいなことしてきたのかー!」
「おうよ!」
「お前毎日のようにドアパンしてるけど警察来ないの?」
「あそこは監視カメラはない」
「あたたたたwwwwwwwww」
こんな感じの会話を毎朝続け出社するのだ。しかし社内に入れば雰囲気は一変する。社内では原則笑ってはいけない会社だ。社長の方針で笑うと仕事に身が入らないということらしい。笑ってしまった場合は別室に呼ばれ冷え土下座をさせられるので皆恐れている。
「毎回思うけど冷え土下座ってなんだろうな」
「頼むから社内で笑わすなよ」
同僚は既に笑そうだった。自分の席に着き、仕事を始める。
「(やばい漏れるなこれ)」
苦悶の表情を出している時携帯が鳴る。
「おい仕事中だぞ。マナーモードは原則じゃないのかね?ううん?」
「そめませーん」
ブフッと隣の人が吹き出してしまった。運がいいのか悪いのかわからないが社長の目はそちらに言ったので貴様には消えてもらうことにする。こうして俺は一人を犠牲にし、トイレに向かうことが出来た。
「あっぶねー、さて同僚のメールを見るか」
みんなが仕事している中こうしてトイレの個室に篭り携帯をチェックするのが俺の日課である。
「さーてメールチェック」
メールを確認したところどうやら同僚からメールが来たみたいだ
「気になるぜ、開封」
開けたら新年会で飲み過ぎで壊れた部長の変顔の画像が添付されていた。
「ブッwwwwwwwww野郎wwwwwwwwwwwwwww」
「誰かいるのか!?」
見回りの上司がトイレに入ってくる。サボりは注意しないのに笑ったら厳罰処分の頭のおかしいこの会社は狙われたら確実に逃れられない。
「出てこい、隠れても無駄だ。」
上司が一歩、また一歩と歩みを連ねる。バタンと大きな音を立てながら個室のドアを開ける様はまるで猛獣が獲物を狙っている様であった。
「(やべーなどうしよう。そうだ!)」
俺は上司の扉バーンに合わせ構える。
「ここか?」
上司がドアノブに触れ、引いた瞬間俺は思いっきり押した。それにより上司の顔に扉が直撃し鼻血を出しながら上司は崩れ落ちた。
「雑魚が、朝のおっさんには感謝するぜ。」
俺は上司の身体を蹴り飛ばしトイレを後にする。もちろんトイレは流していない。
「あいつに復讐しないとな、この画像をプレゼントしてやるぜ!」
メールの送信ボタンを押し、席に着く。二分後、同僚の大きな笑い声が聞こえ同僚は俺の名前を大声で上げながら連行した。正直笑いそうだったが何とか耐えることに成功した。
「いいことをした後は気持ちがいいぜ」
俺は心置き無く仕事を再開することができた。
帰宅時間になり同僚に冷え土下座の件を聞こうとしたがあれ以来帰ってこない。他の同僚から冷え土下座を執行されたら廃人になるとまで言われたのでそれ程までに強烈なものなのかなと疑念が沸き始めたその時だった。
「君、須藤君かね?」
上司が俺に話しかける。俺はそうですけどと返事を返すと上司の話が進む
「君はこの会社の罰を犯したね?」
「俺には身に覚えのないことでございます」
「この会社には禁忌が二つあるのだよ」
俺は新たな事実を知ると禁忌など犯してねえよ!てか知らねえぞそんなこと!と大声を出し抵抗する。上司はとある写真を見せた。
「この会社ではトイレを使用したら流さなければならないのだ。」上司は笑いを堪えながら須藤が使用したトイレを見せる。
須藤はその後何も言えず無言で別室に連れて行かれた。クソ野郎と呼ばれた男に相応しい末路であった。この瞬間のみ、禁忌の一つである笑ってはいけないというのは解かれ。須藤を除き皆大笑いしていたという。




