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第二章


着席!


みんなそのまま二章に来るんかい!

我ながら性格診断何やってん!


もーええわ始めるで!




第二章 ~売りを考える~




……一応言っておくけど、これ別にギャグの作り方講座じゃないからね。

小説講座やからね。

脊髄反射的にネタに走ってるだけで。

ギャグ的なとこピンポイントで教えて~って言われても、「吉本新喜劇見ろー!」としか言いようがないから注意してな。オレ? もちろん毎週録画してるで! 見るかどうかは別としてな!←



さーて、第二章~売りを考える~ を始めるとしましょうか。


はっきり言って、この章が一番大事。

この章が終わったあとはだんだん尻すぼみになって、最終的に小技紹介みたいになっていくからね!


この章が、オレが一番伝えたかった、『売り』のお話です。


……。


……うーん、さっきからどうも、バックスペースキーめっちゃ押してまう……

何度書き直してもうまく伝わる気がしない……


ふむ。


もうこうなったら、あれしかない。

禁断の奥の手を使うしかない。


このメール風ラインもどき、しゃべり口調小説講座の前身……去年書いたはいいけどお蔵入りとなっていた、小説講座を行う小説『文芸部論評会(仮)』を出すしかない!

たった一年前だというのに、何なのだ、この、黒歴史を掘り出しているような自己嫌悪感は…!!


ええい、もう、どうにでもなれ!




※以下、文芸部の女部長と、同い年で先週入部したばかりの梅畑くんの会話シーン。

梅畑くんは入部早々、自身の書いた小説『冥界と水槽の相違点ディファレンス 第一話』を自信満々で読ませる猛者です。


>

>

>「ではまず、梅畑くんがどれくらい知っているのかから確認していきます。小説……いえ、作品において“売り”とは何でしょうか」

>「何って、何というか……そう、一番のアピールポイントだろう?」

>「その通りです。例えば何があるでしょう」

>「キャラクターとか、先の読めない展開とか」

>「なんだ、わかってるじゃないですか」

> 上機嫌になる梅畑さん。

>「それでは実践です、梅畑くん。前回梅畑くんが書いた小説の売りはどれ?」

>「……俺が書いたのは短編じゃない、続き物の第一話なんだよ。だから売りなんてまだ出てきてないんだ」

>「なんで?」

>「なんでって、中盤での盛り上がりが売りだからだよ!」

>「はい、それが駄目! それは完結した、物語全体での話でしょ。『第一話の売りは何か』と聞いてんの!!」」


>「なんでだよ!? 第一話でまずキャラクターを出していって、そのキャラクターたちで第二話、第三話と物語を展開させていくんじゃないか!」


>「それ!!」

>「なんだよ」

>「正解!!」

>「はああ!?」

>


~~~~~~~~~~~~~~~~



抜粋したところ、ほぼほぼ台詞しかなかった。

小説講座第1章で台詞ばっかりの小説がどうのこうの言っておきながらこれだよ(笑


これ、書きなぐったあとあまりのヒロインのかわいくなさに心が折れて放置しててんけど……もう少し推敲しとけばよかった。メンタルにちょっとひびが入った。


まあそれはともかく、今これを読んでいるあなた方も、梅畑くん同様「はあ!?」って気分だと思います。オレも今改めて読んでみてそんな気分です。

続きも読んでみましょう。




感情的になった部長と梅畑くんの間に入って、主人公(二人の後輩)が解説します。

主人公は以前にこの解説を部長から聞いていた、という設定です。(←今全然関係ない設定)



>

>「要するにこういうことです。第一話や、章、一作品、それぞれの区切りの中で、作者として『一番人を惹きつけることができると思うポイント』、それが“売り”です」

>

>「梅畑さんの小説は、『キャラクターがただ出るだけ』になってしまっているんです。だから第一話として勢いがない。これは“売り”を意識していなかったから起きてしまったのです」

>「しかしなあ……キャラクターを紹介しない限り物語は進行しない、そうだろう?」

>「紹介は必要ですよ。しかし仮に『紹介』が目的だったとしても、他に“売り”……アピールポイントが必要なんです。紹介するだけではなく、例えば同時に『そのキャラクターの魅力を伝える』こと。つまり今回で言えば、『キャラクターたちの魅力』を“売り”として考えるべきなんです」


~~~~~~~~~~~~~~~



なんとなーく、伝わってきたかな?



みんな小説を書くときに、ある程度書いたら章を変えると思う。

「一区切りついたし」

って思って章を切ると思う。


やんな??


オレが言いたいのは、1つの区切りがあれば、必ず売りを入れることができる、いや、入っていないとダメなんだ!ってこと。


反論したい人、挙手。


お、今手が挙がったキミは実はかなり実力があるな!?


オーケー、大丈夫。

その反論は次の第三章「読者に与える印象を意識して構成する」で納得してもらえると思う。

タイトルですでにネタバレしてるけど(笑


ともあれ、今回は“売り”のお話。


「“売り”がある作品は面白い!」

もっと厳密に言うなら

「“売り”を意識している作品は面白い!」

……というのは単なるオレの持論なので、あまりここに執着しなくていいよ。


実を言うとオレが“売り”が必要だと思う一番の理由は、「面白くなるから」ではない。


一番の理由。


それは、

「売りを公言しておけば、より直接的な感想がもらえる」

から!!


より直接的な感想。具体的な感想!



みんな、自分が作品を創ったときのことをよくよく思い返してみて欲しい。


がんばって作品を創りました、期待と不安入り混じりながら誰かに読んでもらいました、「面白かった」と感想をもらいました!

やったー!


……で?


で、何やねん。


そのあと、その感想を活かせる?


活用できる?


その感想をもらった前と後で、自分の中でどんな差が出来た?

前進した??


「モチベーションが上がった」?

うん、それは大事やな。ある意味何より大事かもしれん。

けどな、ごめんそれはちょっと置いといて。

技術的な話をしたいねん。



もうちょっと具体的な感想をもらったとしようか。


「主人公がヒロインを助けるシーンにしびれました!」


おおよかった、楽しんでもらえたようだ、がんばって書いた甲斐があったー……


……で?


その感想、次回以降でどう使えるん?


無理やり使おうと思ったら、次に書く作品でも全く同じシーンを書くしか、なくね?

もしくは類似品を量産するしか、その感想を活用できる道がなくね?



「面白くなかった」でも同じことやん。


そりゃあ、初めてだったり書き始めて間がなかったり、うんうんうなって無理やり書いてみた小説やったりしたら、自分が最初に想像していたほど面白くないなんてことは、当たり前やん。

でもそんなことは置いといて。


「面白くなかった」

はいはいそうですかーオレなりにがんばったんだけどネ~~

ってふてくされる?


もしくは

あーそりゃおめーの感性が足りてねーだけだろうがボケぇぇ

ってキレてみる?


ホンっっマに、意味ないやん!

時間の無駄、メンタルの無駄やん!!


同じ誰かに作品を見せるにしても、より多くの意味がある見てもらい方をしよう!!


それが、

「売りを公言しておけば、より直接的な感想がもらえる」

っていう、オレが何を置いても、みんなに伝えたかったことやねん…!!



まだちょっとピンと来てない人も多いやろうから、売りを公言した場合の具体的な例を出すで。


例1

「今回の作品の売りは何といってもヒロインのかわいさ!」

 ⇒たしかにかわいかったよ、でもあの○○のシーンはむしろ腹が立った。



この感想をもらえば、

「あ、自分はかわいいと思って書いたシーンだったのに、腹が立つ人もいるんだな」

って思って、そのシーンを違う視点から考察することができるようになる。次に何か“かわいさ”を売りにするシーンを書くときにも、参考にできる。



 ⇒いやあんまりかわいくなかったな。


この感想をもらえば、

「うーん、かわいくなかったか。かわいいと思ったんだが……。“かわいい”の研究しなあかんな」

って、明日からの指標にできる。



例2

「第一章の売りは緊迫感、恐怖感……迫力かな」

 ⇒うーん、そんなに怖くなかったなぁ。


この感想をもらったら、

「ああ、これじゃ怖くなかったかぁ。何が問題かな、書くときに想像してた映像ではかなり怖いはず……ということは、自分にはまだ迫力を出せるほど文章力が足りてないのか~」

って、自分に足りてない部分がわかる。




~~~~



どうかな!?


すっげえええ画期的やと思うねんけど、どうかな!?


これなら明らかに読解力が低い読み手が酷評してきた場合でも、

「フム。ガキには難しかったか。もう少しわかりやすくした方が万人受けするかもしれんな」

ってクールになれる!


狙いがうまくいってない、ってことがわかるから今後どうすればレベルアップできるか、その判断材料になる!


“売り”に対して全否定されても、あくまでもそれは“売り”が機能していないことへの否定やから、人格否定みたいにならない!


まぁもちろん否定されてるわけで、「現時点での実力がない」ってことに変わりはないけど……そこはまあ、それを知るために感想をもらうわけやろ? 少しくらいは我慢しよう!



やっぱ人はさぁ、反省せんとアカンと思うねん。

おっさん臭くなるけど、キミたちワカモノに言いたい。

「自分はこれで完成」

なんて、

「自分が絶対正しい」

なんて、思ったらそこでストップやからね!


本当はもっと伸びしろがあるのに、自分からストップかけることになるからね!


キミたちは何になりたいん!?

作家やろ!?

文章力、表現力、意外性、その他たくさんの能力、今の状態でストップさせたらアカン!

もったいない!!

一生伸ばしていこう!!


一発屋で終わる気はないんやろ!?

出す作品出す作品、全部ミリオンヒット、アニメ化ドラマ化映画化すんねやろ!?


今日の自分は昨日の自分よりも進歩してる!

胸を張ってそう言えるように自分磨いていこう!!



……ふう、ちょっとテンション上がってヒートアップしすぎた。

そして脱線しすぎましたな。


まあとにかくやな、売りを公言しておけばより直接的な感想がもらえる、そしてその感想を活用してどんどん成長できる!


たしかに一人の人からもらう感想は、所詮一人よがりやで。

「こいつの言ってることはあてにならへんわ」

って切り捨てるのは簡単やで。


オレもすべての感想を参考にしろ、とは言わへん。間違ってるのも中にはあると思う。

けど、自分以外の人が考えた発想は、自分には出てこんかったモンやねん。

もしかしたら自分ひとりで一生考えても出てこぉへん発想かもしれん。


それを念頭に置いて感想を読んでみよう。

それが“参考にする”ってこと。



……ふう、これ以上書いてもおっさんの説教が長引くだけな気がするのでここらで終了としましょうか。

ここまで読んでくれてありがとう!


本当に、この第2章が書きたくて、みんなに伝えてあげたくて、この講座を作ったよ。

みんなで面白い作品をたくさん作って、世界を盛り上げていって欲しいな。


かつては作家を目指したこともあるオレは、もう作家を目指すことはないけれど、オレはオレのやり方で、日々頑張るよ!

みんなも頑張って!!




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