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ギルティ・マジック  作者: ミスター
第一章
6/6

~第五話~旧世代の英雄

長い間更新せず申し訳ございません。また、今回は文章少なめですご了承下さい。楽しんで頂けたら幸いです。

「ここが学園長室ですわ。くれぐれも粗相のないようにしてくださいね」

「頑張ってね。お兄ちゃん」

 今、クライシスとティアとミーシャは学園の学園長室の前に来ていた。

 昨日、ミーシャが言った通り今日はクライシスの試験だ。その案内としてティアとミーシャは着いて来ていた。

「ああ、それじゃあ行って来る」

 クライシスは一度扉をノックしてから学園長室に入って行った。



「失礼します」

 学園長室に入るとクライシスの正面の机に肘をつきながら白髪に白髭の初老の男性が座っていた。

「君がクロイス·クレイム君かい?」

 クロイスとはクライシスの偽名だ。

 学園に入学するとしても流石に犯罪者のまま入学するのは憚れるということなので偽名を使っている。



「はい、そうですけど」

「ハハハ、冗談は止したまえ。クライシス·クレイム君」

「!!······。何故、俺の名前を知っている?」

 すぐに偽名がばれたことでクライシスは臨戦態勢に入った。

 間違いなくこの初老の男はただ者じゃない。クライシスが今まで培ってきた勘が言っている。

「君からは私と同じ臭いがしてね」

「同じ、だと?」

「ああ、そうさ。君は私と同じ血の臭いがする」

「あんた、何者だ?」

 返答はしているが一向に警戒の手を緩めないクライシス。それに男は柔和な笑みを見せながら言った。



「ラウル·レブンと言えば分かるかな?」

「ッ!!旧世代の英雄か!!」

 旧世代の英雄。

 半世紀前。グランバレル全体にモンスターが溢れかえったことがあった。

 グランバレルの三種族、人間、魔族、エルフたちは互いに手を取り合いモンスターたちを倒すことに成功した。この戦いは後に第二次世界大戦と呼ばれることになる。

数百年前にも一度同じことがありそちらは第一次世界大戦と呼ばれている。

その第二次世界大戦で軍を率いて戦った者たちは英雄と呼ばれることになった。ラウルもその一人だ。

 


第二次世界大戦でラウルは独自で編みだした重力魔法を使い敵をなぎ倒した。

「俺をどうする気だ?政府にでも引き渡すか?」

「ハハハ、そんなことはしないさ。ここは経歴や地位に関係なく入れるからね。ただ、気になっただけさ。君があの大犯罪者かどうかをね」

 それを聞いたクライシスは一応臨戦態勢は解いたものの疑うことを止めてはいなかった。

「それじゃあ、私の質問に答えてくれるかな」

「あぁ、分かった」

「属性は何を使えるのかな?」

「ほぼ全てだ」

「魔法は誰から習った?」

「全て独学だ」

 それから何個かの質問にクライシスは答えた。



「もう、いいのか?」

「まあね、君の強さなら学園に入るのにも問題はないし、編入という形にしてアークロイド君と一緒のクラスにしておくよ。ま、問題を起こさないように学園生活を送ってくれ」

「∙∙∙∙∙∙一つだけ聞きたいことがある」

「ん?なんだい?」

「あんたはなんでここの学園長をしている?あんたほどの男なら連合政府でも活躍できるだろ」

 クライシスの問いにラウルはハハハと笑って答えた。

「私も、もう歳なのだよ、クライシス君」

「そうは見えないがな」

「いやいや、それは過大評価だよ。魔法はともかく戦場で動くだけの体力はもうないのだよ」

「ハッ、英雄も歳には勝てないか」

それだけ言うとクライシスは踵を返した。

「それでは新学期にまた会おうクロイス君」







「あ、お兄ちゃんどうだった」

 学園長室を出るとティアが駆け寄ってきた。

「大丈夫だったよ」

「良かったですね。クライシスさん、いえ、クロイスさんと呼んだ方が良いですか?」

「周りに俺たち以外の奴がいるときは偽名を使え。後、別にさんづけはしなくてもいい」

「分かりました。そうすることにしますわ」

 それからクライシスたちは学園を出て街に出かけて行った。


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