第1章(1) 生徒会
「卓球部部長達が生徒会に何の用ですか?」
「生徒会、卓球部に最新機材を導入したいのだが」
「幾らですか?」
「ご...50万だ」
「ダメです」
卓球部の部長は少し顔を歪めると口を開いた。
「戦闘権を使う。方法は卓球のサーブでより速いサーブを売った方が勝者だ」
「わかりました。卓球台を用意して下さい」
こんな事になったのは生徒会長に原因がある。
今年某月。
「新生徒会になったけど...なーんか面白くないわねー...」
生徒会長の村本咲である。この学校では色々な要望がある。
野球部の遠征費を出してくれとか
最新機材を導入したいだとか様々である。
ほとんどが拒絶の為に、生徒会の好感度は低いものとなっていた。
「このままじゃダメな気がするな...うーん、そうだっ!欲しいものは自分でつかめっって事で、戦闘権をつくるわ」
戦闘権は自分たちのして欲しい事を生徒会と勝負して勝ったら採用と言うものだ。これで好感度も上がるし、楽しいから一石二鳥だねっ! だそうだ。
しかし、現実は勝てないし悔しいしと逆に好感度を下げる結果となった。しかも今まで味方だった委員会まで敵に回してしまう始末。毎日のように挑戦者が来てもう...
しかも全ての戦闘は俺任せ。もう俺はパシリ状態である。
そして今、卓球部との対戦に至る。
「ふっっ!」
卓球部との部長は声をあげるとサーブを打ち込んだ。サーブは綺麗な線を描きながら凄いスピードで飛んで行った。
「ふーめんどくさいなぁ...んじゃいきますよー」
彼が打った球は部長の倍は出てるだろうかと思わせるような球だった。
「またの挑戦、お待ちしておりますー」
卓球部部長は「クソッ」とかいいながら走っていった。
「よくやったな、矢子」
これが生徒会長の村本咲その人である。
彼女は満面の笑みを浮かべながら
「焼きそばパン買って来て」
「あ...私チョココロネで」
「俺はカレーパンな」
1人1人が勝手に決める。もうパシリ決定の瞬間である。しかも今は生徒会の公務中の為購買部には門前払いされる。
つまり、4キロ離れたスーパーかむちゃくちゃ近くてむちゃくちゃ高いパン屋しか無い。しかも自腹で...
あ...ちなみにチョココロネを頼んだのが書記の新倉ひとみでカレーパンが会計の佐上良である。
しょうがないので、スーパーまで走ること決定!以上。
走っているともうすぐスーパーというところで電話が鳴る。咲さんだ。
「もしもし?野球部から宣戦布告よ。今すぐ帰って来なさい」
「え?あ...でも」
「でももクソもないっ!今すぐ帰って来なさい!」
ここで電話が切れる。
なんて勝手なんだ。しょうがなくかえることにした...走ってる間に言う事じゃ無いが、俺は矢上才子。生徒会副会長だ。なんて独り言を言ってると学校に着く。
「おっそおおおおおおいっ!」
「あがっ!」
生徒会長の膝蹴りをくらった。
「野球部さんすいませんでした。うちの出来損ないが。要件は?」
「矢上才子っ!お前を野球部に入部させる事だ。」
「それは...」
俺は必死の抵抗を見せようとするが...
「わかったわ受けます。書記っ!記録お願い」
「りょうかいー」
野球部部長は少し考えると、
「方法は野球だ。お前らは、生徒会チームを作って野球部レギュラーとたたかう」
「おーけーよ。と言う事で矢子君っ!頑張って」