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Zbv prime  作者: はるまき
7/13

疑問



休憩が終わり、バスは再び走り出した。

窓はまた白い紙で塞がれ、外の景色は見えない。

エアコンの風だけが均等に吹き出していた。


しばらく沈黙が続いていたが、さきほどの同世代の男が、ぽつりと口を開いた。


「……ZBVって、何の略なんすかね」


声は小さかった。

主人公が聞こえるか聞こえないか、というくらいの大きさで。


「俺、気になって検索してみたんすよ。

でも何も出てこなくて。英語かドイツ語かも分からなくて……」


主人公は何も答えなかった。


男は自分の手をじっと見つめながら続ける。


「ゼット・ビー・ブイ……?

ゼロ・バイオレンスとか? ゼネラル……ボランティア……?

でも“Z”って、普通最後じゃないですか。

いきなりZから始まるって、なんか妙に不気味で……」


男は小さく笑った。


「意味なんか、考えない方がよかったのかな」


その声には、ほんの少しだけ、怯えが混じっていた。


主人公は、ようやく一言だけ返した。


「意味があると思うか?」


男は答えなかった。


バスの中は、再び沈黙に包まれた。

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