第7話 最強再び
「私の相手が務まるの?ミリネ」
「私も元は黒フードのグループなのよ、戦闘経験はあるわ!」
「ねぇ、私もミリネをやりたい。
裏切り者を殺したい〜」
クロハが言う。
「ファイアボール!!」
!
クロハは咄嗟に頭を下げて攻撃を避けた。
「クロハちゃんだっけ?私と1対1は怖いの?それとも妹ちゃんが居ないと勝てないわけ?」
「!」
「クロハ、どうする?」
「マリア、ミリネは任せる。
私はアイツを殺す!あの余裕そうな顔を滅茶苦茶にしてやりたい!」
「分かった、クロハ頑張れ」
「うん、終わったら一緒にミリネをグチャグチャにしよ?」
「うん!」
(えげつない言葉が聞こえたけど………まぁ、やらせる訳にはいかないわよね)
「じゃあ始めましょ?生贄の子……サクラ・ソラノ」
空気が変わった。
「ええそうね、勝たせてもらうわよ」
私もウォーターハンマーを構える。
「剣じゃないのね?」
「そっちこそ武器はあるの?」
「それはね……」
!?
(しまっ!?)
一瞬で私の懐に移動したクロハは正拳突きを叩き込もうとする。
「落ちろ!!!」
「ぐうう!!!」
私は反応に遅れ直撃する。
「がはぁ!……!?」
!
「ちっ、避けた」
(何なの!?あの子も覚醒でも使えるかしら?)
「ふふっ私の武器はこの手……武道よ」
「そう、なら私もやらせてもらうわ」
私はウォーターハンマーをアイテムボックスに片付け、呼吸を整える。
「へぇ〜貴方も拳で殺るつもり?」
「まぁそうね、あんたの武器が手なら私も同じのにしようとね。
卑怯すぎるかなってね?」
「許さない!私をナメてるでしょ!」
「いいえ、なめてないわ。
あんたの正拳突き……結構効いたもの、普通の人間なら即死ね」
「ふ~ん、まぁいいや……殺してあげるね」
!
クロハが襲いかかる。
「やああ!!」
拳同士がぶつかる。
(かなり強い!これが黒フードグループの一人!しかも子供で)
「やるね〜、私すっごく楽しくなってきた」
「ふ~ん、私は速く終わらせたいのだけどね」
!?
「くっ!」
またあの瞬間移動からの追撃、何なのこの子達は。
「ぎゃあああ!!!」
!?
ミリネがこちらに吹き飛ばされてきた。
「ミリネ!?大丈!しまっ!?」
目の前にはクロハの拳が
私は咄嗟の事で避けきれず
「きゃあああ!!!」
顔面に直撃し吹き飛ぶ。
ドカーン!!!
「やったねクロハ」
「マリアもね」
2人は嬉しそうな顔をしている。
「あ、あ」
私はふらふらしながらも立ち上がる。
頭から血が流れ頬まで垂れてきた。
(視界が歪む……このままじゃ私もミリネさえも……私に力があれば……旅をしていた時に出会ったあの、黒の王女…………)
「そろそろ終わりだよ、生贄女!」
「そうだね、クロハ。
私達の合体魔法でミリネ共々ぶっ殺そう!」
(くっ……このままじゃ)
「メガファイアボール!!!」
「サンダーボール!!!」
2人の放つ魔法は一つとなり倒れるミリネと私の方へと向かってくる。
(……死ぬのね)
(あ、私はあの時夢のように声をかけられていたのは死神からの予言だったのね……私に明るい未来など無い……私は1人で居ないといけない。
仲間は入らない……はぁ……死ぬのは怖いよリュウ……でもそっちに行ったら楽しいのかな?)
ファイアボールが近づいてくる。
「さ、サクラ……さん……逃げ……て」
ミリネの声が聞こえる。
「ミリネ……私達の旅は終わるよ……ごめんなさい……仇を討てなくて……本当に………ごめんなさい……」
そして
(やらせないわ!)
ドカーン!!!!
「やった〜!勝った勝った!」
2人はハイタッチをして喜ぶ。
「これであの方から沢山いいものくれるね」
「うん!クロハ、いっぱいお買い物しよ?」
「いいよ」
バチバチ。
「うん?」
2人は爆発した場所から音が聞こえるのが聞こえそちらを向く。
「なんか変だね?」
!?
煙が消えそこには
「な!?」
電気のバリアが2人を守っていた。
「何なの!?あれ!?」
「クロハ〜何なのあれ!」
「2人をやらせるつもりはありません。
貴方達は終わりです」
現れたのは半分だけ白い仮面を着けた女性。
髪は黒く片目は赤く染まっている。
「な、何者!?」
(だ……れ?………)
「私はブラックキングとでも名乗っておきましょう」
「ヤバそうだよ〜クロハ。
あの人を連れてこよう?」
「そうね!アイツならこんな女も殺れる!」
「あの人ってのがどんな奴かは知らないけど。
はい」
ドサッ。
クロハとマリアの前に投げられたのは男の死体だった。
!
「ひぃ!」
2人は腰を抜かす。
「闘技場に用があったから来てみたらこの男が闘技場のフィールドに居てね、攻撃してきたから殺したの。
見るからに悪そうだし、コイツも世界を闇に染めて破滅させてやる!!って言ってたし」
「グローリ!殺されていたなんて」
「クロハ〜このままじゃ!」
「ふふっ!えい!」
え?
マリアの背中を思いっきり押すクロハ。
突然の事で振り返るマリア。
しかしその目に入ってたのは逃げようとしているクロハが。
「クロハ!」
「最後くらい役に立ちなさいマリア!私の為にね!」
「え」
「お仲間に見捨てられちゃったね、マリアちゃんだっけ?」
「ひぃ!」
引きつった顔で見るマリア。
「大丈夫、アイツは私が殺す。
逃がしなんてしないわ」
瞬間加速!!
(ひひぃ、マリアが足止めしてくれている!その内に逃げちゃお!
ありがとねマリア)
!?
クロハの目先にはブラックキングが。
「最低な姉は殺すね!デッドオブファイア」
「ぎゃあああああ!!!!」
黒い炎に包まれるクロハ。
悲鳴を上げながらのたうち周りそして死んだ。
コツコツ。
「わ、私も殺すんですか?」
「そうね、悪い事をしないって言うなら命は助けてあげるわ」
「わ、悪い事しません!」
「そう」
ブラックキングは剣を取り出し
スパン!!
!?
「ぎゃああああ!!」
マリアの左腕が吹き飛びぼとりと落ちた。
「ぐぅっ……な、何で!」
「命は……って言ったでしょ?」
「誰も腕を斬り落さないなんて言ってないでしょ?」
「うっ死ぬ」
「グレードヒール」
!?
「傷が癒えていく……腕が再生してる?」
斬られた腕が徐々に再生していく。
「悪い腕を斬り落としたの、これでもう悪い所は無い。
その新たな腕で悪事を破滅させなさい」
「破滅?」
「その倒れている女はこの世界をきっと平和にしてくれるの。
私には分かるわ、何度も顔を合わせてしかも剣の修業もしてあげた。
この人について行き、グループを破滅させるの。
そうすれば、この先貴方にはきっといい事が起きるはず……今よりもね」
「貴方はグループを破滅させないのですか?」
「私は私の国と大陸を守って居るの。
他の大陸までは無理ね」
「………」
「それに私はもう自分の国に戻らないと行けないから………でも、貴方に少しだけプレゼントしてあげるわ」
そうしてブラックキングはマリアに近づき頭に優しく手を乗せる。
「我は黒のキングなり、この者に世界を救うための力を与える。
流動……黒の闇……」
!?
「あ、あがっ!?あ、ああ!頭が!!」
「大丈夫よ、そのままで」
「あ、あれ?……眠くなって……」
ドサッ。
「はぁ、疲れた」
コツコツ。
「…………様、こちらに居たのですね。
そろそろ帰国なのですが」
「はいはい、この子達を宿屋まで運んでくれるかしら?」
「倒れている2人とその少女ですか?」
「そうよ」
「そこで死んでいるゴミはどうします?」
「ほおっておいていいわ。
ゴミはゴミらしく、ここで朽ちるといいわ」
「そうですか、……………様、あの人が帰ってくるのでしょうか……私は……あの人にまた会いたいです」
「……なら必ず戻ってくるわ、私のとっておきのメイドなのだから。
さてと、行きましょう」
「はい」
そうしてブラックキングとメイドは3人を担ぎ宿屋へと戻るのでした。
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