第4話 突然の奇襲と出会う者
次の街へと向かっている道中、1つの家を見つけた。
扉をノックすると年寄りもおじいさんが出てきた。
「あの、この辺は大丈夫ですか?」
「噂されておる人まがいなるものじゃろ?知っとるわい、それにお前さんのこともな」
「自己紹介は無しで構わないわ、私はこの先にあるピレント街に向かうの。
そこにももしかしたら人まがいなる者がうじゃうじゃいると思うし」
「そうか、あの者が亡くなって数年はたったのぅ。
寂しいか?」
「いいえ、私は寂しくはありませんよ。
私の心の中にありますし、それにこのハンマーを持っていると少し感じるんです。
あの人の優しさのようなものが」
私はウォーターハンマーを見せる。
「呪い武器とは奴も不器用なもんじゃな。
それでそやつには毎日与えているのか?」
「ええ、今日の分はもうあげました。
………おじいさん……いいえ、イェル……呪い武器って他にもあるの?」
「あるぞ、じゃがそもそもそのハンマーもじゃが危険な代物なんじゃ。
人が持っていい訳が無い、お主がそれを持てるのは生贄の紋章があるはずじゃ」
「紋章?」
(そう言えばあんまり自分の体を見てなかった)
「それが無い限り、呪い武器は持てん。
もしも普通の人間に持たせでもしたらその者は死ぬ。
何をしたとしてもな」
「聖剣は呪い武器とは違うんですよね?
神から授かりし物って言われているらしいですね」
「そうじゃ、聖剣もワシらも見たことが無い。
お主が持っているその剣………見せてくれんかね?」
「はい」
私は剣を見せる。
「これは………英雄の剣じゃな。
世界に一本しかない代物じゃ、大昔に英雄なる者が邪悪なる者を倒した時に使っていた物と伝えられている物じゃ。
大事にするんじゃぞ」
「分かっていますよ、この剣で今回の元凶も倒してやります!」
「威勢はいいが奴も馬鹿ではない。
お前の心を動かす程の敵が来た時はどうするのじゃ?
例えるならお主の………夫とかな」
!
「それは……」
「剣を振れるかね?」
「………やります、例えリュウが相手だとしても私は………」
私の手は震えていた。
「無理なら元凶を倒すとかなどの馬鹿げた事はやらん方が良い。
死にに行くようなもんじゃ、お主は死にたくないじゃろ?」
「そりゃそうですよ!でも…」
「でも?」
「私は託されているんです、仲間から。
それに私は誓ったんです………もうリュウのような犠牲はだしたくないって」
「ふっ、そうか。
お主が元凶を倒したい……その思いは伝わった。
じゃがそれだけの力を今、持っているか?」
「それは………分かりません」
「相手の強さは未知数じゃ、もしもお主よりも上ならばお主は死しか無い。
鍛える必要がある、武器ではなくお主自身を」
その時
ドカーン!!!
(な、何!?)
近くで大きな爆発音がして家から出てみると辺りが更地になっていた。
「え?」
私が呆気に取られていると
「くふふっ、み~つけた。
生贄娘……何処に居るかなって辺りを爆発させといて正解だったみたいわ」
「貴方がこんな事を!?」
「そうよ、何か文句があるのかしら?」
「貴様ー!!この辺りの森を全部やり上がったのじゃな!
許さんぞ!!」
イェルがキレる。
「誰コイツ?」
「お前こそ誰じゃ!今回の元凶を考えるにその部下だと思うのじゃが?」
「ジジイはうるさいわね〜、はぁ〜………私はザクロミニウス様の部下、アリシア・シンセスですわ。
早速ですがジジイに用は無いので、そのサクラを渡して貰おうかしら?
その後私がコイツを殺しあの方に献上するのですので」
(アリシア?聞いたこと無い名前、それにザクロミニウス?それが元凶の名前なの?)
「私はあんた何かにやられない!あんたを倒し次の街に向かうわ!」
私は剣を鞘から抜き構える。
「へぇ〜言うじゃないの、でもあまり私の事をなめないでもらいたいわ。
ジジイが居るのにどう私を倒すのかしら?」
(くっ)
「サクラ、ワシの事は気にするでないぞ。
ワシはおいさきが短いからのぅ、じゃがお主は違う。
まだまだ色んな出会いもある!
ワシなんか構わんでいいぞ!!!」
「なら早速死んでもらうわよ!!!」
「くっ!」
(速い、私のスピードよりも上?)
「ほらほら!ちゃんと守りな!!!アイスバレット!!」
(くっ!)
「サクラ!!ワシなんかほっておけと言ったじゃろ!!!
ワシの言葉が聞けんのか!!!」
「覚醒!!」
!?
「ごふっ!」
私は瞬時に移動しアリシアに攻撃をする。
(何!?今のは!?)
「私はもう誰も失わせはしない。
私が守るの!!」
!
「いいね〜いいね〜!そう言うのが壊れたら貴方はどうなるのかしらね!」
「ぐっ!重い一撃…」
「でも!」
「神速斬り!!!」
「ぐはぁ!な、なんてやつ!」
直撃し倒れるアリシア。
「はぁはぁ」
「ワシの事はほっとけと言ったじゃろ?どうしてそこまで」
「守りたいの、私は………大切な人を守れなかった、だからこそ……私は誓ったから」
「アイスバレット!!」
!?
(くっ!倒れてなかった!?)
そこにはニヤけているアリシアが。
「隙ありね、はぁはぁ。
色々やってくれたみたいだけどこのまま行かす訳にはいかない!!」
するとアリシアは首元を見せる。
そこには赤く光る玉が付いた首輪をしている。
「これが何だか分かるかしら?」
「あんたが爆発するんでしょ?そして周りにもかなりの被害とか?」
「そうよ、ふふっ。
私をこれ以上攻撃するなら爆死するわよ?」
(くっ!)
「さぁ剣を鞘に戻しなさい。
そしてこちらに来るのですわ」
「誰があんたに」
「おっと?この場所が破滅してもいいのですか?
散々守るだとか言ってましたけどやっぱり自分第一じゃないですかそれって卑怯な奴なんじゃないですか?」
「私が行った所で殺されるのでしょ?」
「ええ、それは勿論。
あの方の復活には貴方が必要不可欠です」
「な何なのよ!あの方って!」
!
(あれは)
「あら?知らないのですわね、まぁ死ぬ者に言う事は無いですわ。
さ、速くこちらに」
コツコツ。
「嫌だと言ったら?」
「そんなに爆死したいのですか?余程の死にたがり屋さんなのですわね。
それじゃあダルいし死んでもらいますわ!さようなら!!!」
アリシアが爆死しようとした時!!!
「一閃!!!」
「がはぁ!!!あ………おの………れ………く、……あ……」
ドサッ。
「………やぁ、久しぶりだね」
「ええ、そうね。
あの時以来かしら、ファイブ」
それはファイブだった。
「助けたみたいだね」
「ふふっ、でもどうしてここに?」
「この近くに迷いの森があるのは知っているか?」
「ええ、知っているわよ。
入れば迷い、そして朽ちる場所って言われているわね」
「その森の長になったんだよ。
破壊活動なんてしてないぜ?」
「そうね、あの時はエイトとシックスも居たわね。
私はあんたと戦ってないから分からないけど、今はいい人みたいね」
「よしな、俺は森の長だ。
森に危害を加えるものは殺す考えだからな」
「そう、それで私に何のよう?」
「迷いの森は奴の攻撃で無に帰ってしまった、俺が守ってきた森は大切な宝だ」
「そう、私が居たばかりに申し訳ないわ」
「それで何だが俺に少しだけでいい、力を分けてくれないか?」
「その力を何に使うつもり?」
「森を戻す、俺の力でな。
しかし、あれだけの森を戻すには余程の力………つまり魔力がかなり必要だ。
お前ならそれだけの魔力を持っているだろ?」
「そうね、魔力は多い方だと思うわ」
「頼む、分けてくれ」
「ふふっ、助けられたのに貴方を助けないなんて言うわけ無いでしょ?
分かった、魔力を貸してあげる」
「ありがとう!感謝する」
そうして私とファイブは宙に浮かび
私はファイブの背中に触れる。
「魔力供給」
!?
「こ、これは!」
「ふふっ強力な魔力でしょ?」
「ありがたい、はあああ!!!」
ファイブは片手を地面に向け
「森よ、復活せよ………森の恵み………はああ!!!」
ファイブは片手から雫のような玉を地面に飛ばした。
「うぐっ!」
「大丈夫?」
「ああ、小さな力よ、森よ!復活せよ!!!」
ファイブは緑色の玉を飛ばした。
そしてそれは先に落とした雫とぶつかりそして地面にぶつかる。
ドカーン!!!
「ぐっ!!!」
「な、なんて圧なの!!!」
(ファイブの後ろに居るとは言えここまでとは!)
すると地面から小さな芽が生え始め、それは近くの地面から瞬く間に生え始めそして!
それは一気に成長していき大きな木となり、林となり森となる。
「す、凄い……」
「森が………ああ〜」
私とファイブの前には大きな森が復活したのだ。
私達は地面に降りる。
「ありがとう、感謝しかない。
森は魔物や動物達の家みたいな物だ、だからこそ復活させたかった。
長として」
「ふふっ」
「ファイブ」
!?
声のする方を向くと女のエルフが居た。
!
「ファルム!」
ファイブはエルフの方へと走る。
「森が復活して私も復活したよ」
「ああ、会いたかった。
お前が突然消えた時はどうなったと思ったが」
?
ファルムは私の方を向き
「ファイブに力を与えてくれてありがとう」
「私はファイブに助けられたので借りを返しただけですよ」
「これを」
ファルムは緑の球を私に渡した。
「これは何?」
「エルフとの友好の証みたいな物よ、それと私とファイブ、貴方との絆みたいな物」
「ありがとう」
私はこれを受け取り、アイテムボックスに入れた。
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