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第1話 舞い戻る生贄

私は急いでパーリナ街へと向かった。

 そこで私を待ち受けていたもの………それは。


 パーリナ街


 「くっ、何をするつもりだ!!」


 「はああ!!!我々はあの方のしもべ!闇に沈め!!!」

 兵士が冒険者を襲っていた。


 (こいつ!一体なんだ!?それに空の色がおかしい、これは)


 「むぐっ!?」

 突然後ろから首を絞めてきた。

 後ろをチラリと見る冒険者。


 「な!?」

 それは普通の服を着ている女性だった。


 (この人、街の人か!?)


 「クククッ覚悟!!!」


 「ぐわああああー!!!」

 兵士の槍が冒険者の体を貫く。

 しかもそれは後ろで拘束している女性をも貫いていた。


 ズボッ。


 冒険者は倒れる。

 

 (ちくしょう………クソ、視界が………死ぬ……のか?)


 「終わりだ!!!」

 兵士が倒れる冒険者にトドメを刺そうとした時!


 「やらせない!!!」


 ガキン!!


 飛び出したのはサクラだ。


 (この声……聞き覚え………が……)


 「ひどい傷!直ぐに終わらせる!!」

 私は武器を構える。

 武器はウォーターハンマーだ。


 「殺してやる!!!」

 兵士が襲いかかる。


 「はああ!!!デットパニッシュ!!!」

 私は下から振り上げる攻撃をする。


 「ぐわあああ!!!」

 兵士は吹き飛んでいった。


 「直ぐに回復させなきゃ!………スーパーヒール!!」

 私は倒れる冒険者に回復魔法を唱えた。


 「うっ……貴方は………」


 「私はサクラ、冒険者よ」


 「さ、サクラ?!………まさか、あの災厄を倒したあのサクラさん?」


 「はいそうですよ」

 

 「ふっ……ありがたいぜ。

 それよりも肩を貸してくれ、まだ力があまり入らないんだ」


 「いいよ」

 私は冒険者に肩を貸して立ち上がらせる。


 「ギルドに向かいましょう、そこなら安全だと思うし」


 「いや、近くの道具屋でいい」


 「………そうですか」

 私は不思議に思いながらも冒険者が言う道具屋に入る。


 そして近くの椅子に座らせる。


 「ありがとな」


 「いえいえ私は人助けは好きなので」


 「そうか、それよりもどうしてパーリナ街に?」

 

 「黒い煙が見えた方角がパーリナ街だったのでそちらに向かったんです。

 そしたら様子が変なので街を歩いていたら貴方が襲われそうになっていたので助けました」


 「そうか………今回の元凶は魔法使いだ。

 何やら怪しい煙を出していたからな、空が黒いのも奴だろう」


 「そうなんですか?じゃあその魔法使いさんをやっつければ終わりなんですね」


 「いやいやそう簡単に終わらないぞ。

 奴はあの怪しい煙で人を操り、強い冒険者を下僕にしている。

 多分パーリナ街のある程度の冒険者や住民は奴の手の中だ」


 「そう、でも兵士一人にボコボコにされるって事はその兵士、結構強かったのね」


 「いいや、兵士だけでは無かった。

 主婦が後ろから俺を拘束してやられたんだ、兵士一人ならなんとでもなっていたさ」


 「主婦?兵士しか居なかったけど?」


 「………まさか、いや………魔物にされた可能性がある」


 「魔物?!どういう事?」


 「どういう魔法か分からんがあんたが見た時には主婦は居なかったんだろ?

 だとしたら主婦も魔物にされ兵士の一撃で倒されて消えたんだろう」


 「え!………いやでも魔石は?魔物には魔石が必ずあるはず」


 「多分魔石も兵士の槍で破壊されたんだろう。

 普通ならあり得ないがな」


 「そうなのね、ねぇ貴方の名前は?」


 「俺か?俺はアリア・クラン。

 ただの何処にでも居る冒険者だよ」


 「そうなのね、私はs……」


 「サクラ・ソラノだろ?知ってるぜ、前の災厄でもある奴を倒したんだろ?

 すげーじゃねぇか」


 「いいえ、あれは私だけの力で倒した訳では無いわ。

 みんなのお陰もあるし、犠牲になったあの人達もみんなが居てくれた勝利なの。

 私だけでは無いわ」


 「犠牲になった人ってあんたの夫とかか?」


 「ええ、そうよ。

 リュウ・ジャバ、私の最高の夫で私を導いてくれた人。

 でも、災厄なる者に敗れて殺された。

 それに私のお姉ちゃん的存在のミオリさんも殺されて………だから私はもっと強くなるためにそれと世界を知る為に旅に出たの。

 世界でも災厄なる者も居たし、楽しい事もあった。

 だからこそ、今起きている騒動は必ず終わらせるつもり。

 命を捨てる覚悟もあるわ」


 「そうか、あんたも色々とあるんだな。

 悪いな変な事言って」


 「別にいいわ、過去を引きずっては前には進めないもん。

 今は生きているリュウの妹や情報屋の妹達と楽しく過ごしているの」


 「それなら尚更平和にしなくちゃな」


 「ええ、アリアはこの後どうするの?」


 「俺は俺で奴を追うつもりだ、それじゃあな」

 アリアはそう言いさっそうと行ってしまった。


 (ふふっいい人ね、やっぱりこの大陸の人達は)

 

 コツコツ。


 !?


 足音がして振り返るとそこには黒いフードを被る男が居た。


 「お前がサクラ・ソラノだな」

 男は言う。


 (コイツ一体どこから?気配も感じなかった)


 「そうだったらどうするつもりかしら?」


 シャキン。

 男は剣を鞘から抜き構えた。


 「こうする」


 「話だけでは駄目みたいね………」


 「クククッ、お前の力は知っている。

 呪い武器を扱うただの村人なんだろ?」


 (何で私が村人って分かる?誰にも言ってないはず)


 「さぁそれはどうでしょうかね?それはそうと………私の力……見せてあげる!!!

 はあああ!!!」


 !?


 (な、何!?この力は!?)


 私は魔力を解放した、周りから強い黒いオーラが溢れる。

 

 「悪いけどね、私は色んな世界を見てきたの、そこで色んな冒険者や能力者を見てきたの。

 だから、あんたなんて一瞬で潰せるわよ?」


 「ほざけ!!!!」

 男が風の如く素早く斬りかかる。


 「よっと」

 私はギリギリの所を避けて


 「ダークウォーター!!!」


 「ぐわあああー!」

 黒い水の塊が男を襲う。


 (グッ、この水……何か変だ)


 「拘束せよ!」

 私がそう言うと黒い水は男の四肢を拘束した。



 「この水、何かあるだろ!!」

 男が聞いてきた。


 「ふふっ、私は呪いの力を手にしてるの。

 それに私は生贄だった……暗い闇や漆黒、悪は手慣れているの」


 「何が言いたいんだ!」


 「つまり、その水は私の力そのもの。

 まぁ一部だけどね、だから頭で考えた事を勝手にしてくれるの。

 それにその水には拘束した相手の魔力を吸い取る効果があるの」


 !?


 「な、何!?こ、コイツ!!!」


 「戦う相手を間違えたね、私の力をナメているでしょ?

 私はある人よりは弱いかも知れないけど、それなりに強くなったの」


 「ある人って誰だ!言え!そいつを始末してお前の前に突き出してやる!!」


 「ふふっ」


 「何がおかしい!!!」


 「あんたが勝てる相手じゃないし、私でも2秒もあれば殺されるわ。

 それくらい強い人よ」


 「は?2秒?嘘言え!!」


 「名前は伏せておくわ、でもその人は王女様なの。

 とてつもない力を持っている、私がその人の実力を見た時、この人に負けると言う言葉は無いだろうなって思ったの」


 「クククッ、こんな拘束なんて!!!」


 「元凶の名前を言いなさい、そしたら助けてあげるわ」


 「嫌だね………世界を破滅させる為ならこの命くらい!」


 「そう、じゃあバイバイだね」

 私はウォーターハンマーを持ちながら男に近づく。


 「は?お前は女だから人殺しなんて出来るw……」


 ズシャ!!!


 私は男の頭をウォーターハンマーで潰した。


 「悪いけど私はこんな脅し文句で手を緩めるつもりは無い」


 (あ~、殺しちゃったから元凶の居場所分からないや………あ、そうだあの人達に会わなくちゃ)



 

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