コーヒーグラウンズ
ワンルームアパートの一室。パソコンのキーボードを叩く音とコーヒーの匂い。
綺麗に片付いた部屋だったが、パソコンの向かい風野雪子の顔は、真剣そのもの。
雪子は副業でライターの仕事をしていた。アラフォー独身の雪子でも、会社員の収入に不安があり、こうして副業をしていた。といっても、すぐに結果はでず、まだまだお小遣いレベルだったが、土曜日の昼間に集中しパソコンに向かっていると、充実感もある。コーヒーも美味しい。
「はぁ。今日も頑張って書いた!」
コーヒーを一口飲み、一休み。良い香りのコーヒーだ。ハンドドリップで淹れたが、少し気になる事が。
「このコーヒーカスって勿体無いな。なにか活用できない?」
気になった雪子はさっそくネットで検索。調べるとコーヒーカスは、コーヒーグラウンズとも呼ばれているしく、消臭効果が高いという。少し濡れている方が消臭効果があり、そのまま捨てるのはもったいないとの事。
という事で雪子もコーヒーカスを活用した。紙コップにコーヒーカスを入れ、玄関、トイレ、流しなど臭い気になる所に置く。
正直なところ、消臭効果は目に見えてわからないが、薄くコーヒーの香りがするようで悪くない。
「乾燥させて、ポプリにする方法もあるのかー」
その方法も試し、ベッドサイドにぶら下げておく。リボンもつけて我ながら可愛くできただろう。インテリアとしても悪くない。
まだまだ先行きは分からない。未来がどうなるのか。雪子の頭では、全く想像出来ない事もあるだろうが、こうしてコーヒーカスも活用出来ている。工夫次第で出来る事はまだまだ沢山ありそうだ。