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おいしい珈琲物語〜珈琲と共に読みたい短編小説集〜  作者: 地野千塩


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コーヒーベース

 数年前のパンデミック以来、在宅ワークに切り替えた。よく言えば時間に余裕がある。悪く言えば、暇。


 そんな時、ついついスマホでゴシップを追ってしまう。芸能人の不倫、政治家の失言、SNSの差別発言など、話題は全く尽きない。昨日は外国人差別をしたSNSのアカウントが炎上。ニヤニヤしながら、その経過を追っていた。


 気づくと一時間、二時間と時間が流れていた。


「え? もう夕方?」


 しかもSNSから人々の怒り、悲しみ、やるせなさといった感情も受け取ってしまったらしい。疲れた。アラフォーだからという理由ではなく、肩がずんと重い。


「と、とりあえず、SNSを見るのはやめよ」


 キッチンでも向かい、コーヒーでも飲む事にした。豆は切れていたが、コーヒーベースは冷蔵庫にあったので、それを使うことに。


 グラスにコーヒーベースを注ぐ。闇みたいな色だ。匂いも濃い。まるでSNSで炎上やゴシップを楽しんでいる時の心みたい。


 慌てて冷たい牛乳を入れて薄めた。グラスの中身は淡い色に変化していく。


「そっか。いくら時間があるからってSNS見過ぎるのやめよ……」


 そんな気がした。


 明日はコーヒー豆を買ってこよう。SNSを見る暇もないぐらい、丁寧に挽いてコーヒーを淹れてみよう。


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