第2話クラスメイト
クラスに入り、自分の席に座り、
毎日思うことがある。
幼馴染の席の周りに人多過ぎだろ!
幼馴染が席に着いた瞬間に
幼馴染に挨拶し、そのまま席を離れないで
ずっと喋り続けている。
そこにはもう人だかりが出来ていた。
あいついつも通り相変わらずだな…
まあ俺も相変わらずだが。
俺がクラスに入った時に
挨拶してきた人はいなかった。
というか見向きもされなかった。
同じ相変わらずだが、幼馴染とは対照的だな
まあ慣れたしな。
でも流石に見向きもされないのは
心にくるものがあるが、
どうせ友達つくれないだろう
俺は半分開き直っている。
そんなことを考えていると…
「よっ! おっはー! 良一!」
誰かが話しかけてきた。
そうだった忘れていた。
俺にクラスで幼馴染以外に話しかけて来る奴が
1人いた。
でも誰だっけ…?
あぁそうだ思い出した。
確か名前は夏樹 龍太。
しかし友達かというとなんというか怪しい。
何故なら…
「桜井さん紹介してくんね?」
二言目毎回これなのだ。
幼馴染とはクラスでもよく話す。
だが幼馴染は誰にも優しいので、俺の1人ぼっちを
哀れに思って話しかけているというのが
クラスメイト達の考えだ。
実際当たっているところもあるが…
だがあまりに幼馴染が俺に話しかけるので
幼馴染目当てに俺に話しかけてくるやつは
少なからずいる。
「紹介ってなんだよ
自分で話しかけてこいや」
「いやだってさ 桜井さんに話しかけようにも
女子軍団が守って話しかけられないじゃん」
「だから俺を通して紹介してほしいと?」
「そう!頼むよ!」
「いやだ。 自分でいけ」
「いつもそれだな!
たまには良いじゃんかよ!」
「何話してるのー?」
話の途中で幼馴染が話に入ってきた。
クラスの視線が集まる。
さっきまで誰も見てこなかったのに
幼馴染やっぱりすげぇな
幼馴染がこっそり俺に言う。
「お前に友達なんていたのか?
いやこれは友達じゃないな
ひとりぼっちを哀れんで話しかけあげる
心優しい善良な人間にも見えんし
騙されるなよ あれは騙そうとしているぞ」
「なんでそう思うんだよ」
「お前みたいな典型的なひとりぼっちな
インキャに話しかけてくるやつなんて大抵
頭のおかしいやつぐらいだ」
お前だって俺に話しかけてくるのに
ブーメラン刺さってないか?
「じゃあお前は俺を騙そうとしているのか?」
「黙れ」
いや否定しろよ
「あのー??
さっきから何話してるんだ?」
「いやー なんでもないよー、
それで龍太君と良一君は
何話してたのー?」
誰だこいつ。
喋り方変わり過ぎだぞ。
「いや…それは……」
龍太は顔を赤くして黙ってしまう。
こいつ…騙されやがって…
「こいつがお前と仲良くなりたいってさ」
「ちょっ! ばか!」
「えー? 本当ー?
本当なら嬉しいなー」
「あ、あぁ 本当だ。
だからメール交換してくれないか?」
「ほんとにごめんー
私携帯持ってないんだー」
嘘だこいつ
何故なら幼馴染は
朝俺に電話してきたからだ。
俺がすぐに家を出たときに
すでに家の前にいたということは
固定電話等ではない
携帯以外あり得ないのだ
「えっ? あっあぁそうか
ならいいんだ。」
こいつ、諦めたな。
「でもクラスで自由に話しかけてねー」
「あぁ わかった。」
龍太は自分の席へと帰っていた。
小声で幼馴染へ囁く。
「お前なんで携帯持ってるんだったら
交換しろよ
幼馴染が小声で言う。
「あんな仲良くしたいとか見え透いた建前で
交換するか。
直接聞いてこない時点でダメだ」
「おま 厳しいな」
「当たり前だ、毎日の様に他クラスから
交換を誘われるからな
まあ私は可愛くて愛嬌があって
胸もあるからモテて仕方がないがな」
そういってドヤ顔を決めている。
「お前それ自分で言うなよ
まあ胸あるのは事実だが」
「他のも当たっているだろう?」
「まあぼちぼちは当たってるんじゃね
知らんけど」
幼馴染はクラスや他クラスから清楚キャラと
思われているのに本性はこれだ
俺以外のみんなが騙されている
まあそれでも幼馴染のことは嫌いには
ならないけどな
「お前俺と俺以外に対しての反応違い
過ぎるぞ なんでなんだ?」
「それは……お前だからだ!」
「??? どゆこと??」
幼馴染の言っている意味がよくわからない
「ならもういい!」
幼馴染は不貞腐れたように席は戻って言った。
幼馴染が珍しく大きな声で言ったせいで
クラスメイトから俺がなんかやらかしたと
思われてるんだが
視線が痛い…
一体どういうことだったんだろうか?