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庭園
「特別になろうとしちゃいけないよ」
と、彼は人差し指を立てて笑った。花壇に咲いた光を孕んだ花たちは、彼の指先に触れるたびに、鈴のような音を立てた。
「ほら、これは僕が気休めの指先に過ぎないからこそ、魅せてくれる音で、光で。掴み取ろうとしてもご覧よ。彼女らはみんな蝶になる」
緑が美しい庭園の中に、真っ白の蝶がひらひらと高く飛んでいった。彼の手はまだ彼女が花だった頃の形のままだ。
忘れられないんですか、私の身体は勝手に動いていた。
「特別になろうとしちゃいけないよ」
と、彼は人差し指を立てて笑った。花壇に咲いた光を孕んだ花たちは、彼の指先に触れるたびに、鈴のような音を立てた。
「ほら、これは僕が気休めの指先に過ぎないからこそ、魅せてくれる音で、光で。掴み取ろうとしてもご覧よ。彼女らはみんな蝶になる」
緑が美しい庭園の中に、真っ白の蝶がひらひらと高く飛んでいった。彼の手はまだ彼女が花だった頃の形のままだ。
忘れられないんですか、私の身体は勝手に動いていた。
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