肉壁
「じゃあ行くわね。」
「く!来るな!」
この間、2度3度剣を交わらせているがもはや比較のしようもないくらい力の差が出ていた。兄の剣はボロボロだった。
「さあ終わりね。」
一歩踏み出そうとして、閃光が穴に落ちた。
「フハ!バカめ。酸液」
その穴に酸性の液体が降りかかり,,,
「あああ。」
「あなたなにやってるの?」
タカミネが、閃光に覆いかぶさっていた。すこし煙が出ているがほぼ無傷ではあったが
「ならこれで終わりだ。」
上から弟が毒の手刀でタカミネの背中を切り
「これで一人終わりだ。」
「え?」
「え?」
なんの傷もなかった。服がはだけたが
「エッチ。」
「おまえ一体どうなっていやがる。」
「あんたの相手は私よ。」
閃光が背中に回り込んで、魔人の背中を
「酸の鎧」
膜が魔人を包んだが
「光一閃」
閃光の斬撃が鎧ごと魔人を切った。否、焼き切った。
「ぐは。」
兄弟のうち兄は死んだ。そして、弟は
「兄者がいない世界で俺がいる意味はない。」
両手を挙げて降参していた。
「そうかしら。まあ、降参するのは勝手だけど。魔人を生かしておく意味はないから。」
閃光が両断しようとして
「ちょっと待ってください。」
タカミネが止めた。片腕が切られたが
「あなた何やってるの?」
閃光は正気を疑ったが。
「これはだいじょうぶですよ。」
「え?」
「僕の魔法で治りますから。」
「「え??」」
「それよりもですよ。なぜ殺すんですか?」
「魔人は、殺しておかないとまた。」
「それは人類側の感情ですか?それともあなたの感情ですか?」
「それは。」
「生け捕りにして情報を聞き出したほうがいいと思います。」
「!そうだな。」
その後は、魔人は捕縛され魔術協会へと引き渡されることとなった。閃光は魔人を連れて都市へと帰っていった。
「ああ。あれが魔法か。」
正直耐性がなかったら俺も死んでたわ。運良くいい耐性があって助かった。
「それにしてもギルマスは?」
「彼なら閃光に呼ばれた魔術師が運んでいったわよ。」
そう言ったのは受付嬢だった。
「ありがとね。みんなあなたのおかげで助かったわ。」
「俺は何も。」
「そう。ここは私のふるさとだから。余計に嬉しかったわ。」
そう言うとほっぺにキスをして受付嬢は去っていった。タカミネはしばらく気絶していた。
この都市は、日本で言うところのアニメのような科学技術が発達したような都市になっていた。かつての帝都、今は人類の住む土地では一番栄えているところになる。
魔術師の本拠地にして首都。その中に魔術協会もある。協会は、今回の閃光からの報告を受けていた。
「以上になります。」
「そうか。ご苦労。さすがは次代の10英。魔人の討伐に生け捕り。十分な成果だ。」
「ありがとうございます。」
「うん。でだ。もう一つの奇妙な魔術師についてだが?」
「報告したとおりです。」
「ふむ。そうなるといずれはうちに引き込みたいところじゃな。無属性魔法の可能性あり。これはでかいが。」
「なにか問題が?」
「冒険者ギルドじゃよ。奴らは会員の引き抜きに厳しくてな。敵に回すと厄介なんだ。」
「なるほど。」
「だから今は保留ということにしておこう。まだ目立った成果もない。無属性魔法はうちは3人おる。」
「ですが。」
「ああ。みなまで言うな。」
協会の重役はしばらく考え込んでいたが
「とりあえず保留としておこう。それよりもこの都市は本当に侵攻を受けてから取り返したのは久しぶりだから本当は飲みたいんだが。」
「そうですね。」
「まだまだ魔人に占領された都市は他にもある。これを機会に反撃に移ろうかの。」
「はあ。」
「そのためにはお前たちに活躍してもらうことはもちろんだが。10英にも招集をかけるか。」
「ああ。あの人たちを。」
「指示としてお前には先行してある都市に行ってもらう。いいな?」
「わかりました。」
「よし。じゃあ早速行動だ。」
「はい。」
「にしてもあの子なかなか生意気ね。フフフ。今に見てなさい。」
タカミネは、知らぬところで火薬をばら撒いていた。
「これからどうするの?」
「そうですね。今は何も考えられないですがまだこの街で少しでも強くなれればいいかなと思っています。」
「そうなの。ならまだ一緒に入れるわね。これからもよろしくね。」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」
そういって受付嬢と別れるタカミネ。
「そういえば名前を聞いてなかったですね。」
「わたしは、アンジェリカよ。よろしくね。タカミネくん。」
「こちらこそ。」
挨拶を終えたタカミネは、町を歩いていた。
「うーん。気持ちいい。けどこの街の様子はどうしようもないなあ。」
壊滅状
被害者たちは3日間この毒に苦しんだのち亡くなるものもいた。この状況を協会は重く見た。無属性魔法使いに対する配慮かとにかく協会はこの人を送り込んだ。
「」
リンネだった。基本的な特性として主に浄化をもっているリンネの魔法により被害者たちはなんとか毒から次々に回復していた。
「ありがとうございます。」
「いえ。これで大丈夫ですよ。」
リンネがそういって小さな子供の治療が終わった。
「先生、ありがとー。」
「よかったね。」
リンネは子供に笑顔で対応していた。
「どうもすみません。リンネさん。」
「アンジェリカさんもお疲れ様です。書類作業大変じゃないですか。」
「先生たちよりは全然ですよ。このあとよろしければどうですか。お疲れさまということで。」
「一杯だけでしたら。」
「そう来なくっちゃ。じゃあまたあとで。」
「ええ。」
アンジェリカもそう言うと出ていった。
「にしてもここは残ってよかったの。」
「はい。アマミさん。」
「魔人に占領される街が今もどんどん増えておるからの。」
「そういえば町の奪還作戦がそろそろ始まるんじゃないですか。」
「そうなのか。」
「ええ。確かライザ先生の指揮でそろそろ。始まるとか。」
「ほう。それは僥倖じゃの。うまくいくといいがな。」
「そうですね。」
この会話をする時刻はすでに夜だった。




