同行する魔術師
「俺達冒険者は魔獣を狩ることで生計を立てている。戦闘方法はいろいろだがな。」
「じゃあ今日の相手のゴブリンはどんな方法で倒すんですか?」
「ゴブリンか。」
ゴブリンはこっちの世界では雑魚である。しかし、もしかすると強敵という可能性もなくはない。
「魔法一発だな。」
そんなこともなかった。
「にしてもこメンバーって強そうですね?」
「そうだよ。みんなAランクの冒険者、君は貴重な新人だからギルドも手厚いサポートをしているんだろう。」
「え?そんなに危険なんですか?」
「まあこの一年でだいぶ変化したからね。一番は環境の変化かな。こんなふうに普通の天気なのはここらへんだけだからね。」
「へえー。」
「ああ。そうだ。戦うときはこの守り袋を持っているといい。」
渡されたのは小さな袋だった。
「これは。」
普通にゴブリンであった。なんかそこらへんの人々を襲ったときに入手したものを着たりしていた。チンパンジーか!
「まあ初めてだろうから僕についてきて。」
優しいなあこの魔術師。なんかいいね。
「わかりました。」
そう言われゴブリンのすみかに向けて突っ込んでいく。他の冒険者もAランクというだけあってやはりゴブリンを瞬殺していく。これさー一つ思ったんだけどAランクの人がこのクエストやる必要あるんだろうかとは思ってしまうよねー。
「おい。お前もそこのゴブリンをその刀で切ってみろ。いい経験値になるし早くしないと来ちまうぞ。」
「わかりました。」
何が来るんだろう?そう言いつつ弱ってゴブリンを刀で切る。ゴブリンも抵抗してくるためかなかなか切れな。すると、何やらゴブリンから流れ込んでくる。
「それが経験値だ。それで冒険者はレベルアップするんだよ。」
なるほどね。これなら倒せばいいだけだ。
あらかた片付いてあとは親玉のホブゴブリンだけとなっていた。でかいゴブリンだけに刀で切られてもまだまだ余裕はありそうだがもう虫の息だ。
「よし。止めはお前だ。」
え?
「どこをやれば?」
「うん?首だ。びびってないでもう虫の息だから行ってみな。」
よし。初めてのモンスター刈り。さっきのとは違い強そうだけど前世とは違う自分になるんだ。
「うりゃー。」
ホブゴブリンの喉に刀を突き立てると倒れた。
「レベルが上がった?」
「おおー。おめでとう。経験値が高いモンスターだったみたいだな。」
「よしゃー。」
これってもしかして俺は将来の希望になるストーリーじゃね?
「おい。あれを見ろ。」
「うん?あ。みんな来たぞ。今日は結構大規模なクエストだったからくると思っていたが。」
何?皆さん急に慌てて。視線の先を見てみると何やら人型だけど明らかに人間ではない生き物がいた。
「魔人だ。お前らは絶対に動くなよ。こういうときの魔術師だからな。」
「え?魔人ですか?」
「知らないか?ここ一年で変わった最も大きなものだ。」
「強いんですか?」
「当たり前だろう。本当に知らないんだな。まあいい。とにかくこいつが出るから魔術師の同行は必須になってしまったんだ。」
「そうなんですか。」
確かにゲームのラスボスに出てきそうな雰囲気がする。これはやばいな。
「どいててください。冒険者の皆さん。」
「あとは任せたぞ。魔術師。」
「ええ。」
魔人は、つかつか歩いていく。そして、魔力を右腕に込め
「泥沼螺旋」
なんかすげー強そうな武器出てきた。
うわー。なんかすげー。
「彼はこの街というより人類の次世代エースだ。」
「そんなに強いんですね。」
「ああ。すげーぞ。」
魔人が地面に手をついて泥を形作る。魔術師は、腰のあたりまで沈まる。
「やばくないですか?」
「いいから。」
すると、
「岩石柱」
泥沼から岩が生えてきた。
「あらー。」
魔人は、必殺の魔法が通用せず動揺していた。
「もう終わりか?なら」
「白蛇」
魔神の周りから岩が次々に湧き出してどぐろを巻き魔人を捉えて圧力で潰してしまった。
「あらー。こりゃー。」
「な?すげーだろ?」
「なんであなたが誇らしげなんですか?」
「細かいことはいいんだよ。」
さっきの魔法による戦闘はとてもすごくレベルが高いものだったな。でもゴブリンと冒険者が戦うときも似たような技みんな出してたけど?
「さあ。俺たちも帰るぞ。」
「はい。」
こうして俺たちは帰路につくのだった。
「ああ。疲れたー。なんかやばいわー。」
冒険者と魔術師の力ってどう違うんだろうな?あとは魔物より魔人のほうが強いのはよくわかった。俺はどっちなんだろうな?睡眠魔法特に今のところは発動する兆候もないしもう疲れたなー。寝よ。
「どうしたんだ?」
「いい加減ケリをつけろ。あいつが戻ってくるか分からない以上はジョージ抜きで話をすすめるべきだ。」
「しかし。あいつの力なしには神に対抗はできないだろう。」
「しかしこのままでは発展もクソもなく神の言いなりだ。それでは人類の復興にはつながらないぞ。」
「クソ。」
「亜人の力はどうなんだ?」
「何?」
「10英も今や空席もあるが新世代が力をつけている。リンドバーグがそうだ。」
「あいつだけでは。」
「他にもアリシアやマハメト学院の選手も十分な実力があると聞くが?」
「しかしだな。」
「とにかくだ。この一年で新世代が力をつけて対抗できるようになってきた。アーノルド家の三男は戻らない。現実的に見るともう限界に来ているんだ。」
「わかった。あいつをかばうのはやめよう。しかしあいつがあのときああしかしなかったら今の新世代の台頭がありえないのも覚えとけよ。」
「無論だ。しかし魔人の封印の件、あれは聞き出さなきゃならない以上は懸賞金はそのままだ。わかったな?」
「クソが。」
そう言ってアルドは出ていった。
「はあー。疲れるねー。」
「そうだな。穏健派もこのままどうにもならないなら神への反逆ももう少し先になりそうだな。」
「ふ!とんだ詐欺師だな。お前も。」
「まぁ。それもまだ先の話だ。」
「そうか。あいつが魔術師か。これは口外をしないように。」
「え?ギルドリーダーそれはどうしてですか?」
「うん?簡単だ。魔術師協会に依存しなくて良くなるようにお抱えの魔術師を育てるということだ!あいつにはうちの専属になってもらう。」
「おぉ。それはいいですね!」




