クズの担任
[どうだった?彼の力は?]
[正直あれは、想定外だ。しかも、あれでまだ本気を出していないようだ。]
[それは、君もじゃないのか。]
[いや、正直本気でも勝てるとは思えない。]
[そんなレベルか。しかし、やつはいざとなれば我が学院に力を尽くしてくれそうか?]
[私がそんなことを計れる分けないだろ。ただ、あいつは一筋縄ではいかないだろうな。]
[そうか。]
[何か考えているのか?]
[いやなに。少し隣国の動きが活発でね。]
[隣国?アルーシャ帝国か?]
[ああ。そろそろ動き出しそうなんだ。]
[いや疲れた。今日は疲れた。]
[ジョージくーん。お疲れ様ー。]
[リンネか。]
[何よその言い方?それよりライザ先生に勝ったらしいじゃん。]
[ああ。なんか床に段差があってつまづいたみたいだったからちょっと蹴り飛ばした。]
[アホなの?マイカ先生?]
[ああ。アホだ。]
[ふーん。ね。それよりさこの後時間ある?]
[空いてるよ。]
[じゃあちょっと付き合ってくれない?]
おいおい。これはなんだよ。急に。やべえ心無しかリンネがかわいく見えてきた。
[いいよ。]
[じゃあこの後学校が終わったら集合ね。]
[わかった]
[今日なんかSクラスに新しい先生が来るらしいよ。]
[えー。そうなんだ。どんな人なの?]
[それが10英の一人らしいよ。]
[へ?それやばくない?だれなの?]
[清流のリンシアだ。]
リンシア?なんか聞いたことあるようなないような。すると別のクラスメイトたちは
[なんか今日からうちの先生が代わるらしいよ。]
[え?だれなの?]
[ライザ先生だって。]
[本当に!?もしかしたらこれで成績が上がるかもね。]
[うん!ほんとね。まずはEクラスだね。]
[じゃあアンジェリカ先生は?]
[アンジェリカ先生は副担になるんだって。]
へーマイカが先生に?なんてこった。これじゃ俺の平和な学院生活がおさらばじゃないか。オーマイガ。
一時間後、
[今日から担任になった。マイカだ。みんなを三年後には立派な進路に導いていこう。よろしく。]
[先生〰️。それって俺たちを騎士団や魔術師としてってことですか?]
[そうだ。みんなをSクラスにも劣らぬ進路にして行く。]
オオー‼️クラスメイトたちが歓声をあげる。へーすげー自信だ。なんか嫌な予感もするのだがね。
一方、Sクラスでは、
[今日からこのクラスの担任になったリンシアよ。よろしくね。]
リンシアは、青い髪に青い目をしたまさに清流にふさわしい外見だった。
[先生〰️。僕たちに何を教えるんですか〰️?僕たちは全員が2つ名持ちですよ〰️?]
[そうですね。ではその考え方から矯正していきましょうか。]
[え?]
[いえ。今はなにもないですが皆さんは力は持っていますが心はまだ実戦についていっていません。それに力自体も今はまだ発展途上です。ですからそれを極めていくことで更なる力を得ることもできますし落ちぶれていくこともあります。なのでまずはその力の制御と弱点の矯正からしていきましょうか。]
[な!?俺たちが?]
[そうです。皆さんも足が掬われないともかぎらないので。]
[黙ってりゃ好き勝手なことを。]
[では、納得のいかない方もいるようなので明日から教えていきましょう。]
職員室で。
[どうだった?リンシア?]
[もうダメね。くたくた。Sクラスだからやっぱり力の雰囲気は10英には劣るけどそれでもすごいわね。ただみんな奢ってるわね。]
[そりゃあ小さい頃から力を持っていたからしょうがないところもあるだろう。]
[ただそれが隙に繋がることもあるから矯正していくことにしたわ]
[真面目だな。リンシアは?]
[そっちはどうなのマイカ?]
[こっちはとりあえずみんなを持ち上げることと力を強めていくことにしたよ。]
[それもそうよね。自信がないと力を強めることもままならないでしょうから]
[ああそうだ。]
[そういえばあの男の子は?あなたが負けたっていう。]
[あいつだけはどこか遠くを見ていた。私にも計り知れないよ。]
[へー面白そうね。]
[やつは何か秘密がある。そう思えてならないよ。]