亡霊
「幻想?何をいっているの?」
「あなたは、今までの記憶をお持ちですか?」
「もちろんですよ。だって、ここ最近は、政治の流れが悪くそれをたちきるためにあなたに協力を。」
「、、、。あなたのお名前は?」
「スズムラ サトコですが。」
「一回、この鏡で自分の外見を。」
「嫌です。」
「なぜですか?」
「なぜかは知らないですが見たくありません。」
「見てください。」
「嫌です。嫌です‼️」
かたくなに拒むスズムラ首相。
共和国での部隊の活動は、まず魔人の魔力の発生地点と被害状況の把握からであった。また、共和国における10英との連携、首脳との連絡交換も密にする必要があった。その過程で、敵にばれることを恐れ魔法道具を使った隠密なやり取りは物珍しい感じだと後でジョージは語っている。
しかし、敵も俺たちにばれることを考慮していたのだろう。罠を仕掛けていた。それがこの混乱した状況に繋がっているのである。この策を労した者は敵も考慮しての策であり当然万全の状態で望んでいた。また、もう少しこれで時間が稼げるとも考えていた。
しかし、見つかるきっかけがジョージが広場で見たスズムラ議員の演説映像であった。共和国の人たちはおかしいと思っていなかった、また、部隊や世界連合の首脳も特に異変を感じていなかったため、もしかするともう少し遅くなっていたかもしれない。そうすると、全てが完成していた。
これを防いだのもこの捜索にジョージが加わっていたからであり敵からすると誤算の一つであっただろう。ジョージは、過去をさかのぼり映像で確認していた。敵にしても未来からの敵の視線にまで魔法を使うことはできなかった。特に、1ヶ月後のことなのでピンポイントでごまかすのは不可能に近い。なので、親友のリンネ、家族以外で素顔をしる数少ない人物であった。偶然かもしれないがそれが手掛かりとなった。
「さあ、見るんだ。」
「、、、。」
その圧にさすがにスズムラ議員も蹴落とされるように鏡を見た。
「これが私?」
そこにあった顔になによりも驚いたのはスズムラ本人だった。
「なにこれ?こんなに若かったかしら?あらやだ。もう。」
誤算だったとすれば、喜んでいた。
鏡に映る顔、それは、まぎれもなくルビーの顔だった。
「どういうことだ?」
「あれが、スズムラ議員じゃないの?」
「違う。あれは違う。あれは、王国で行方不明になり俺が捜索をしていた女子高校生の顔ですよ。」
「つまり?」
「何かの意図があって、入れ替わったとそういうこと?」
「ええ。」
「おい。ジョージこれはどういうことだ?隊長命令だ。すべてを話せ。」
「それは、私から話しましょう。」
「「だれだ?」」
そこにいたのは、リンネとポチだった。
共和国の森
「リンネ。リンネ。」
光の弾が話しかけてきて私は、とてもビックリしていた。そして、何より清属性の魔法を操る私にはそれがすでにアンデッドになりつつあることがわかった。
「誰?」
「助けて、リンネ。」
「ルビーなの?」
「助けて、リンネ。」
「どうしたの?その状態?」
「助けて、リンネ。」
同じことを繰り返していた。
「癒しの光」
魔法を使って、癒してみると魂は少しだけ生前の姿に戻った。その姿は、間違いなくルビーだった。
「リンネ。」
「ルビー。どうしたの?」
「元気そうね。」
「そんなことより、あなたその格好ってことは?」
「そうね。私は、どうやら死んだみたい。」
「そんな。」
「でもね。私はなんだかまだ、未練があるのよ。」
「それって?」
「あの人の、ヘルメスさんの言うとおりにすればすべてが、母さんの病気が治るって言われてここに来たの。」
「そうだったの?」
「そう。詳しくはわからなかったけどなぜかそのとき母は弱っていてね。私は、必死で治そうと思って王国内の治療院を回ったんだけどどこも治せずヘルメスって言う人に頼ったの。」
「そうだったの。」
「うん。私自身に病気の原因があると言われて、何か薬みたいな液体も飲まされた。そのときに、共和国にいけばきく薬が手に入ると言われてそのままいつしょにいったの。」
「うん。うん。」
もう涙が止まらない。話の先がわかってしまう。こんな悲劇があって。
「ついた瞬間に後ろから何かをされてこの姿になってた。」
「ルビー。あなたは?いいの?」
「最初は、悔しかったけど、それよりも今は私の未練を探してるわ。」
「そうなの。でも、まだ生き返る望みがあるかもしれないわよ。」
「いいの。それよりも未練を探してくれない?」
「いいわよ。あなたの望みですもの。」
「ありがとね。リンネ。」
リンネは、亡霊と化したルビーと一緒にポチにのって首都の方に向かっていた。
「そうそう。だからね。アルドのやつは貴族の癖に部下が一人もまだいないのよ。」
「そうなの。私は、人望があるとずっと思ってたけど意外ね。」
「むしろ、最近は、貴族にクエストや替えを頼まれて雑用ね。」
「ご愁傷さまね。」
「そうね。ふふふ。」
「そういえば、ルビーの未練ってどんなことなの?」
「そうね。よく分からないんだけど、いつも一緒だったものかしら?」
「へえー。なんかなぞなぞ。」
「そうね。」
「で今は、なんかありそうなところに?」
「そう。」
そう言いつつ、飛んでいくと議会が見えてきた。
「入れそうな場所は?」
「なんか目立ちそうね。」
「とりあえず、屋上から入ろうか。」
そう言って、入るのは、共和国にはいって3週間がたってからだった。
入ってみると、屋上だけあって誰もいなかった。ドアが空いたので、そこから、下の階へ慎重に降りていった。すると、なぜか明るいところで話し声がした。見ると、広間で5人の人がしゃべっていた。
一人目は、ジョージ。二人目は、シルキー(リンネは知らない。)、3人目は隊長。そして、議員の秘書と議員だった。
「なんか修羅場。」
「生還しといたほうがよさそうだの。」
「いえ。リンネ、私、あの人に用があるみたい。」
「え?」
見ると、ルビーが指をさしていたのはスズムラ議員だった。
「何あの顔?ルビーじゃない?」
「激似だの。」
「あれは、私。私の未練。」
「・・・。」
「なるほどの。」
こうして、ルビーたちはジョージたちのほうに近づいていくのだった。
「あー。疲れたー。」
「そうだな。筋肉がまたひとつ増えた気がする。」
「それ以上増えたら、動けなくなるぞ。」
「私の、アハメドはそんなアホじゃないわよ。」
「いや、意外とアホかもしれない。」
「ふん!」
「じゃあ俺は、この右側のトランプをとるわ。」
「そっちでいいのかなー?」
「アリシアさんは、強そうで怖いわー。」
「ふん!いわく。最強である。こと、トランプに関しては私はババ抜きでアリシアに勝ったことは、、、ない!」
「おい!アハメド。過去を思い出して気絶しそうになるな。今日、新しい歴史を作ればいいだろ!早速絶望するな!」
「そうだなーー。ハハハハ。」
「すでに棒読み。」
「じゃあ、行くわねー。」
「「ふー。よし!」」
1時間後、
「くそ!すべて持ってかれた。」
「なぜにそんなに強い?」
「いや、お前は、2位だったんだから無理に俺たちの分も取り戻そうとしなくてよかったのに。」
「いや、あれは純粋に俺がおやつを独り占めしたかったから」
「まーどっちにしても私の戦果だからね。あと、家事、洗濯もよろしくかしら。オホホホホ。」
「次は、勝つ。」
「その前に今度はイカサマがないかチェックしてからにしようぜ。」
「ふん!そうだな。」
夜は更けていく。




