リンネの1日
私の1日は、朝のランニングから始まる。
どこまでも続く、畦道を私は、ひたすらに走っていた。フ、フ、フ。あーやっぱり気持ちいいな〰️。
「おはよう。リンネちゃん。」
「お早うございます。おばさん。」
「やあ、リンネちゃんおはよう。」
「おはようございます。ジンさん。」
畑仕事をする仲のいい近所さんと挨拶をする。その横を過ぎて、そのまま走っていく。そして、大きな森を囲む道に出る。森は、異様な静けさであった。ここは、相変わらず嫌な雰囲気だな。でも、、お父さんとの約束は守らないとね。そう心に誓うのは毎朝のことであった。
「リンネ、何があってもこの森で起きたこと、この森がなんなのかそれを決して人に言うんじゃないぞ。」
「私たちは、それを守り続けてきた一族なの。時には、人からそれを罵られるかもしれない。でもね、私は、それを誇りにしてるのよ。」
「それは、なんで?」
「ご先祖様が命を懸けてこの世界を守り、代々そう今も守ってるからよ。」
「うん。私もそれを守るね。」
朝ごはんも食べ終わったリンネは、馬小屋に向かって歩いていた。
「よしよし。おはよう。風丸。」
風丸と呼ばれた馬は、立派なたてがみの3歳の馬だった。リンネは、学校までの道のりを馬に乗って行くのである。
「よーし。今日もお願いね。」
「ブルル。」
「ふふ。は!」
リンネの声に合わせて風丸も、ひづめを勢いよく掛けて行くのであった。
「あああ〰️。気持ちいい。ねー風丸。」
「フッフッフッ。ブルル。」
「ありがとね。は!」
まるで、女騎手にでもなったような颯爽とした姿で馬を走らせていた。王都までの道のりを一時間で到着した。
風丸を、学院に設置してある飼育舎の1隅に置いて、学院に向かって歩いていく。
「おはよう。リンネ。」
「おはよう。ルビー。」
「ねー。昨日さ、武闘祭に向けた模擬戦をやったらしいわよ。」
「あー。そういえばそうだったね。うちは、アルドだったっけ?」
「そうそう。それでさ、リンドバーグ君が早速圧勝して勝ったらしいよ。もう完璧じゃない?」
「そうね。初日といっても、うちらじゃリンドバーグ君は、圧倒的だからね。ルビーって実は?」
「やだ。もう、そんなんじゃないって。そういうリンネこそあのジョージ君とどうなのよ?」
「私もないない。あいつは、なんか違うのよね。」
「ふーん。そういえばさー最近なんか王都の周辺で誘拐事件が起きてるらしいよ。」
「へー物騒だね。」
「なんか10代の子供たちが狙われてるとかなんとか。」
「じゃあ私は、ないかな〰️。」
「えー。それなら私もないわよー。でも、うちのクラスのラブリーちゃんとかありそう。」
「あ、わかるー。めっちゃ子供っぽいよねー。」
「そうよね。じゃあ私はこっちだから。」
「わかった。じゃあね。」
「またね。」
そういって別れる。Fクラスの教室にいくと、なぜかあいつは寝てた。なんで寝てるのよ。まだ、朝なのに。
「ちょっとジョージ。」
「あーリンネか。」
「また、寝てる。」
「あと,24時間だけ寝かせて。」
「もう明日じゃないのよ。」
「せめて、5分。」
「もう知らないからね。」
「おはよう。リンネさん。」
「おはよう。アルド。」
アルドは、あの事件のあと、すっかり変わって真面目な青年って感じになっていた。
「そういえば、アルドってなんか部活とか決めてたの?」
「あーおれは、美術部っすよー。」
「そうなの。意外だね。」
「そうっすか。自分は、昔から絵は結構得意なんすよ。今度、見に来てくださいっすよー。」
「そうね。見させてもらおうかな。」
「リンネさんは、何かされてるんすかー?」
「私は、料理部よ。」
「リンネの料理はうまそうだな。」
「そうっすよね。ってやっと起きたんすか。」
「もう、疲れたー。」
「あんたは、またリンシアさんに怒られるわよ。 」
そんなことをいってるとライザ先生が来られたので、朝の連絡が始まる。今日は特に何事もなく時間が過ぎていった。
3時限目は、武道の指導だった。
「よし。なんかいろいろあって久しぶりの授業だがよろしく。」
「「よろしくお願いします。」」
「じゃあ、まずは、組手からだ。適当にペアを組め。それとリンネとジョージは例外的に二人でペアを組め。おまえらのレベルにはだれもついていけないからな。」
(うそ。私とジョージが?なんでよ。)
「分かりました。」
「じゃあ、よろしくリンネ。」
「ええ、よろしく。ジョージ。」
「なんか、あれだな。組手組むの久しぶりだな。」
「そうね。最近だれかさんが修行の約束をほっぽり出してるからね。」
「ぐは。すいません。生徒会の仕事がありまして。」
「それになんか魔人討伐のときの約束もまだじゃなかったかしら?」
「分かった。じゃあまとめて約束果たすから。」
「言ったわね。約束よ。」
「よし。じゃあ始めようか。」
「ええ。」
そういって、二人は向き合う。周りの生徒も、同じく組手をするはずなのだが二人に目を奪われていた。
「そら。」
まずは、ジョージがリンネの脇腹にけり入れる。その一撃で、普通の人なら吹っ飛んでしまうのだがリンネは、同じくけりで合わせて威力を抑える。
「ほう。こう来るか。」
「わたしも逃げてばかりじゃないわよ。」
そのまま、リンネは回転してジョージにけりを入れる。ジョージはよける。
「うわ。怖いって。」
「これはどう?」
リンネは、自分の両手に魔力を込め何かを形づくり始めた。ジョージは、
「ほう。」
面白そうに見つめていた。
「そこまでものにしたのか。これはすごいな。」
リンネは、純粋な魔力を玉の形にした。
「波っ!」
掛け声と共に打ちだしたものはジョージに向けて一直線に飛んで行く。
「衝撃波」
ジョージは、自分の魔力を打ち出してその二つの玉を相殺しようとする。
そして、打ちだされた二つの魔力がぶつかろうとした瞬間、リンネが打ち出した魔力の一つが明らかに不自然な軌道をとって、ジョージの魔力をよけてそのままジョージに向かって進んでいった。
「なっ!」
ジョージは、びっくりしたが両腕をクロスして何とか威力を相殺したが、それでも吹っ飛ばされた。
「ぐは!」
リンネのほうはジョージの魔力を完全には相殺できていなかったがちょっと後ずさる程度であった。
「「おおお。」」
回りの人たちは、そのレベルの高さに驚かされていた。
「リンネさんはそこまでいったんですか。」
担当のリー先生は、拍手をしながら言っていた。
ジョージは、そのまましばらく横になっていた。
「どうよ。ジョージ!」
私は、そのまま得意げに言ってやった。すると、
「いやー自力でそこまでいくとはたいした実力だね。これは、久しぶりに驚いた。今回は、おれの降参だ。」
なんか上から目線で腹が立った。けど、なんか久しぶりに達成感に包まれていた。
そのあとは、授業をこなして今日も授業は終わった。
「リンネはこのあとどうするんだ?」
「え。今日は、部活もないし帰るわよ。」
「そうか。そのー今日の話ではないんだけどアルドをちょっと修行させようかと思っててそれでそのときにリンネも誘おうかなと思ってさ。」
「へえー。面白そうだけどわたしとの約束は?」
「それで果たしたことにしてほしいんだけどいい?」
「まーわかったわ。じゃあ修行はそのときにでいつなの?」
「ああ、明日。あと学校午後からすっぽかすからそのつもりで。」
「え?」
「じゃあまた明日。」
そういってジョージは、教室から出ていった。
「はー。やっぱりくずね。」
でも、嫌いにはなれなかった。
そのあと、馬で帰ったリンネは、家の隣にある修行場でひとりもくもくと自主練習をしていた。
「ふっふっふ。」
正拳つきを五百回ほどこなして、そのあと瓦を三十枚ほど重ねたものをもってきた。
「ふー。あちゃー。」
ガシャーン。と、瓦はきれいに真っ二つに割れていた。
「よし。」
そのあとは、そのまま家に帰って、仏壇に手を添えて、そのまま寝るのであった。




