表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】国賊王女のサーバントに転生したら、特殊スキル「武器庫(アーモリー)」が覚醒しました!  作者: 石和¥
4:奪還エルロティア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/148

話し合いの果てに

「おおおのれぇ……ッ!」

「なに、礼には及ばんぞ。貴様らの、安全を確保するためだ。あまり無防備に歩き回られると、罠が弾けて死ぬのでな」

「なッ⁉︎」

「魔道具ではないから探知も利かん。残念だったな。寝ている女に忍び寄った報いだ」


 二十五発を撃ち尽くす前に、姫様は弾倉を交換した。もう立っている敵はひとりも残っていない。


「それで……ヘルベルタ、だったか? 偽王の犬が何の用だ」

「ヒューミニアの、混じり者……ごときが、陛下を愚弄するか!」

「わたしを知っているなら、話は早い。あの王族殺しの大罪者に伝えろ。怯え震えながら沙汰を待て、とな。これから、わたしはこの国を潰す。少なくとも、あのクズは殺すぞ」

「……なん、だと⁉︎」

「ヘルベルに伝える手段があるなら、だがな」


 弓に手を伸ばした部下のエルフが、姫様の銃弾に頭を撃ち抜かれて事切れる。


「ここで死に行くのが運命ならば、それでも構わん。結果は同じことだ」

「貴様らの思い通りになるとでも……」

「もし、()()増援を当てにしているなら、思い違いも甚だしいぞ?」


 姫様の指した方角、木々の間からわずかに覗く道の遥か彼方に、松明が十数本こちらに向かって来るのが見えた。


「マークス、頼む」

「了解です姫様」


 ハッチから砲塔に戻ったぼくは、ふたつのクランクを回して照準を合わせる。KPVT重機関銃を扱うのは初めてだし、テレスコープから敵もイマイチ視認しにくい。当たらなくても威力と脅威を見せつけられればそれで良いと開き直る。


「発射用意よし」

「撃て!」


 轟音とともに光が弧を描き、増援目掛けて飛んでゆく。松明が弾けて、それより激しい光が舞った。甲冑にでも当たったか、着弾点には焼夷榴弾が起爆するだけの硬さがあったようだ。

 追撃に周囲への掃射を加える。仰角を調整しながら前後左右に数発ずつ。木立をへし折り泥濘を巻き上げているのが微かに見えたが、人的戦果まではわからない。


「良いぞマークス、もう十分だ」

「……あ、……あ」

「いくつか、鍛造魔導鋼の反応があったな。エルロティアの虎の子、魔導重装騎兵でも繰り出したか。こんなところで“混じり者”に()()()()()()となれば、呼び出した側も不問では済むまい」


 周囲で声もなく微動だにしないエルフたちを見下ろし、クラファ殿下は静かに宣言した。


「せいぜい遠くまで逃げろ。いますぐ、何もかも捨てて、わたしたちの手が届かないほど、遠くへな。貴様らが生き延びる道は、それしかない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ヒーッ!ハーッ! クラファ嬢、いい啖呵を切りますねぇ! ワイバーン殺しの14.5㎜機銃弾が、地味に活躍してますからねぇ。そりゃあ、強気にもなりますよね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ