表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/148

良い報せと悪い報せ

 アルフレド王と銃兵部隊の皆さんは、ぼくらが無事に戻ってきたことを喜んでくれたし、SKSの威力と貢献に多大な感謝もしてくれた。

 ……くれた、のだが。


「陛下?」

「あ、ああ、うん」


 彼らの視線があまりにもハンヴィーに食い付いているために、気もそぞろで非常に嘘臭い。

 逆に、嘘のつけないひとたちともいえる。


「陛下!」

「あ痛だだだ、すまん、わかった悪かった!」


 最後は業を煮やしたサシャさんに耳を捻り上げられるという王にあるまじき扱いを受けて、ようやく本題に入った。

 ちなみにサシャさんはドワーフの血が薄く、コルニケアには割と多い人間とエルフとドワーフの混血だそうな。


「良い報せと悪い報せがある」


 ぼくらを見て、王は真面目な顔で告げる。いまさら過ぎて、取って付けたような印象は否めないが。

 クラファ殿下は苦笑して小さく首を振った。


「出来れば、どちらも聞きたくないです」

「わかるな。王族は常にそうだ」


 とはいえ、耳を塞いでいて事態が好転するはずもなく。ぼくと姫様は“良い報せ”を先に聞くことにした。


「ケウニアの指揮官が、無条件降伏を受け入れた」

「他に選択肢もないのでしょう」

「ああ。もう奴らの戦力は首都に残った衛兵と近衛くらいしかないからな。条件面は軍使との交渉になるが、少なくともケウニアからの干渉はなくなる。コルニケアにも……お前にもだ、クラファ」

「吉報と呼ぶには不確か過ぎます。ヒューミニアからの干渉は続く可能性が残っていますからね」

「それだ」


 それ、というのが何を指すかなんとなくわかった。ぼくも、姫様もだ。


「なるほど。それが、“悪い報せ”に繋がるわけですね?」

「それ以上だがな。エルロティアが、お前の保護と入国を拒絶してきた」


「「は?」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ