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【完結】国賊王女のサーバントに転生したら、特殊スキル「武器庫(アーモリー)」が覚醒しました!  作者: 石和¥
3:邂逅コルニケア編

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テーブルにチップを

「陛下!」


 肉の盾になろうと自分に覆い被さって来たサシャさんを、アルフレド陛下は片手で持ち上げ、ソファに座らせる。


「落ち着け。こいつに敵意はない。考えもないがな」


 あれ。拙かったか。そうだよね、どう見ても武器だし。危険なのは、ふたりともわかっているわけだし。


「……すみません、サシャさん。陛下も、無礼な真似を」

「すまん、サシャ殿。うちのサーバントは、貴殿が護衛だということさえ認識していなかったようだ。王と同室にいて武器を持つ大罪もだ。申し訳ない。罪はわたしが受ける」


 何かいいかけたサシャさんを、王は宥めるように抑えてくれていた。


「すみません、弾薬(たま)は入ってないですし、銃口も自分側(こちら)向きにしたつもりなのですが……」

「マークス。貴様の世迷言を()れると、刃入れしていない武器なら抜いても良いという理屈にならんか」

「……申し訳ありません」


「いや、良い。それでわかった。サーバントが()()()っていうのが事実だったとな。俺は、物の喩えでいったつもりなんだが」


 なんやかんやといいつつ、アルフレド王はSKSカービンを手に取って眺める。


「動かして問題ないか?」

「はい。いまは打ち出される弾薬という物が入ってませんので、ただの鉄の塊です。銃身(そこ)の先にある短剣は刃が付いた物なので、それだけ気を付けてください」

「なぜ内向きに剣を……ああ、起こすと槍になるのか。面白いな」


 王は我を忘れて、ぶつぶつ呟きながら銃のあちこちを触り始めた。


「あの、陛下……?」

「無駄です。()()なると、半日は()()()きません」

「はあ」


 対面に座るサシャさんは、かなりご機嫌斜めである。隣に座っている姫様もだ。

 今更ながらにやらかしたことを自覚する。考えてみれば当然の話で、さっきまでは交渉を有利に運ぶことしか頭になかった。


「お茶でも、淹れましょう」

「あ、あの、結構です」


 立ち上がろうとしたサシャさんを、ぼくは身振りで止める。少しはフォローしとかないと、冷え切った空気が辛過ぎる。


「せっかくですから、お詫びに、ぼくが何か出しましょう」

「……マークス」

「大丈夫です、姫様。今度は、ちゃんとお断りして出します。出すのも、食べ物と飲み物だけなので、危なくないです。ホントに」


 なんか、半信半疑な女性陣の前で、ぼくは“武器庫(アーモリー)”を立ち上げ、発光パネルに並んだ商品在庫一覧(インベントリー)を確認する。

 “武器”“車両”“弾薬”“被服”“燃料”などタブごとに分かれた端の方に“糧食”がある。

 これまでは慌ただしくてミネラルウォーターとレーション、後は缶詰くらいしか購入してなかった。

 何かないかと下の方までスクロールしてみる。

 基本的にはサープラスショップみたいなものなので“良い物”は見当たらなかったけど、“面白そうな物”はあった。


「じゃ、出しますよ?」

「何をだマークス。先にいえ」


 信用ないな。当たり前かもしれないけど。

 ぼくは姫様とサシャさんに伝わるわけないよなと迷いつつ、購入したものを告げる。


「アメリカンスイーツです」

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