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【完結】国賊王女のサーバントに転生したら、特殊スキル「武器庫(アーモリー)」が覚醒しました!  作者: 石和¥
3:邂逅コルニケア編

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タフネゴシエーター

「……死体、といわれますが陛下」


 クラファ殿下の言葉を、アルフレド王は片手で遮る。


「隠し事をする段階じゃねーと思うがな。なんせクラファとそのサーバントが生み出した死体は既に数千、ひとつやふたつは簡単に手に入る」


 部屋の隅を指差す先にはトルソに乗った金属甲冑。ヒラ兵士が身に着けているような鎧の胸板に、いくつか小さな穴が開いていた。

 なるほど、コルニケアはケウニアかヒューミニアに諜報員でも入れていたか。

 どこまで話して良いか悩む姫様に、ぼくは頼りない助け舟を出す。


「隠すつもりならば、あの武器は使いません。ぼくの望みはただ、姫様を守り自分も生き延びることだけ」

「ほう。では、訊きたかったのは死体の入手先だな? ケウニアだ。イメルンの街道で()()()()()()方は、根こそぎ持ち帰られたがな」

「まあ、腐っても第二王子ですからね」


 Kord重機関銃でグチャグチャにした死体は、口頭報告のみ、ということか。姫様のM240汎用機関銃……いや、弾かれた凹みがあるから、UMPの拳銃弾が抜けた痕のように見える。


()()()()を見られたか気にしているのか?」


 駄目だな。再生能力と忠誠心以外に何も持たないサーバントや、ただの高校生が交渉で敵う相手ではない。


「はい、もちろん」


 開き直って素直に答えると、アルフレド王は意外そうな顔でわずかに片眉を上げた。


「わたしは、何も知りませんからね。この世界の常識も、力関係も、わたしが持ち込んだ武器がどう認識され、どう扱われ、その結果として、どういう影響を与えるかも」

「この、世界?」


「ええ。正直に申し上げますが、わたしは姫様のサーバントだったマークスではないのです」

「マークス!」


 姫様の叱責を、ぼくは目顔で止める。王の言葉ではないけど、もう腹を探り合う段階ではない。その力もない。


「彼の死後、不死者の力で再生する身体に迷い込んだ異界の学徒。ただの、世間知らずの子供です」

「……それを、信じろと」

「平民の子供風情が、一国の王に意見など申しません。ただ、陛下はもうおわかりなのではないですか、これが」


 ぼくはインベントリーから出したSKSカービンを、銃床を先方に向けてテーブルに乗せた。


「この世のものではないと」

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