ボートに乗っているおませな子ども・クルトン
八人目の子ども
「ボートに乗っているおませな子ども・クルトン」
クルトンは、かっこいいおじさんと、ボートに乗ったおませな子どもです。
しんとした池の水面には、ロマンチックな月が浮かびます。
よく見ると、月は少し欠けていますが、誰も気にしません。
ふたりだけの世界です。
おじさんは、クルトンを無視して、独り言を言いながらオールをこぎます。
歳の差がどうのこうのと愚痴っています。
クルトンは、オールをこがせてもらえません。
おじさんは、池の真ん中までくると、オールをこぐ手を止めました。
長く連れ回されたデートは、終わりなのでしょうか?
クルトンは、おじさんに、池の水面を見るように言われます。
クルトンは、おじさんに手伝われながら、大きなお目目で水面を見ました。
水面には、かわいい自分が浮かびます。
おじさんが、クルトンへ訊きます。
ここで泳ぎたいかい。
クルトンは何も言いませんが、意思表示をして、そのまま池の中へ、ドボンと落ちます。
おじさんは、それを見てクルトンと一緒に泳ぎたくなりましたが、自分は、水着がないと泳げないということで、クルトンだけを泳がせて、オールをこいで、その現場から離れていきます。
その間に、クルトンは、池の底に向かって泳ぎました。
クルトンは、おじさんが後を追ってくると信じていました。
ですが、おじさんは、臆病者なのか、一緒にはいてくれません。
クルトンは、おじさんを迎えに、水面へと向かって泳ぎます。
水面から顔を出しますが、おじさんの姿は見当たりません。
クルトンは、怒って顔をふくらませます。
スープに浮かぶクルトンのようです。
そして、また、池の底へ泳いでいきました。
しばらくして、心配になったおじさんがクルトンを探しに来ます。
ですが、池の中へ潜っているのか、クルトンは見つかりません。
家に帰って来ないクルトンを心配して、たくさんの大人たちがクルトンの遊び場をさがします。
おじさんだけは、太陽が水面に浮かぶ池をさがします。
クルトンは、ようやく見つけてもらえましたが、怒って、やっぱりふくれていました。
その姿は、モンスターのように、おぞましいのです。
それでも、大好きなおじさんに、また会えたクルトンは、
しあわせな子どもでした。




