猟銃に恋をした子ども・カイノミ
六人目の子ども
「猟銃に恋をした子ども・カイノミ」
カイノミは、猟師が抱える猟銃に恋をした、鼻に絆創膏を貼った子どもです。
山へと狩りに出掛ける猟師たちの後を追い掛けて、猟師のおじさんたちの狩りを木影に隠れて見るのが楽しみです。
猟師のおじさんが獲物のシカを見つけました。
立派な角にたくましいカラダで気取っているみたいです。
猟師のおじさんは、猟銃を構えます。
狙いをシカに定めて発砲します。
銃声が響いて、シカは倒れました。
カイノミは、衝撃を受けます。
生き物の命を一瞬でパクっと食べてしまう、その「猟銃」に。
カイノミは、おじさんに叫びます。
猟銃に触らせてと、興味津々です。
猟師のおじさんは、カイノミの無邪気さが可愛く思えました。
カイノミは、猟銃に恋をして、猟師のおじさんの狩りに、毎日のように付いて歩きます。
猟師のおじさんに気に入られたカイノミは、猟師のおじさんの家へ招かれました。
猟師の家の壁には、立派なシカの首の剥製が飾られています。
その他にも、どうぶつの剥製が、狩りに飽きてしまう程に飾られていたのです。
猟師のおじさんが手招きをして、カイノミをお庭へと誘います。
庭の向こうは、森のようで、その手前には、子どものようなカカシが立てられていました。
お腹や頭部には多くの穴が空いています。
おじさんがお手本を見せてくれます。
近くなのでものすごい銃声が響きます。
なんだか、楽しそうです。
次は、カイノミの番です。
猟師のおじさんに手伝われながら、猟銃を抱えます。
猟銃は、思っていた以上に重いので、猟師のおじさんが後ろからぴったりとくっついて支えてくれます。
なかなか狙いが定められません。
猟師のおじさんがカカシに狙いを定めてくれました。
カイノミは、引き金に指をかけます。
そして、撃ちました。
カイノミは、猟師のおじさんから、この日の事を一生の秘密にするならば、もっと楽しい狩りを見せてあげようと言われます。
カイノミは、猟師のおじさんに連れられて、子どものカカシの向こう側、森の中へと入っていきます。
そして、しばらくして森の中で銃声が響きました。
獲物が倒れます。
それは、動かないカカシよりも、
動くシカよりも、
すばらしい獲物でした。
カイノミは、銃声を一番近くで聞けて、
しあわせな子どもでした。




