硝子ケースの中にいる子ども・シェリーローズ
十二人目の子ども
「硝子ケースの中にいる子ども・シェリーローズ」
シェリーローズは、裕福な家でシェリーと呼ばれているお洒落な子どもです。
自慢の衣装部屋には、たくさんのドールがドールスタンドで固定されていて、飾られています。
どのドールもシェリーローズのように、色鮮やかな髪色をし、ヘアアレンジがチャーミングで、そのスリムな体型に似合う、お洋服を着ていて、たくさんのアクセサリーは、目の輝きのように美しいのです。
シェリーローズは、そこで着替えをします。
お手伝いをしてくれるのは、ふくよかな女です。
シェリーローズは、わがままなので、専属のお針子が仕立てたオーダーメイドの洋服しか着ません。
ふくよかな女に着替えを手伝わせながら、その真珠のような肌を洋服で変身させていきます。
胸に、永遠のローズのブローチを輝かせて、蔓を想像させる骨組みドレスがふわりとふくらみます。
くるりと後ろを向けば、蔓のリボンが足下にまで垂れていました。
差し出した素足には、レースのハイヒールブーツを履かせてもらって、ウィッグも今付けている物と、新しい物を交換させます。
ふくよかな女のヘアアレンジで、ロングのウィッグを器用に巻かせれば、
ピンでしっかりと息を止めてもらい、おだんごツインテールがくるんと垂れます。
次は、その整ったお顔にメイクをさせていきます。
真珠の素肌に薄くおしろいを塗らせ、目元に青や黒を足してなじませて、くるんとしたまつげを植えさせて、その薄紅の唇にルージュの口づけをさせて、これでお顔は完璧です。
原石が輝く瞬間は、いつも、心を奪われてしまいます。
わたしって、なんて可愛らしいのかしら、
他のドールたちが嫉妬の目で見ています。
ふくよかな女は、この衣装部屋の中で、最も美しいシェリーローズを、衣装部屋の奥にある蔓の絡まる椅子に腰掛けさせました。
そして、ふくよかな女は、硝子ケースの扉を閉じました。
鍵は、かけません。
シェリーローズが嫌がるからです。
可愛らしいシェリーローズは、硝子ケースの中で、ふくよかな女にだけ微笑みました。
また可愛らしいお洋服で、わたしを着飾ってね、
ふくよかな女は、衣装部屋から出ていきます。
シェリーローズは、たくさんのお洋服やアクセサリーで着飾ってもらえる贅沢な、
しあわせな子どもでした。




