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ふこしあ  作者: 山口かずなり
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留守番をまかされた子ども・ケルベロス



九人目の子ども



「留守番をまかされた子ども・ケルベロス」



ケルベロスは、八重歯がチャーミングな、親思いの子どもです。



2階建ての家に住んでいて、両親からの、「お留守番をよろしくね」という言い付けを守り続けています。



ケルベロスは、両親がどこで何をしているのかを知っています。



ですが、ケルベロスは、自分をここまで一生懸命育ててくれた両親に感謝をしていますので、両親が仲良く二人だけで、ぶらぶらしていても気にしません。



ただ、家の汚れだけは、しっかりと、お掃除をして、両親が残してくれた時間を大切に生きているのです。



時々、両親のように、自分もぶらぶらしたいなと思って、バルコニーから外の景色を眺めるのですが、ここから飛び降りたら、言い付けを守れないからと、犬のように首を左右に振るのです。



ケルベロスは、2階の自分の部屋へ戻ります。



部屋の床には、遊んでいる途中で切れてしまった縄とびが捨てられていました。



ケルベロスは、ため息をついて、床に寝転がります。



そして、同じ絵本を繰り返し読んで、ぶらぶらしている両親が、自分のもとへ帰ってくる夢を見る為に、真っ昼間から眠るのです。



しばらくして、一階から物音がしました。



ケルベロスの目が、ぱっと開きます。



忍び足で一階へ行くと、見たことのない男が、土足でウロウロと部屋の中を物色しておりました。



作業員の格好をした、腕の良い泥棒です。



泥棒は、人の家の文句を言います。



なんか、くさいなとか、失礼な奴です。



ケルベロスは、両親との言い付けを守らなくてはと、泥棒退治をする為に、見つからないように、キッチンへ向かいました。



キッチンから、あぶないから使わなかった包丁を持ち出し、泥棒の背後へ忍び寄ります。



泥棒が何かを見つけて、うろたえていました。



これは、好機です。



ケルベロスは、両親の言い付けを守る為に、泥棒へと襲い掛かりました。



しばらくして、泥棒は、逃げるように家から出ていきます。



泥棒は、家の中に人差し指を忘れていったので、指をおさえています。



こんな番犬がいる家には、もう二度と来ないでしょう。



ケルベロスは、言い付けを守ったのです。



チャーミングな八重歯を見せて、自慢げに笑顔を見せます。



さぁ、次は、家のお掃除です。



両親が、この血まみれの床や壁を見て驚かないように、綺麗に掃除します。



また、誰かが家へと入ってきました。



今度は、男女がふたりです。



ケルベロスは、また、言い付けを守ろうとしますが、そのふたりの顔を見て、目を丸くしました。



両親が、やっと、帰ってきたのです。



一人にしてごめんね、と、両親はケルベロスの顔をぐしゃぐしゃにします。



ケルベロスは、大好きな両親にたくさんほめてもらえた、



しあわせな子どもでした。




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