伝説の剣附近 二11 (ある計画)
ふと思い返せば、昔の話を既に忘れています。
しかし、佐藤は過去を振り返る事はしないのです。
私のスタイルは、力技で進むだけ進んで
後は読者補正で補完。
という、実に現代社会にマッチした手法を採用しています。
微妙な空気のなか、静かに皆の顔を見回しているシランの姿と
それを、ただ見つめるだけの政策委員の面々。
これは珍しくシランが招集した委員会の緊急会議での出来事だ。
強制的に魔王や魔獣を造り上げる。
この提案に対する承認を求める事が、今回の召集の目的だったのだが
あまりにも、非現実的な計画にシラン以外の誰もが
言葉を濁したまま、ただ、時間だけが過ぎて行った。
委員会を立ち上げるにあたって、凡庸な人間ばかりを採用するように。
という希望を出していたとはいえ、今回の件では
さすがに何かしらの反応があると思っていたシランは
この場に臨む為に、ほんの少しだけ気負っていた自分を恥じていた。
「では、私の計画通りに進めたいと思います」
反論も同意もない。
ただ、聞いているだけの存在としてそこにいる。
彼らは、シランが強者である以上
シランの言葉には従順に従うだろう。
ただし、その関係が崩れた時、彼らは非情で苛烈な反応を示す。
その為に彼らが自己防衛として行っているのは
何も足さない、何も引かない。
これは、自分たちの発言が、失策に関わる要因の一つとしてあげられる。
などと言う事が無いように、という理由からだった。
こうして不毛な緊急会議が行われていた頃
標的となったゼリパックは、仲間と共に大きな収穫を求めてコエウゾへと向かっていた。
この世界に魔王と魔獣を人為的に出現させる。
この二つこそが、天使と悪魔と言う新たな存在を生み出す要因だと思われる。
ただし、そんな彼らでさえ
最終的な「神」という存在の礎という役割でしかない。
はたして、シランの計画によって生まれた二つの種が
神となり、選ばれなかった世界を垣間見ることが出来るのか?
その結果がわかるのは、まだ先の事になりそうだ。




