大人の事情
今回の物語を書いていて思ったことは
自分の力量以上の事は出来ない。
ってことです。
中央の偉い方々が集まって、難しい顔を並べている。
彼らにとって、最大の障壁は「資金」だった。
これまでは、危険と思われる場所に優秀な冒険者を配置し
数々の成果を上げてきたエドウィックの采配に陰りがさしてきたのだ。
彼のやり方は、現場に赴き、人々の声を聴き、その不安や危険を取り除く
と言う方法だった。
これはあの日、魔物たちに襲われ、不安に駆られた人々達
そのほとんどがエドウィックを支持し賞賛していた。
ところが
ある程度の治安を回復するにつれて、彼のやり方に不満を抱く者たちが現れ始める。
それは、人々の平穏より国の存続を望む者達の出現だ。
彼らの言い分は
国が存続しなければ、個人の平穏は守られない。
というもので、立場に違いによる亀裂が生まれる原因となった。
これに対してエドウィックの
個人の平穏を守ればやがて国は栄える。
という相反する思いに対して反エドウィック派の筆頭であるエフォトアが
ある書類を提示した。
彼が示したのは、現在の冒険者赴任地と、モンスターの分布図だ。
不思議なことに配置を見ると、さほど重要ではない場所に優秀な冒険者が配置されている。
誰の目にも一目でわかる歪な配置に、その場にいた者たちの違和感は隠せなかった。
反エドウィック派は勢いを増し、エドウィック派でさえもあまりの不自然な配置に
エドウィックの時代は終わったと思っていた。
動揺が渦巻くこの会合の中で
さらに声を大きくしてエフォトアが指摘するのは
モンスターが頻繁に出没する地域に優秀な冒険者を配置せず
一進一退の攻防が長く続いているという事実だった。
この集会に参加し、実際の数字を見せられた面々は再びエフォトアの資料に目を通し
沈黙を守っていた。
「この資料は私が独自に集めた物ではありますが、全て事実です。
エドウィック様、反論があるのであれば伺いますが?」
自信に満ちたエフォトアの言葉に
エドウィクは
「確かに、この資料は正確だと認めざるを得ない。
ただ、人々の平穏な生活をただの数値として扱っても良いのだろうか?」
参加者を見渡しながら訴えかける彼には、もう
既にこの場にいる者たちに自分の言葉が届いていない事は感じてた。
そしてこの日を境に国民の為でなく、国の為の体制へと変化していくのだった。
今回は、難しいっぽい話を書いてみましたが
思ったより難しいです。




