ある魔王の物語 6
危険な香りがします。
どんどん脇道にそれて行っています。
大回りして、戻ってこれるように頑張ります。
様々な情報が飛び交うこの国で、最も多くの情報が集まる酒場があった。
その酒場の名は「ルイベン」
この国で最も多くの嘘と真実が語られる場所。
連日、賑わいを見せる酒場に一人の人物が現れる。
その人物が一冊の本を忘れて行った。
単なる落とし物だろうと何気なく中を見た店員が
警備兵を呼ぶ。
現れた警備員が内容を確認してとった行動は上長への報告。
その積み重なる連鎖によってその書物がドイヤーの手元に届いた時には
店員を含め、この書物に対して十五人が少なからず目を通していた。
「こちらでございます」
側近に差し出された書物に軽く視線を送ったドイヤーだったが
実際の興味はまだ、他の所にあった。
それはつまり、この国に蔓延する嘘に対するフィルターとして採用したはずの側近が
過去に類を見ない速さでこの書物を自分の元に差し出したこと。
精査や裏付け、などという基本的な事すら行われていないほどの速さを考えると
彼が、いや、その書物にかかわった者たちが何かに操られているのではないか?
という不信感がぬぐい切れなかった。
書物を差し出した後、いつもより少し緊張した雰囲気で傍に控える側近を警戒しつつ
ドイヤーの指先が書物に触れた時、まるで静電気を感じたように
僅かな痛みを感じる。
この痛みによって、彼は意識を改める。
とっさに引いた手を、再び、ゆっくりと書物へと伸ばしていった。
単なる自己都合なんですが
作中で魔法とかが出てきた時。
出来るだけ一回しか使いたくない派です。
仕方のない場合を除いて、なるべくいろんな魔法が出せたら良いな
と思っています。
でも、残念なことに効果にはそれほど多くは無いのが残念です。




