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公〈おおやけ〉
「人間共、我らが使者を悶絶!
そのままこちらに向かってきます!!」
圧倒的優位な立場で敵を包囲しているにもかかわらず
不安を拭い切れないのは、人間の力に対する恐怖なのか?
神の作った世界に新たな種として三年。
老舗の理不尽な扱いによって失われた同胞は
数え切れない。
だが、ようやく。
下積みを終え、自分達が神の意志を継ぐ存在
いわば世代交代の戦いになるはずだったのに・・・・・・。
このままでは、偵察者の不安が陣営の雰囲気を良くない方向に向かわせてしまう。
そう考えた将軍は
「案ずるな、悶絶したと言っても
奴は、我々二千名の中で最弱の存在
人間に敗れるなど我々の面汚しよ!
このまま奴らの思い通りにはさせん!
皆の者!
我こそは、と思う者がいれば、名乗り出よ!!!!」
軽い自己陶酔と高揚感に、言っている自分も声が大きくなっているのを感じていた。
ただ、彼の呼びかけに答えた者がいなかった事が
彼の中で何か、覚悟を決める原因となったようだ。




