潜伏期間 18(手段の選択)
物語が動き出します。
無理やりに、ですけど。
スラッシュの報告によってユアンの下した判断は
ほんの僅かの時間でアースの知る所となる。
MVNOという組織によって、秘密やここだけの話などが出来なくなり
誰にも真実を告げる事が出来ない世界。
ここにしか棲むことしかできない彼らがいて、この状況を理解している彼らは
相手に与える情報を精査し、自分達に都合の良いことだけを提供する。
それに対してこの情報を受けた者達は
情報の真偽に対する精査を行い、虚実にまみれた情報を流す。
あの日から半年、MVNOという組織が出来てから今まで
繰り返されてきた仮想情報戦に終止符を打つ。
アースの元に集まる情報の全てが、そう告げていた。
考えをまとめる為に、ゆっくりと目を閉じたアース。
彼が再び目を開いた時、委員会の長として
「薬物療法か、それとも手術か?」
そう
心で思っていたはずだったが、思わず口から出てしまう。
そして彼が我に返った時には、既に事態は動き始めていた。
「まるでガラス張りの部屋の様ね」
誰の行動も全て見る事が出来るのは、素晴らしい。
しかし、実際に体感してみると・・・・・・。
それほどいい事ばかりでは無いようね。
今さらそんな事を考えていた彼女の元に
アースの呟いた言葉が告げられた。
報告を聞いた彼女は、満面の笑みで
「そう」
とだけ言った。




